ゼクスが扇(モブ)から性的被害に遭う話



 弱っちいゼクスは、今日も性的な被害に遭っている。

「ぁ……っ、ああっ、ン……っ」

 被害というか――気持ちが良いので、同意・合意・および諦観だ。ゼスペリアの青をこの日もゆるゆると抜かれた。

「ぁ、ぁ、ぁ……ひ、ぁ……や、やっ……」

 これは実際には、怖い。だが――それを塗り消してしまうほどの、快楽が襲って来るのである。そのため、禿げていてデブっている脂ぎった聖職者に抱かれても、その気になれる。モブ姦というか、ブサ姦というか……綺麗なゼクスが、そういった不徳な聖職者に暴かれてよがる光景は、ちょっとそそる。

「ン……ぁ、ぁ……ああっ……ひ……ぅ……も、もう……ぁ、許してくれ……」

 太く丸いが短い陰茎が、ゼクスを暴いている。赤黒い。毛深いその人物は、脂肪でどっぶりとした腹をゼクスの細い腰に当てている。

「ぁ、ぁあっ、あ、きもちい、や、やああ、あ、あああ」

 ゼクスが泣きじゃくりながら喘ぐ。もう限界らしい。

「ひ、あ、あ、ああああああ」

 するとその人物が、Otherを抜くのをやめた。ゼクスが目を見開き、イくにイけずガクガクと震えた。

「や、や、や、やあああああああああああああああああああ!」

 そのまま中の前立腺を無茶苦茶につき上げられて、ゼクスはそちらの刺激で放った。そのままぐったりと、崩れ落ちた。すると別の人物が、ゼクスの顎を持ち上げた。ゼクスの瞳は虚ろだ。その形の良い口に、今度は細いが長い陰茎を突き入れる。それを経由してOtherを抜いたため、ゼクスは咥えているだけで果てた。気持ちよすぎて、夢中でしゃぶり始める。

「ん、ふ、はぁ、っ、んは、ふ」

 喉まで貫かれて苦しいのだが、気持ち良い。すると後ろに入れていた人物の抽挿も再開した。さらにその人物はゼクスの乳首をこねくり回す。そこからもOtherを容赦なく抜き取る。

 彼らは――ゼスペリア猊下執務院内部にいる、扇幹部である。
 ゼスペリア十九世であるゼクスの、ゼスペリアの青は、美味しい。
 しかし扇の手により、地位を落としに落とされたゼスト家の若き当主は、最下層の聖娼夫と同じ扱いだ。誰も咎めない。ゼクス本人も、気持ち良い。

「さて、ゼクス猊下が好きなものを入れてあげようなぁ」

 そう言って、二人は満足したあと、ゼクスに巨大なバイブを突っ込んだ。バイブ型のゼスペリアの青吸収装置である。青の吸収量が増えるたびに振動が強まる。それをPKでゼクスの前立腺に固定した。

「ひ!!!!!!!!!!」

 ゼクスが息を飲んで、気絶した。刺激が強すぎたらしい。顔を見合わせてニヤニヤ笑った人々は、今度は抜き取る量を極小にした。

「ぁ、ぁ、ぁぁぁぁぁぁぁぁあああああああああああああ!」

 結果、ゼクスは意識を取り戻したが、声を上げて号泣した。イく手前すれすれで、ずっと快楽が襲ってきたからだ。

「いやああああああああああああああああああああああ」

 気が狂ってしまう。しかしそれは許されない。闇汚染されないようにと予めかけられていた封印が、狂わせてくれないのだ。これは扇にも予想外の嬉しい結果だった。二人がゼクスの前にリングをはめ、さらに貞操帯をつける。これでもうバイブは取れない。がチャリと鍵の音がした。ゼクスが悶え泣く。

「さて、祝詞を読んでいただきましょうか」

 こうしてゼクスは無理やり立たせられた。そして引っ張られていく。
 民衆の前では、快楽を押し殺して、頑張って祝詞を読んだ。
 しかしその艶は隠しきれない。

 祝詞後、ゼスペリア猊下に挨拶をすると言って――何人も、ゼクスの体目当ての人々が訪れた。だが、貞操帯をはめられているため、本日は相手をできない……ので、口でするという結論になり、ゼクスは何本も咥えさせられ、体に白液をぶっかけられた。その都度Otherを抜かれて、空イキさせられた。

