彼シャツ(★)



「ここが良いのか?」
「ぁ……ァ……ち、違う」

 気持ち良すぎて、気が狂う。僕は目をきつく伏せて震えた。
 もっとそこを刺激されたら、僕はどうにかなってしまうだろう。

「ここがいいと言っているけどな」
「あああっ」
「狂えば良い」
「ああ、ン、っく、ぁ、ァ」

 ゆるゆると動かれて、僕は咽び泣いた。後ろから僕の背中に体重をかけて、身動きを封じ、ゆっくりとゆっくりと如月さんが腰を動かしている。僕は中を暴いている巨大な熱に次第に慣れつつあった。

「そうか、慣れたのか」
「!」

 僕の心を読める如月さんが、意地悪く笑う気配がした。そしてそれまでゆっくりとだが確実に突き上げていた前立腺から、刺激する位置をずらした。不意に直接的でなくなった刺激がもどかしすぎて、僕は無く。

「あ、ああっ……ァ……ぁ……待って、もう……」

 果てたかった。さすがに中だけで出すなんてできないが、如月さんは中を刺激して限界まで僕の前を感じさせなければ、イかせてはくれないのだ。腰が震える。僕は後ろの双丘を突き出すようにして、腰を揺らした。我慢できない。

「我慢できないのか?」
「う……」
「何処を触って欲しいんだ?」

 前だ。陰茎を握って優しく昂められたかった。それに最近、気持ち良いと覚えさせられた中も突き上げられたかった。

「こうか?」
「あ、ああっ、や、あ、あ――違う、待って、あ」

 乳首を擦られ、ギリギリまで陰茎を引き抜かれる。
 僕が喉を反り返らせた時、再び笑う気配がした。

「たまには口に出してくれ」
「早く、早くイかせて」

 すると、やっと激しく突かれ、僕は何度も声を上げた。そして前を撫でられた時、泣きながら果てた。


 ――そのまま寝入ってしまったらしい。

 今回こうなったきっかけは、お茶をこぼして、僕の服が濡れてしまい、取り急ぎ脱いで裸になったら、そのまま押し倒されたからである。流され気味の僕は、最近では如月さんの体の虜かもしれない。

「起きたのか?」
「……はい」

 毛布から出た僕に、その時如月さんがシャツを一枚手渡してきた。
 如月さんのシャツである。

「風邪をひくと悪いから着ていろ。裸じゃ自分の部屋にも戻れないだろうしな」
「ありがとうございます」

 素直にブカブカのシャツを着て、ボタンを閉じた。手が見えないくらいに長いし、下腹部までシャツで隠れた。だが、さすがにボトムスを履きたい。

「あの、下も貸してもらえますか?」
「どうして?」
「どうしてって……」
「――似合っている」
「は?」

 いきなり言われて、不意打ちだったから僕は赤くなった。

「可愛いな」
「や、やめ――」
「俺の服を着ている所、一度見てみたかったんだ」

 如月さんはそう言うと僕を抱きしめて、そして頭の上に顎を乗せた。
 身長差が少し悲しい。僕も小さいというわけではないと思うのだが。

 まぁ、このようにして、僕は毎日を過ごしている。