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そして起きてシャワーを浴びていたら、イリスから会議要求があったので、ロイヤル三つ星を話したら、来るという。ゼストもだ。ルシフェリアもである。
実は、6階の2部屋がイリス&ゼストで、イリスがぶち抜き、4階がルシフェリアぶち抜きで、5階が俺達三人のエクエス・デザイア日本支社のオフィスだったりする。3階はゼストの職場なのだが、本棚になっている。部屋割り意味なかったのである。
榎波達来たら教えてくれというから、彼らは十時半に来て、レクスが笑顔で、琉衣洲も来たので、呼んだらレクスに腕を引かれて詰め寄られて下の階について言い忘れた件を伝えて倒れかけられた。三人は笑っていた。
で、八人で食べた。死ぬほど美味い。橘はお茶をくれたし。俺が感動して笑顔になったら、「猫が素か。動画とどちらか悩んだ」と榎波に言われて吹いた。目と声がキラキラしていてのほほーんらしい。そしたら三人もそうだと頷き、レクスも頷いた。琉衣洲はカッコイイイメージしかなくて今もカッコイイと空気を読んで褒めてくれた。
嬉しい限りである。デザートは、榎波オリジナルで死ぬほど美味しい。それから、俺のアンチノワール、黒騎士、レクスとのハーヴェスト、レクスデザイン室、資料庫、俺デザイン室、9階のサンプル置き場、書庫、10階全部まで行った。恥ずかしかった。
さらに、エクエス・デザイアも見に行き、ゼストの職場もついでに行き、戻ってきて、座ったら、榎波が『今の全部流しても良いか?』と言うから、俺は吹いた。
「今のって?」
「私来訪からだ」
「ぶはっ」
「「「「「こっちにも動画を!」」」」」
と、琉衣洲以外が言う。お前ら図太いな。俺は琉衣洲を見た。
「琉衣洲くんが良いなら、俺も良いよ」
「あ、はい」
こうして決まった。琉衣洲が照れていた。アバターと同じである。俺は分煙灰皿だと断って火をつけた。本当に石鹸だと周囲に言われた。俺そういえば、レクス動画見てないと思い出した。なので、視聴する事になった――俺はむせた。俺とレクスのソロ撮影、ルシフェリア解説Verとゼスト解説Verとラフ牧師解説Verと三名協議Verがあるのだ。そうか、橘が来た時に撮ったのか。超吹いた。笑った。
その後、三名が持ってきてくれた取材からのインタビュー手前までノーカットに全員爆笑し、続けてあちらVTRを挟んで、俺の昨日の前&一言コメからの俺オリジナル、ガチインタビュー、後ろVTRの、最後また三人で、雑誌&ゲームだと再紹介と、VRシティ占拠と橘CMと〆まで見て、みんな拍手となった。そのデータをその場でもらい、アンチノワールと黒騎士と、レクスとのサイトに載せた。三人もそれに合わせて公開した。
かつ牢屋カフェも納品してくれて、あちらも完了だ。動画は早速再生多数だ。インタビューのみは、ニュースでも部分部分が乗りまくっていた。世界規模だった。が、こっち、なんか超ヒットみたいだった。ゲーマー人気が俺に戻ったらしい。吹いた。
そうしたら、琉衣洲が照れている所までの、今日の三ツ星VTRが完成して、よりにもよって『ヘビーユーザー!』として、ロイヤル三つ星本店にリンクされて爆笑した。琉衣洲はレクスと兼の黒十字同盟として、全部のサイトからリンクした。恥ずかしいリアルだ。榎波とルシフェリアのアバターとリアルが一緒に驚きコメントが来た。
ルシフェリアがイケメンだと。ゼストは、テレビで顔バレしているが、アバターが平凡顔で、実際はクソイケメンで、みんな惚れ直したらしい。琉衣洲も本物だコメントが来た。こちらは、父上とグループもリンクしてロイヤル三つ星が美味しい、橘のお茶も飲んでるとコメントしていて、そっちには二人は恐縮していた。
