風紀委員長の告白







「好きだ」

 もう気持ちが抑えられなくなったから、という理由で、珠白は告白した。
 非常に勇気を出した。おろしていた拳は震えていた。
 二人きりでの会議の、帰り際のことだった。扉から出て行こうとした五泰良に声をかけたのである。

「ん? なんだ唐突に」
「繰り返すが、俺はお前が好きだ。付き合って欲しい」
「――へぇ。別にいいぜ」

 簡単な返事だった。最初はフラれると思っていたから、上手く理解が出来なかった。

「じゃあ、まぁとりあえずヤるか」
「……え?」
「恋人になるってのは、そーいう事じゃねぇのか? 来いよ、このまま直帰なんだし俺様の部屋に誘ってやる」

 こうして頭が真っ白のまま、珠白は五泰良の部屋に連れられていき、巨大なセミダブルのベッドの上に押し倒された。服を剥かれ、首筋に噛みつくようにキスをされる。

 五泰良とこうした行為をする事を、夢見ていなかったわけではない。
 だが上も下も考えた事は無かったし、どちらの経験もないものだから、硬直して寝転がっているしか出来ず、緊張も抜けない。

 ローションとゴムを手に取った五泰良は、手慣れた様子で珠白の太股を持ち上げると、ぬめる指で後孔を解し始めた。

「力抜け」
「あ、ああ……」

 ビクビクしながら頷いたものの、どうやって力を抜けばいいのか分からない。
 すると溜め息をついてから、五泰良が不意に珠白の前立腺を刺激した。

「ぁ……っ」

 勝手に甘い声が漏れたものだから、恥ずかしくなって珠白は口を両手で覆う。

「ぁ、ぁ、ぁ」

 しかしニヤリと笑った五泰良が、そこばかりを責め立てる。暫くそうされていると、体が熱くなり、自然と緊張が解けていた。体が汗ばみ、珠白の綺麗な黒髪が肌に張り付き、目には艶が宿っていて、非常に色っぽい。

「挿れんぞ」

 既に勃起していた陰茎にゴムをつけて、五泰良が一気に珠白の中へと押し入った。押し広げられる感覚に、思いっきり珠白が締め付けてしまう。背を反らし、衝撃から無意識に逃れようとした体が腰を引こうとするが、太股を持ち上げている五泰良がそれを許さず、ぐっと奥深くまで挿入する。そして腰を揺さぶり始めた。

「あ、あ、あ」

 すると前立腺に刺激が響いてきて、既に反応していた珠白の陰茎がより張り詰めていく。
 ――気持ちがいい。
 そう思った時、珠白は放っていた。それを確認した五泰良は、はっ、と荒く息をつくと射精した。ゴム越しの熱い感覚を知りながら、そのまま珠白は眠ってしまった。