ダラダラ
「なぁ、珠白」
後ろからぎゅっーっと腕を回して、珠白の肩に、五泰良が顎をのせる。
雑誌を読んでいる珠白は、顔を上げると頭を五泰良の逆側の肩の方に預ける。
そうして二人は視線を合わせ、それから触れるだけのキスをする。
気怠げな表情の珠白は、それから再び雑誌に視線を戻し、五泰良は両腕に少しだけ力を込める。五泰良がくっついているのが自然になりつつある珠白は、その体温が嫌いでは無いと思っている。
「好きだぞ、珠白」
「ああ」
「お前は?」
「言わないと分からないのか? さすがはバ会長だな」
「お前の口から聞きたいんだよ。分かれ、アホ風紀」
言い合いすらも、今では甘い。本日は、雨。窓の外では、白い雲の下、しとしとと雨が降っている。
「五泰良」
「あ?」
「好きだぞ」
「知ってる」
ニコッと嬉しそうに五泰良が笑ったので、満足して珠白も口元を綻ばせる。
お互いの目を見て見つめ合い、それから再び、触れるだけのキスをする。
休みの日は、大体このような感じだ。