なおこれにより、アンチノワールファンと黒騎士ファンとモデルファンが戻ったとか謎な事を言われた。離れていたのか? と、若干不安になったものである。この動画二本は、なんか超人気が出た。かつ、今日食べたのと同じ味だが、見た目が違う牢屋カフェのCMが地味にあって吹いた。
夕方、琉衣洲と、下の階三名が帰った。それで榎波と橘は、夕食を作ってくれるそうだ。イリスとの打ち合わせはきちんとした。レクスと琉衣洲との調整も終わっている。牢屋カフェも適用もした。
それで夕食を食べつつ、ベンチャー三名の納品の話や、デザイン関連の質問を聞いた。昼間は琉衣洲にも教えたが、なんというかハイレベル質問というやつで、レクスがキラキラした瞳だった。その話がひと段落したら、榎波が、「そういう話だとイケメンだな」とか言うから吹いた。
手と指、声も良いと言われた。笑った。レクスも良いが、大人の色気が良いという。男に何言ってんだよと突っ込んだら、吹かれた。男ファンの方が多いだろうって突っ込み返された。言葉に詰まった。そうなんだよなぁ……。イリスは、女性ファンがいっぱいなのに、なんで俺は違うんだろうか。呟いたら、「完璧すぎて近寄りがたい。男は憧れで通る」と言われて、俺以外納得していてしょんぼりした。
さて、明日はプレオープンだ。明日っていうか、今夜0時だし、さらに同時に予約開始なのである。一週間がプレゼンテーションだから、その間は、販売などは自由だ。一週間後からは、商品ゼロやオフィス未完成は、その月は凍結だそうだ。
自分でシャッターを閉めるのも可能だ。俺は、日中にお祖父様に残り全部送ったので、終わりで、そちらも完了連絡が来ている。
「あー!! 帰りたくない!!! ここの機材良すぎて、俺もう耐えられない!!」
「お前ら、オフィスのサイズと人数は?」
「九名で、2DL」
「あー、それなら、イリス4とゼスト4を下から飛ばしてもらって、俺の所1で、上のデザイン空き室貸す? チェアとゲームセットはルシフェリアに借りてきて」
「「「良いの!?」」」
「うん。寝室は、3階のゼストオフィスの雑魚寝新人缶詰部屋を借りれば良いだろう――あ、三人良いって。自動配置で上にチェア3貸してくれて、飛ばすのは終わったから、その衣洲にゲームセット3台乗ってる。3人ずつ接続だ。後、ゼストの部屋の鍵。さっき見た雑魚寝部屋の鍵だ」
「「「有難うございます……」」」
「社員全員呼ぶ。一時的に社の品置かせて」
「ああ。食事洗濯メニューは、テーブルだ」
「「「!!!」」」
「榎波と橘はどうする?」
「死ぬほど魅力的だが、明日リアルでも試食会でデモだ」
「俺もいたいけど、リア店舗の挨拶回り……また来ても良いか?」
「ああ、いつでも着てくれ」
「兄上、琉衣洲を呼び戻しても良いか?」
「ああ、いいよ。さっき言えば良かったな。好きにこれから泊めていい」
「有難う!」
こうして、色々始まった。二人は帰り、三人は上に詰めた。引っ越しの社員が来た時に出てきたので挨拶した。なんだかガクブルされた。俺もガクブルしたら吹かれた。それで琉衣洲も着て、琉衣洲チェアはゲーム客間となった。琉衣洲、自分がここで良いのか悩んでいたが、大丈夫である。
デザイナー班のゲームセットもルシフェリア開発Verでほぼ同じでこれから売り出すやつで中身同じだし、むしろデザインソフトは、あっちの方が良いのだ。後は、レクスの学習システムデータを琉衣洲にも上げて、感動された。レクスがちょっと自慢げで俺も嬉しかった。そこからは、各自アースタロット・オンラインである。
