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思うに、俺達も規模が大きいから、調査されている気がした。ただ、ゼクスと鴉羽は多分繋がらないだろうから、黒騎士が鴉羽に声かけとか、そういう印象だろうと思う。プレイヤー名ゼクスは、あんまり知られていないと思うのだ。
翌日は、十時ギリギリに起きて、ご飯を食べた。ご飯が無かったら、俺多分寝ていて起きなくて、仕事しない。この日も早速VR。シャワーは五分。
そして、生産の放置群を並行しながら、デザインデザインデザインで、直しを入れたり、適用したり、ガツガツ頑張った。もう、何店舗あるのか不明だが、確実に100以上ある。これ、父上の会社やお祖父様の実家グループ、あるいは、ルージュノワールが本気を出した的なイメージなんじゃないかとふと思った。
かつ、それ、事実かもと思った。父上、経営情報を見ると、めっちゃ出店している。天球儀とハーヴェスト名義でも多数出しているが、個人もあるし、会社とコラボとか、各会社独自とか、雑誌との提携とか、いっぱいある。
父上、2000店舗くらい出してないか?
俺は、驚いた。それだけじゃない。お祖父様も出している。実際のVR医療装置を飾ってたり、お祖父様特許医薬品のロック展示だとかしたり、VR医学論文集とかをスキル書で作ったらしく(地味にお祖父様、300越えみたいだ)それも展示だ。
誰が見るのかなと思ったが、専門資格って、もしや、こういう使い方なのかなとふと思った。なので俺も、黒曜宮商會寺子屋カフェを作って、俺のデザイン系著作の本屋さんと、見本をロック展示した。売り文句『デザインを始めてみませんか?』である。著作権俺だから良いだろう。リアルの出版社名は、内部に書いておいた。
それで、配置配置配置をして、またデザインデザインデザイン、それから倉庫整理をして、この日、PSY融合医療装置に着手した。これ、放置できない。超難易度高い。
ここから、装置・デザイン・装置・武器作り・装置・デザインみたいな感じになり、合間に建築となった。
夕方、建築の終わっている分がガツンと入っているVR倉庫を父上にデザイン適用して送って、修正確認を頼んだら「パーフェクト」とOKをもらったので、また、装置・武器・装置・装備・装置と、繰り返した。
そして合間に庭を作って緑に癒された。その間も、装置は入ってきた。これをずーっと続けて、翌朝の七時過ぎにわれに帰ったのは、武器&装備が完全終了だったので、それを倉庫に入れてVRモニター内部で配置可能に接続してから、レクスに連絡した。装置は続行である。
「兄上、完璧すぎる! 本当に助かった!」
「良かった……他に俺達の共同だと、何がいるっけ?」
「商用建築も含めてひと段落だ。後は、3種類の衣類はどうなった?」
「追加しておいた」
「――今見た。さすがのクオリティかつ、俺の理想の、装備系との組み合わせ可能デザインだ。兄上、パートナーに最高だ」
「あはは。嬉しいな。俺、今夜の九時半まで休めない生産をしてるから、直しは、その間が良い。ながら直しは可能だ。追加の武器と装備もこの間。それ終わったら多分十時くらいから爆睡して、明日の午後まで寝ると思う。その後起きて、最終調整して、それから三日は、倉庫にガツガツ入れたり複製したりになると思う」
「了解した」
「レクスとフレはどうだ? 相談もこの間なら大丈夫だ」
「まず、フレと黒十字同盟は完璧だ。兄上、本当に有難うとフレが伝えてくれと言っていた。非常に喜んでいたし、兄上を尊敬している」
「照れるな。有難う」
「俺は、ハーヴェスト家特集の展示に変えた。実質、兄上と一部俺と、僅かに父上とお祖父様の写真館。リアルの方だ」
「ぶはあっ」
「俺、これで、露店で一番売れる自信が無くもない」
「それはありえないだろ、だって、芸能事務所とかアーティスト事務所とかも出るんだろ? VRモデルとか、ネットのボカロとかの専門ブースとかも。俺ただの自社関連モデルだぞ? レクスメインなら兎も角、知名度もゼロに等しい」
「しかしながら死ぬ程イケメンだし、アンチノワールと黒騎士のファンは全員知っているだろうし、鴉羽商會を知らない高レベルはいないし、ゼストを知らないユーザーも少ないし、足を運んだら、兄上が目に入れば、もう、バンバン流行ると俺は思う。ちなみに、サイトの公開は明日として、二週間は予約機能を使えるそうだが、予約開始しても良いか?」
