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こうして、クラウンズ・ゲートが正式にリリースとなった。なるほど、公開後は、大陸選択から開始できるようで、どちらか片方をクリアしないと他には行けないらしい。既存組は攻略を続けないとこっちに来られないし、こっちスタート組は、こっちを攻略しないとあっちに行けない。そして新しい俺達がいる街は、『ミレイスの街』と言うのだが、レベルで言うなら、初心者の街と同じくらいだった。そして左の道は、順々に強くなり、右の道は、俺達しか今はいないが継続で強いようだ。ヨゼフの方には分岐は出ていないらしい。レベルキャップは全部200だという。職業追加はないが、スキル追加が一気に来たので、今のレベルでもレベル1として追加されたのがいっぱいある。さらに生産は分かっていたが大量だ。ただし、経験値が増える課金アイテムだとか、課金倉庫や個人ホーム倉庫もいっぱい増えた。
俺達は、最初の一ヶ月は、スキルを上げたりして、毎月頭に一個ずつダンジョンを攻略すると決めた。今分かっている公開マップによると、三個先まで存在するらしく、半年後までダンジョン追加は無いという。なお、半年後も、ダンジョン追加かは不明だ。新マップ開放という表現だからだ。左側の道の方は、もう七つくらい事前に用意してあるようだから、進行自由みたいだ。なお、左側の攻略は、最初の三日で全部終わったのだ。課金アイテムで、マップの入口から出口に移動できるアイテムがあって、全員買ったのだ。探検は後で自由にとなった。この結果、全部攻略できているので、俺達は、後は各自と決めたのである。
基本的に、俺とゼストとルシフェリアとクラウというレベル上げ組が出来た。イリスは生産を極めている。ハルベルトと義兄弟二名は、来たら合流が多い。このメンバーだと、俺が回復のパターンも多い。とにかくひたすらレベルを上げた。そしてダンジョンに臨み――すっごくギリギリで倒して、次の街に到達した。移動にはアイテムがあるからそこまで時間がかからないのだが、敵が強かったのだ。全員がフル課金である。だからレベルもかなり上げたし余裕で上がっていったのだが、その状態であってもだ。これはやばいという話になり、俺達はレベル上げを頑張った。次の街には俺達しかいない。だが、戻れるし、俺達は他の大陸にも行けるので、生産素材やPOTに関して困る事はない。売るとしても買うとしても、である。なお、こちらの大陸でも『桃花源』は有名になった。いっぱい作ってあったのを放出しているだけだが、初心者装備やPOTは共通なのだ。効果の話で、素材が違うから見た目や名前は違ったりするが。
個人宅などは各自でやりつつ、装備は俺とルシフェリアが主体で全員に良いのを常に模索した。イリスは薬剤POTだ。ゼストとクラウと義兄弟で、先の様子やアイテムでカットアウトした場所のモンスターを調べている。そしてクラウとハルベルトで素材を収集している間に、ゼストと義兄弟で次のダンジョン内を見てきたり、というのが多い。ハルベルト単独では、他の時間に前の大陸を見に行って来たり、新しい街を見てきたり、露店の値段を見てきたり、という作業をしている。自然と分担していたのだ。他は全部、ひたすら全員でレベルを上げた。キャラレベルと、攻略で使うスキルと職のレベルだ。他はとりあえず攻略後にと決めたのである。こうして一ヶ月後、つまり開始後二ヶ月目になったので、俺達は攻略に出かけた。
意外と行けた。やっぱり強いが、前ほどの焦りはなかった。そのまま続けて、残りの一つにも挑戦した。結果、無事に倒せた。すっごくその時はギリギリだったが、なんとか倒せたのである。全員で大歓喜したのは言うまでもない。
こうして二ヶ月と一週間で、心残りは無くなったので、後は全員が自由行動になった。レベルは、キャラと暗殺者が150くらいになっていた。そこからまず、俺はゼストと一緒に職とスキルのカンストを目指した。ルシフェリアとイリスも大体一緒にいたが、この二名は、自分の必要職とスキルを上げたら、生産を主体とした。俺とゼストはぶっ通しでやったという話である。ゼストに関しては、他の職を上げていなかったから、全部上げるという目標があったのだろう。その内に、ルシフェリア&ハルベルトか、ルシフェリア&義兄弟で初心者支援をする日が増えた。ハルベルト&義兄弟とゼスト&義兄弟もある。俺とイリスは、どちらかというとPOTや装備を支援用に作る方が圧倒的に多い。クラウは素材集めが得意なので、俺達三人で組む日もかなり増えた。その時は、俺が前衛で、クラウが中衛と魔法系攻撃、イリスが回復というのが多い。この流れで、俺も生産スキルも上げ始めた。課金アイテムは、生産と攻撃スキルレベルと学習システム系は上がらない。