一番予約多いだろうと考えられるのは、企業オフィスで、これはもう、父上宛に、社長繋がりでガツガツ来ているそうで、来ているものは、地味に貰っていた。俺は、生産が終わっている空きの店に、そのデザインをガツガツ提供して、父上のVR倉庫に入れていった。ユレイズの無料敷地も合わせて公開だというから、そっちに初めて出かけて、木とかを設置して、それっぽい庭を整えた。俺の気分だ。
後は、ブラブラ自分店舗を眺めて歩いて微修正した。迷うのは、俺の居場所である。一応、レクスやイリスとの共同店もその他共同店も、予約対応は俺以外だ。俺は、俺個人の対応だ。予約面倒くさい。課金の複製沢山余裕の品は良いのだが、自分独自の武器とかスキル書とか、飽きそうで怖い。
なんかこう『あなたのイメージです』とか言って渡そうかなと、デフォルトだけ量産をして(空き時間はずっとやっていたが)ちょっと考え『ラッキーカラーです』かなぁとも悩んだ。一個ずつ量産して、後は複製だ。3個複製して、それを横並び、とかである。
なんかもう、感覚がおかしくなるくらい倉庫を拡張した。これは、自動補給対応もあるが、どちらかといえば、補給しないで、予備といえる。素材倉庫だとか、自分のゲーム側を移して、素材量産とかもある。なおこれは、ほかの人は使えない。
個人ユーザーの入手系素材は、企業でも、その人のみなのだ。ひたすら生産を並行し、空き時間は複製だ。そして息抜きに、色々デザインしている。遊んでいるに近い。落書きだ。けど、後で見ると良かったりするから保存である。
しかしどうしたものか。客引きするなら、リアか猫耳で、立ってた方が良い。アバターでも十分だろう。が、他店舗を見て回りたいし、自分の所のお客様は気になるが、モニターでひとまず反応を見たい。商品のだ。そしてお散歩は、目立たない方がみんなのためだ。
だが、逆に、今日我慢すれば、「あ、いるんだ」みたいになる気もする。とりあえず悩んで、服は、インフィニティに出した、黒曜宮っぽい服にした。
紫の和服で、茶色縦ボーダーの着物で、扇子は薄紫と茶色。帯はうす茶色の牡丹柄と赤と白の留め紐。お財布は、黒騎士。時計も。ちょっと洋風である。靴は、下駄風ブーツである。靴紐も和柄だ。
結構カッコイイ。さらに紫の打掛っぽい洋装の上着だ。ピアスも黒騎士だ。で、横掛けオシャレカバンがアンチノワールだ。
大正ロマンな若旦那みたいな、昔のプチセレブ的なノリだ。ただしこれは、背中に白で『黒』という字を満月の中に再現した、黒曜宮クラフト風の上着でもある。帯にかんざし風アクセが刺してあり、ジャラランと揺れる飾りは、淡い緑とピンクと白のパールで、金の鎖、端が十字架三つである。
それが二個段差で、後、紫と青透明レースふわふわのコサージュがついている。ルージュノワールの品で、女性ものだが男性裏原宿系とかに人気でもある。現在は、リアだから、黒髪に青い目だ。俺は、仏四分の一、独四分の一、残り日本人のクォーター×2なのだ。茶髪に紫の瞳にしたいが、インフィニティがキレるからダメだ。
あそこは雑誌に載る前後は色を変えるなとうるさい。そして俺もあんまり変えるのは好きじゃない。ので、上着に青い目にあわせて、青い濃い目の色で大胆に花模様を大きく肩からデーンと左右に入れた。凹っとなった。菊の花をイメージしたが、彼岸花っぽくなった。これはこれで良い。扇子の模様も同じに変えた。
それから、帯から下げているカバンに、タバコとお財布をしまい直した。パイプはオシャレだ。タバコケースの中に普通のタバコが入っている。このケースは黒騎士だ。懐中時計型オイルライターも黒騎士だ。気分で右手首に数珠を二個つけた。翡翠色と黄緑色のどちらも薄い色で、紫の糸が束で出ている。指輪も黒騎士である。