 夜――ゼクスは、寝室に連れて行かれた。そして……PSY融合兵器がはまった木馬に乗せられた。なかには木製の張り型がはいる。人の拳ほども太いが、ゼクスは拡張済みであるし、Otherで若干の無理は通る。

「いやあああ、太い、太い、あ、あ、奥まで、無理だあああああああ」

 木馬が動くたび、ゼクスが号泣する。この時は、貞操帯等もとられ、Otherを抜かれない。そう――体に肉欲を教え込まれているのである。ムチが飛び、ゼクスはその度に喘いだ。このムチにはOtherを抜き取る効果があるので――気持ち良い。ゼクスはOtherの事など知らないので、自分は痛いのが好きだと錯覚させられる。さらにOtherを抜くロウソクをたらされ、熱いのも好きだと思ってしまう。だがその二つは適度であり、夜はゼクスの調教が行われていた。

 さて、翌日の朝。
 朝は、ゼクスの体が解される所から始まる。
 細い指を一本まず差し込まれ、ゆっくりゆっくり抽挿される。その指は、もちろんOtherを抜くのだが――わざと、足りないようにしてある。細い指ではイけないと教え込むのだ。それが終わると、抱き起こされ、乳首を嬲られる。こちらからは一気に取るので、ゼクスは乳首でまず朝果てる。Otherで回復するから、何度でも果てられる体だ。そしてゼクスに、乳首が好きなど淫乱という概念をすり込む。そして――

「ぁ……ああっ」

 ゼクスの陰茎を、その日の係が咥える。宗教院的には付き人だが、無論扇だ。
 ねっとりとねっとりと筋を舐めあげてから、亀頭を咥える。そしてちろちろと舌先で鈴口をなぶる。この時は、Otherは抜かない。肉体的快楽を教える。そうしながら――指を後ろに入れる。そしてまた弱く抜き取る。次第にもどかしくなり、ゼクスが声をこらえ始める。腰が震えている。壮絶な色気が放たれ始める。前に、リングがはめられたのはその時だ。

「では、ゼクス猊下、参りましょう」

 こうして朝の祝詞となる。朝は宗教院関係者の前で祝詞を読む。聞いている何人もが勃起していた。その後、部屋に戻り、快楽がくすぶる体のまま朝食となる。そうして――ゼクスは、壁に貼り付けにされる。使徒ゼストの苦しみの模倣として、両手を十字架に横に貼り付けにされる。だが、足はM字だ。使徒ゼストがM字開脚したという伝承はない。

 この後日中は、ゼクスはみんなに突っ込まれる。ゼクスは苦しみの追体験、周囲はゼクスから神聖さを貰うという儀式となるのだ。もちろんOtherが抜かれているのだが、ゼクスには気持ち良いという事しか理解できない。だが、前からはイけない。散々中イキを覚えさせられるのである。

 その後、午後になると、今度は何人もがゼクスに挨拶に来る。挨拶を装った扇が多い。彼らはゼクスの全身を舐める。舌先からOtherを抜く。舐められているだけで、中でゼクスは果て、訳が分からず絶叫する事になる。気持ち良いのしか本気で分からなくなる。

「あ、あ、あ、ああああああああああああああああああああああああ」

 だが、泣いても泣いても許されない。その挨拶会が終わると――そのまま、挿入に移行する。この日は、毛深い肥えた男三名がゼクスを暴いた。一人は中を貫き、一人は前を咥え、一人は乳首を吸う。壮絶に――気持ち良い。Otherがどんどん抜かれていく。

 そして、貞操帯をつけられる。その繰り返しだ。


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 もちろん、こんなのは普通ではない。
 よって、ゼスペリア十九世を保護すると決まった時、事態に気づいた一同は唖然とした。とりあえず扇連中を一網打尽にし、ゼクス猊下を保護した。

 ――が。

 保護して三日目には、ゼクスが真っ赤になって震え始めた。快楽にならされきった体が熱いのだ。しかも放たれる艶に……ロイヤルにいた人々も、ちょっと当てられてきた。しかしゼスペリア十九世には、本来手出ししてはダメなのだ。

