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「兄上」
「おはよう」
「ああ、おはよう。現在の各職は、配置も含めて完璧だ。ただ、できれば、全レベル帯を複数欲しい。そちらはディスプレイではなく、一角に内部VRモニターで良い。リストだ」
「なるほど。お前、真面目に戦う方向性か? ね、念のため……」
「無論だ」
「あと、雑誌さ、値段書いたのか?」
「ああ。父上と相談しつつ決めた。悪いが、アンチノワールと黒騎士の該当商品はそれで頼む。今送った。雑誌のデータごとだ」
「う、うん。分かった――わぁ、すごい! かっこいいな、この広告っていうか、記事とフォトグラフ! 値段は……露店より超高いが、リアルマネーだとそうでも無いな。けど、高いのはリアルマネーでも超高い。30万円の指輪とか、大丈夫なのか? 効果なしの黒騎士だと、7万円だ……」
「大丈夫だ。自信がある」
「俺さ、これ、5円均一なんだけど、やばい?」
「ぶはっ……い、いや、兄上の自由だし、なるほど、そういうオシャレ雑貨は良いんじゃないのか?」
「よ、良かった」
「いちいちセンスは良いのがすごいがな。他は3000円くらいで売るだろうという出来栄えだ。資料は見ただろうが、エキストラとデススターと猟犬が競合だ」
「後な、俺が見た限り、個人で10職やる人の二名が、アメリカとスイスで、ゲームのメイン武器デザイナー。三名が服のメインデザイナーで、こちらはドイツとスウェーデンとフィンランド。五名とも、生産側でも聞いた事あって、武器は280レベル以上の貴重な2名だし、服は、服飾のカンスト者だ。この人々、超強いと俺は思う」
「! そうか」
「後、3店舗魔術師の人は、武器&装飾具&体装備&服飾の4つが230越えで、前に生産同盟の執権やってて抜けた人。魔術師とキャラが350。この人も強い。それから、お店クランのワーズワースは、最近はやってないけど、前に体装備の手袋と帽子ONLY専門店やってたことがあって、その時の商品的に、300レベルだった。メンバーの誰か一人は。それで、ここが、5店舗で冒険者やるから、おそらく冒険者装備出してくる。古参は食い尽くし、絶対人気出る。ここも強いと俺は思う。それと錬金術師専門店を二店舗でやる人、この人、貴重なスキル書スキルの持ち主で、70レベル以上のはずだ。レシピコピれる段階だから、場合により強いよ。生産観点だとこういう感じだな」
「頼りになる。俺には把握できなかった」
「いやいや。それで、今上げた所は、特定できた理由は、全部外のデザイナーのマークだったから、デザインもそこそこプロかなと思う。ここまで全部サイトまとめといた。これ、今送った」
「兄上、グッジョブだ。特定しようとしていた」
「あはは。まぁ、ちょっとはな。後、春にこれ発表だったから、ガツガツ、公式発表後に生産上げた人と企業もいると思うから、その辺は不明だ。内部応募は、高レベルは様子見が三分の二、残りの半分は課金やらない派。今は。応募が多かったのは、生産レベルが50〜100と聞いた。ゲーム平均だと高い。露店個人は、30〜50と100〜150と200〜220で山があるって橘が言ってた。本当かは知らない。生産同盟情報と、リアルのVRフレ関連情報らしい」
「そうか。助かるな」
「橘と榎波にリンク貼ってくれ。あちらはリンクフリーだそうだ。俺の黒曜宮商會に、やつらの露店の案内を商品として出したから」
「ぶはっ、新しいな」
「これ。どうだ?」
「ぶはあああっ、内部案内所。うわあ、これ流行りそうだな」
「良いだろう。後、そう、経営スキルで看板出せるのは、どうする?」
「それは父上と相談してこちらは配置を決めた」
「そうか、じゃあ大丈夫だ。桃花源とかは、イリスがやるみたいだ。ルシフェリアはわざとやらないかもみたいだな」
「なるほどな。お祖父様も出さないそうだ――後は、兄上は、建築と各職か? 各職は大丈夫か?」
「ああ、やってみる。建築は、生産放置だけだから、大丈夫だ。レクスに渡すのは、VR倉庫にもう入ってるから、ユレイズは自由にしてくれ」
「感謝する!」
「俺は他は、お祖父様の医療系だな。イリスとのは終わってるし、桃花源込みで個人もひと段落したから、各職ガツガツやれる。この後から内部で作業する形だ。次、何時が良い? できれば俺、内部会議が良い。通信は、音声チャットが良いから、お店クランチャットが望ましい」
「分かった。夜の八時に一度。ただし、他の時間にも何かあれば適宜。これでどうだ?」
「了解です」

