続・この棒はなんだ??
「お、おい……やめろ……待っ」
教えるからベッドに座れと言われた直後、風紀委員長は何故かこの仮眠室にはデフォルトで設置されていた手錠と足輪を嵌められた。なんで? という気分だったが、あまりにも会長の手際は良かった。そして服を剥かれたのは、もう二十分ほど前で、何を思ったかいきなり口淫してきた生徒会長を、必死で声を堪えながら珠白は制止していた。
「まぁ、そろそろいいか」
五泰良が口を離す。勃起していて、あとちょっとで果てそうだったため、これはこれでもどかしいと気がつき、珠白は息を詰めた。
「離せ!」
「なに言ってんだよ、あ? これからが本番だ」
「は?」
「てめぇは、コレの使い方を知りてぇんだろ? ん?」
ニヤリと笑って五泰良が、透明なケースから細い棒……と、珠白が認識しているブジーを取り出す。そして仮眠室のベッドサイドに、こちらもデフォルトで置いてあるローションのボトルを手に取ると、タラタラとブジーにかけた。
???
意味が分からず、珠白は小首を傾げてその光景を見る。ちょっと萎えてきたのでホッとしながら。だが、すぐに陰茎を五泰良の左手で支えられ、うっ、と呻きそうになる。
そして五泰良の右手が棒を持ち、その尖端を己の鈴口にあてがったのを見た瞬間、事態に気づいて目を見開いた。
「待っ――、――!!」
侵いってくる……尿道をゆっくりと、ぬめりを帯びた固く、極細の棒が、進んでくる。最初は声にならない悲鳴を上げたが、直後。
「うわああああ、止めろ!! 止めてくれ!!」
思わず珠白は絶叫していた。いつもの冷静沈着さなど欠片も無い。艶やかな黒髪を振り乱し、一瞬で涙ぐみ、全力で首を振っている。ガチャガチャと手錠と足輪の鎖が啼くが、体の拘束は一切緩まない。
「いやだ、やだ、やだ、止めろ、止め――、うああああ!!」
恐怖が強い。
そう思っていた時、ブジーの動きがやっと止まった。
「あっ、は……」
震えながら呼吸をしている珠白の、涙で濡れた目を見ると、急に会長が優しく慈愛に満ちたような顔で笑った。もう終わりだろうかと、珠白は期待した。縋るように、五泰良を見あげる。
「もう、使い方……わ、分かったから……と、取ってくれ……」
「ん? まだまだこれからだぞ?」
「――え?」
「じゃ、はじめるか」
フッと笑ってから、五泰良がトントンと棒の先を叩いた。
「あ」
その瞬間、何が起こったのか、最初珠白は分からなかった。全身にびっしりと汗をかき、頭が真っ白になり、なにか、全身を水のようなものが駆け抜けた感覚だった。
「な、なん……?」
なんだ、と、うまく声にならない。それを見ると、意地悪い顔で笑ってから、トントントンと今度は連続で、五泰良が棒の尖端を指で叩き始めた。
「うあ、ああああああ!! 待っ――やあぁあああ!! うあ、嘘だろ、うあああ!!」
そこで初めて珠白は事態を理解した。
そうされるとイってしまう。棒がグリと陰茎の奥を刺激する度、その度にイっていた。勿論尿道はブジーで塞がれているから出るわけではないのだが、絶頂感が都度襲ってくる。
「あ、あ、あ、あ、あ、あああああ! あ、あ、あ! あっ、ン――っ、あ!!」
「こうやって前から前立腺を刺激して、イかせるんだよ。わかったか?」
「わかった、わかったから、わかったからぁあ、あ、あ、ア!! もう止め――」
「ん? 甘イキからガチイキから、きちんと教えないと、な?」
「うあああ」
深めにグリグリと五泰良に棒を動かされ、珠白の理性はブツンと途切れた。
首を我武者羅に振って、ボロボロと泣く。
「次は甘く、な?」
「ぁ、ぁ、ぁ、ぁ、あぁ!」
今度は弱い力でトントントンと棒を動かされる。それでもその都度果てるのだが、先程よりは弱い絶頂だ。代わりに、長く感じる。
「もういやだ、もうやぁ……! ぁあ、ひぁ、ひゃっ、ああ、ああ、あ、あ、あ、あ、あ、あああああ! あ――! イってる、またイっ、もうイけるわけが、いやだ、あ、あ、あイってる、待ってくれ、うあああ」
五泰良は暫くの間、そうして珠白の体を弄んでいた、
「どうだ? 使い方が分かったか?」
コクコクと必死に珠白が頷く。するといい笑顔を浮かべた五泰良が、少しだけブジーを引いた。解放されると信じきっている珠白は、それしか期待していなかった。
「二つ目の使い方だ」
「――え? あ……ああああああああああああああああああああああああ!!」
五泰良が棒で、珠白の尿道の側面を刺激し始める。側部を擦りあげるその動きに、ギュッと目を閉じ、珠白が絶叫した。
「待って、待って、待って、それはダメだ、うああああ」
「どうだ?」
「やぁ、あっ、うあ、出る、出る、待ってくれ、出る!! 出るからぁ、あ、出せない、うああああ」
そこを擦られると、猛烈な射精感と射精欲求に襲われる。普段精液が通る時に、刺激される箇所でもある。だから出ると体が錯覚し、出したいと強く思うのに、実際には内部はブジーで塞がれているので、精液が出るはずもない。
「いや、いやっ、いやぁあ! 出る、出るから、あ、あ、出せない、出せない、なんだこれ、うあ、嫌だあ――!!」
「イきたいか?」
「ああ、ああ、イきたい、頼む、イかせ――」
「そうか。よほど前立腺を前から責められるのがお気に召したらしいな?」
「! えっ、あああああああああああああああああああああああ!」
ニヤニヤ笑った会長が、再びブジーを奥まで入れ、グリグリと前立腺を暴き始めたものだから、頭が真っ白になり、風紀委員長は絶叫するしか出来なかった。
その後もイきたいと言えば前立腺を、もうイけないといえば尿道の側壁を刺激され、すぐに風紀委員長は泣き叫ぶしか出来なくなった。
「へぇ、意外といい声で啼くんだなァ」
終始その姿をニヤニヤと五泰良は見据えながら、指を動かし続けたのだった。