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 さてこんなゼクスだが、闇猫の隊長でもある。
 ――各集団、ゼクスが聖娼夫のようなものである事を当然知っている。

「あ……あ、ああっ、い、うあ」

 盛大にゼクスは、戦地で輪姦されている。前方では高砂や時東達が真面目に敵を殲滅しているが、後方では、その息抜きに、みんなが犯しているのだ。なおこれは、扇は無関係だ。扇もひっそりと紛れているが、関係ない。

 入れ替わり立ち代り、突っ込んではぶっかけながら、ゼクスを嬲る。ゼクスは弱いので、ほかに仕事もない。

「あぁ……ぁ、ぁ、俺、ァ、イく! イく!! あ――!!」

 ここでは、ゼクスはイかせてもらえる。何度も何度も果てさせられすぎて辛くなるほどだ。Otherで中はいつも綺麗である。


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「ねぇ、俺思うんだけどさ、あれって普通なの? 万象院的にアウトなんだけど。強姦じゃないの? 俺、ゼスペリア教がよく分からないけど、あれ、ダメじゃないの? 倫理的に」

 ある日高砂が、ボソッと言った。それを聞いていた時東が、フードを取ってから腕を組んだ。

「俺もそう思う。俺が無神論者だからかと疑ったが――あれは、強姦というか、拷問だろう」

 それを聞いていたユクス猊下が目を細めた。

「……ただゼクス猊下がお望みであるとして、俺達には止められなくて」
「Other抜かれたら気持ちよくなっちゃうから、そうなるんじゃないの?」
「しかも小さい頃からそうしつけられたら、犯罪を行われている認識も無いだろう」

 三人が黙った。彼らは快楽に涙しているゼクスを一瞥した。

「表向きは王宮でゼスペリア十九世保護、裏向きは隊長会議として――しばらくオーウェン礼拝堂に引き止めてみる?」

 こうして、そう決まった。


 初めての事に、ゼクスは驚いていた。隊長とは、名ばかりだったからだ。

「初めまして、高砂です」
「時東だ」
「――ゼクス=ゼスペリアです」

 こうして、ゼクスの王宮生活が始まった。が、三日もすると、ゼクスが赤い顔で震え始めた。いきなり快楽がなくなったからである。吐息が熱い。放たれる色気に各集団の人々が当てられ始める。しかし高砂と時東は、自制心が強い。ヤれるかと言われたらヤれるが、目的は、保護だ。ゼクスの目が、明らかに抱いてくれる人間を探し始めた時、高砂と時東が顔を見合わせた。

「ゼクス猊下。具合が悪そうだから、少し検査を」
「え、え?」
「ここに横になってくれ」

 時東はそう言い、医療用ベッドに促した。ゼクスが若干期待しながら横になる。

「検査器具だ」

 そう言って時東が拘束具をはめた。ゼクスの瞳が、期待にあふれた。
 ――だが。

「……離してくれ」
「一晩様子を見る」
「……っ……」

 時東は放置した。意図は、快楽除去である。自慰もできなくなった。さて――ゼクスは体が熱くて泣きそうだ。半分は泣いている。それを見るとちょっと可哀想だが、時東と高砂は放置した。きちんと観察はしていた。

 さて翌日、ゼクスの瞳が虚ろになった。震えている。頭の中が、もう、快楽の事しか考えられなくなっていた。そこで時東が鎮静剤を打つと、ゼクスが眠ってしまった。

「……時東、大丈夫なの?」
「……おう。なんというか、イメージで言うと、酷い媚薬の離脱症状って所だな」

 時東の解説に、高砂が頷いた。
 さて、その翌日には、ゼクスがすっきりとした顔で目を覚ました。

「? なんだか、体が爽快だ」
「検査は終わりだ」

 時東の声に、ゼクスが微笑した。こうして――ゼクスの保護が本格的に始まった。そうしてみてみると、あの手この手でゼクスを誘い出そうとする人々の中には、敵が大勢いた。ある意味ゼクスを囮に一網打尽である。

 ゼクスは、このようにして、解放されたのだった。