 こうして食事を終えて、俺はVRに行き、お水とラベル、タバコ数種類とパイプの洋風和風、灰皿、オイルライターを作り、これは、案内所の商品に決めた。同時進行で、建築はやっていて、他に空いている個別スキルで、お祖父様との医療装置の素材をフルで作りながら、他はひたすら、各レベル装備の生産をしつつのデザインである。

 レクスは意外と細かく、20レベル単位かつ15種類ずつという膨大なリストを持ってきた。俺半泣きである。しかも今回は、傾向が書いてあるのだ。

 これまでのどれと似たようなのとか、色とか様々な事が書いてある。それが意外としっくりくるのだ。多分、自分でデザインを書くより、イメージを伝えてデザイナーに渡すのが向いているような気がする。経営の人なのだ。

 だが、朝自習をしているのは知っている。多忙なのにだ。超すごい。かつ、資料と素材一覧だけ先に見たらしく、それも頭に入っているようで、どの素材のあれっぽいけどおしゃれに、とかもある。真面目にすごい。

 息抜きにたまに、小物とか雑貨を適度に書きつつVRタバコを吸った。ニコチン置換も可能だから、本物風だ。香りつきと葉巻も追加で作った。なおファッションタバコも可能である。それと昭和レトロ風だから、扇子とかも置いてみた。なんか良い感じだ。

 そしてまた、ガツガツとデザインだ。レクスがすごいのは、個別に好きなのを組み合わせ可能なデザインである所だ。ディスプレイ装備は、セットだが、こちらは好きな手袋と靴で違った個性とかを出せるのに統一感がある。リアルのアパレルの基本がバッチリだ。

 一品だけハーヴェストとかでも格好よくなるのである。これは確実に売れると俺は思った。レベルは低いものは、オシャレ装備に追加で良いし、パーフェクトだ。かつ、カバン系がごそっと増えた。武器ケースもある。武器立てもある。靴べらもある……靴べらは、鴉羽クラフトの5円均一にもあるが、デザインがレクス指定だとファンタジーだ。

 俺は息抜きに、これらとセットにできそうな、貴族衣装とゲーム風衣装を追加しまくった。かつ和服店には、和装小物をちょこちょこ増やした。後、クシと鏡を各地に追加した。マニキュアと口紅とチークとかを薬剤スキルで作り、石鹸とかシャンプーとかも作り、女の子向けブースを設けてみた。場所は、三店舗増やした。

 化粧品・石鹸専門・シャンプーなどその他の石鹸系専門店である。これらは、黒曜宮クラフトとした。ぶはっ、売れるんだろうか。俺は悩んだ。カマキャラ疑惑が怖いが、トラ猫で黒曜宮風の服を来ているアバターに口紅をバシっと大きくつけて、あえてのカマキャラにしてみた。そういえば、装備、女性用がないなと思って、さらに10店舗勝手に作って、女性用を配置した。

 そうしたら、子供用と動物アバター用が無いと気づいて、20店舗作った。けどこれらは、イケてる装備の女の子OR子供Verと動物でも素敵Verだから、すぐにできた。とっくに夜の九時だったが、レクスには「ちょっと待ってくれ」とお願いして、ガシガシと作った。全部5000万円ずつである。

 して、また、イケてる装備の残りに戻り、それが二時に終わり、女の子Verと子供Verと動物Verが四時に終わり、俺はレクスに連絡して謝った。起きていた。それで画面で追加を見ていたらしくて、「何を追加したんだ?」と聞かれた。

「う、うん、ど、どうかな……なんか気づいたらやっていた」
「ぶはぁっ! いや、女性と子供と動物は、俺の理想だったが間に合わないだろうと思って言わなかったものだ。しかも装備、全部終わったのか!? 武器はデザインのみもあるが、間に合う! 兄上は天才だ!!! 色っぽいものから、渋いものまで、子供服も丁度良いアバターサイズだろう」
「よ、良かった。後な、これ作ったんだけど、ひかれるとおもうか?」
「――いいや、なるほど、メイク用品は穴場かもしれないな。ルージュノワールとコラボもひとつ欲しい。後、女性用ジュエリー。これも転用で良い」
「あ、分かった。それはすぐ出来る。俺が版権ので良いか? 母さんのジュエリーもある」
「ああ!」
「うん、やってくる。明日何時にする?」
「――兄上が落ち着いたら連絡をくれ。俺は待っている。ただし、睡眠後、起きている時間中に一度、というのは、頼む」
「うん、わかった。有難う! 俺、そのペースがありがたい!」
「ああ、そうみたいだな」

 こうして、ルージュノワールコラボ化粧品とルージュノワール女性服とルージュノワールのジュエリーの三店舗も追加して、黒曜宮クラフトのメイクショップに案内も出して、カマ疑惑を消して、案内所には、全部の追加店舗情報を出して、寝た。