人肉狂気愛




道徳だとか、理性だとか、もうどうでもよかったーー僕は、たぶん僕はもう何も考えたくなかったんだ。今日は太ももの肉を切り取り、ひき肉にしてコロッケを作った。よくファストフードで間宮は、揚げ物が挟まれていたバーガーを食べていたから、きっと好きだと思うんだ。それから血液を抜いて餡子と混ぜてお汁粉を作った。間宮はつぶあんよりこしあんが好きだって知ってる。
嗚呼、無秩序な料理。
それでも姉がいる限り、僕は料理をやめる気はない。
味見をすれば、それらは吐き気がするほど不味かった。


だけどその後、僕が日和の手で作ったシチューは美味しかったんだから不思議だよね。中に混入されている人肉を自覚しながら、僕は笑って食べた。何も知らない間宮と一緒に。それは復讐なんかじゃなかったんだ。僕としては、日和の望みを叶えたかったんだよーー勿論言い訳だけどね。

僕には時々わからなくなる。
僕の中では間宮に対する友愛に似た執着と、殺意に似た狂気のどちらが優っているのか。とにかく世界は不満だらけで、僕は間宮にことが嫌いなはずなのにーーなのに、離れられないんだ。

きっと次に料理をするとしたら、間宮のことを食べ尽くしてしまいたい。
眼球まで、その奥の視神経まで、一つ残らずだ。
そうしてどうするのかだなんて、ただの愚問だ。
間宮がいなければ、きっと僕は死ぬ。
それは現実的な問題ももちろん含んでいるけれど、それ以上に、精神的にだ。
僕がこれほど執着しているんだから、間宮だって僕に執着するべきだなんて時に馬鹿げたことを考えながら、僕はいつももがく。
嗚呼、息苦しい。
ただ間宮がそばにいればそれでいいんだよ。
そこには理屈も理由も理性も道徳も何もない。それゃ、ダメ?