3――終結




そうして学園には平穏が訪れた。
当初こそ混乱もあったものの、今では皆が慣れている。

新生徒会のメンバーは、会長は再任した。副会長には、会計だった伊崎が就任した。
あの後これまでの同校を全て、山辺海が録画映像で公開した結果でもあるのかもしれない。俺が指南本の通りに行動していたことも明らかにした。
ちなみに書記には、風紀委員長だった神宮司雅が就任し、生徒会補佐には風紀委員会委員長だった香坂葵が就任した。風紀委員会の方は、前会長だった御神楽弥生が”学園を守った”と言われて就任し、副委員長として、前風紀委員長だった眞田が戻ってきた。犬猿の仲だったらしい後者二人のことは、何故なのか生徒達は驚いていたが受け入れていた。
それまでの書記だった松川は、俺に復讐するからと言って選挙には出なかった。山辺陸も同様だ。山辺海は、自分が情報屋だと公言したことからなのか、やはり選挙には出なかった。
――今回の選挙は、人気投票ではなかった。
山辺海の開示した情報から、生徒達が自分たちで真剣に決定し、選挙管理委員会も不正は許さず、実力で選ばれた。

ただ、親衛隊だけは俺は残した。
別に千尋の事が好きだからなんかじゃない。いくら教師の力を誇示したところで、彼らを抑えきれるか、俺には判断がつかなかったからだ。
――それに、親衛隊総括としてTOPには、今でも土方雄輔がいる。

俺はこれから、理事長としてこの学園を見守っていこうと思っている。
新しく幕を開けた鳳凰学園はこれからどうなっていくのだろうか。

それは――やはり生徒達だけが知っているのかもしれない。

以上が、この学園の顛末だった。