あと、背中の下部に黒猫マークと、鴉羽っぽい鴉のマークを入れた。両方黒だ。結構良いな。そして俺は、決めた。案内所にいよう。という事で、移動して、外部VTRおよび画像を全部、ずーっと流すことにして、数分のモニターをディスプレイして、早速動かした。音声は、視覚操作でONにしないとミュートで、それも注意書きがある。
それから、生産同盟や猟犬クラウンの位置なども案内に追加し、課金案内掲示板を俺個人も立てた。結構各地に置きまくって、映像で、黒曜宮クラフトの案内所と内部風景とそこの案内図をデーンと流した。後は、ゲームへの通路や出口だ。さらにもう、全店舗ジャンルが出ているので、各職店のみ全部出したり、武器店地図を出したりした。
かつ、そこで、ラフ牧師の小説&ゲーム内部の職紹介VTRを勝手に作った。ハルベルトに借りた。二人には、看板に貸してくれで二つ返事だったが、この規模とは思うまい。可哀想なので、ゼスト小説もチラっとたまに入る。
後は、各地にモニターを設置した。何も映っていないし、普段は見えない。0時10秒にここには、ヴァイオレット・ムーンが流れる。占拠だ。次が黒騎士。ラストがエンジェリカ。一瞬だ。そして同じタイミングでVRシティの他のシティも全部こうなる。ドドーンとやるのだ。
そっちは、俺がお金を出した。他ゲーム内部でもやる。アースタロット・オンラインに怒られないか不安だがまああっちも勝手に俺を使った感あるし良いだろう。
後、忘れていたので、挨拶メールを返して、看板案内の事後許可を今もらった。挨拶もらってない所は看板案内だけ送った。拒否もOKだったが、みんなOKをくれた。
返信を逆に感動されて、なんか申し訳なかった。忙しいだろうに。しかも看板、ただの名前と枠なのに泣かれた。意味がわからない。で、この時に、チラシある場合は、案内所に置くとしたら、いっぱいくれたので、フライヤーとして貼ったり、棚に置いたり、色々した。かつ一杯なので、最寄り路地とか、入口各地にも掲示板を設置して、貼ったりモニターで流したりした。
なんで俺、課金露店街の整備を自分の金でやってるんだろう。電灯とか設置してしまった。なんでそんな経営スキルあるのかと吹いた。やれって意味に思えてきた。花壇とかベンチとか噴水とかまで設置した。これは、けど、ハーヴェストってきちんと書いた。父上の会社名も書いた。
で、ふと思い、黒曜宮クラフト案内所を量産して、空いている各地にポポポンと設置した。ランダムにある。たまに二店舗同じ通りにある。まぁ良いか。意外とこれ、人気みたいで、もう課金露店側には見られる開放設定にしたから、なんか集まっていた。
俺のチャット共通モニターを各地に設置して『これから、よろしくお願いします!』と出しておいた。まぁ、良いだろう。
ふと、俺猫アバターも各地に設置して、俺、ゲームしてようか迷った。迷ったが、キレられそうだから、やめた。選択肢としては、牢屋カフェもある。ラフ牧師&ゼストの本屋さんとか、後俺の古書店風で店主ごっこも楽しいだろう。
お祖父様の所とか、誰が来るか気になるから、そこチラ見も楽しそうだ。っていうか、一番気になるのは、俺の高レベル武器を誰が買っていくのか、だ。だって350レベルとかほぼいない。今後なる人や飾りで買うのだろうか? 値段は、結局レクス設定で決めて、俺個人は、『?????』でロックが多い。希望額アンケートが置いてある。
プレだからだ、と、いうことにしよう。まぁ、逆に初日チラ見はされるだろうが、そんなに人も集まらないだろうと俺は考え直して、ぶらつく事に決めた。テクテク歩いていたら、なんか、あたりが暗くなった。あれ、っと思ったら、カウントダウンが始まっていた。
俺は腕時計を見て、後三分だと気づいて慌てた。
余裕ぶっこいている場合では無かったのである。