「ああ、良いよ。イリスもそういう感じで言ってたから、今、一斉送信で明日とする。何時?」
「0時ジャストだ」
「了解――ああ、みんないて、みんなOKだって。言おうと思ってたらしい。時間はまちまちだったけど、こっち0時なら0時にするって。それで、今夜の9時から、動画サイトで、ハルベルトが生放送をやって、『フレが課金店をやるから、0時にリンク出します』とだけ、宣伝してくれるそうだ。誰かは言わないけど、ルシフェリアがひっそりとフレに武器オーダーメイドやるって色々呟いて広めたらしいから、多分みんなそれだと思うはず。で、ルシフェリアとハルベルトのサイトトップに桃花源&イリスサイト&レクス作サイトがバーンってなるらしい。ルシフェリアのは無い的な」
「非常にありがたいな!!!」
「かつ、ゼストが、もう、今、アイゼンバルドの広場で、『えっ!? ルシフェリアが課金!?』と、役者もびっくりな感じで叫んでる。やつのサイトはその時間に、ハーヴェスト各職総合バナーと電子書籍広告。俺とレクスのリア広告、どっちも」
「ぶはっ」
「ヴェスゼストが、アイリスで、朝の集会終えた後、『そういえば非常にお世話になった尊敬する某所ギルマスがリアル弟と一緒に課金店をやるらしく、ゼストが明日になったら広告を出すそうだ。0時のようだな』とか呟いたらしい、ぶは。身バレするだろうが!」
「ぶはああっ。弟って言ってるからな、兄弟モデルだしな」
「うん」
「後な、そうだった、VRゲーム総合サイトと、VRシティ情報サイトと、VRMMORPG専門情報サイトと、アースタロット・オンライン公式にも、0時にリンクで、最初の二つは、静止動画で、各職リアルとアバターで出る」
「ぶはっ、う、うーん、恥ずかしいよな、なんか」
「けどな、思ったんだが、雑誌発売まで、兄上と気づかない人もいるだろうな」
「え? アンチノワールと黒騎士で出してるのにか?」
「動画だ。兄上、なんかこう、映画の俳優みたいだった。本物の暗殺者とか魔術師とかみたいな空気だったんだ」
「ぶはっ」
「父上とお祖父様も超やばい。俺は一発で分かると思うが――なぁ、兄上、兄上のスキル使用の戦闘動画欲しい……装置生産しながらで良いから」
「えっ、真面目に?」
「うん」
「装置な、放置可能が45分なんだ。その間で良いか?」
「ああ! 兄上って、職、全部カンストか?」
「まぁな」
「やっぱりとは思っていたが凄すぎる!!! ぜひ、各職装備のディスプレイ全部をもう一回着て、アイゼンバルドで氷の塔の最上階をやってくれ」
「ぶはっ、そこあれだろ、350レベル3職以上じゃないとソロ不可かつ、3職平均10分とかという噂の」
「そうだ。兄上は、実際、何分程度だ?」
「俺? 俺は、最速3分」
「ぶはあああっ!!!!」
「けど、武器も装備もマイ装備だ。オシャレで良いなら良いけどな、武器はバレる」
「武器はオリジナルで良い。いつ行ける?」
「後二分で再セットだから、その直後に、氷のボス直でどうだ? 直アイテムあるか?」
「敗退クリアだが、直は使えるのか?」
「使える使える」
「よし、じゃあ五分後に集合しよう」
「わかった」
こうして俺達は、集合した。ボス前には、既にレクスがいて、カメラを構えていた。
「兄上、早速頼む」
「うん。頑張る」
「武器は?」
「ヒルガナク。後は適度にだな」
「――そうか。見ている」
頷き、俺は、ボスに進んだ。モーションが流れた。
動画を撮る時は、モーションをカットしないらしいから、見ていた。理由は、戦闘時間を正確に測るためらしい。さて、終わった瞬間、俺は――多分消えただろう。召喚術師&魔術師の転移プラス暗殺者の加速だ。これ、榎波より早いの俺だけだったりするというか、榎波に教えたのが俺だ。
そして出た瞬間、暗殺者スキルで、ヒルガナクの双剣という350レベル武器で、ドランゴの首をざくり。既に翼は切ってあったのが、ズドンと落ちて、その音と同時に双剣から雷が発動して轟音が響いた。魔術である。引き抜いた時、ドラゴンが崩れて、武器を下ろした時、倒れて消失し『クリア』と宙に踊った。
俺は歩いてレクスの前に戻った。照れた。