0:バカ園学園の勇者様(決定)
俺、怒って良いよな、これ。学校帰りに、足下に変なマークが現れて光り輝いたかと思ったら、今謎の洋室にいるんだよ。で、だ。真正面には、日本語で叫び合っている二人のガキがいる。服装はピエロっぽい。そして俺は黒髪のお子様の真後ろにいる。一方の金髪のお子様の真後ろにも人が立っている。そこに立っているのは、制服的に、近隣の進学校、高嵜私立の生徒だな。緑のネクタイだから学年は、俺と同じで高校二年。そやつは俺よりも背が高いが、俺よりも細い。俺は身長こそ負けるものの、もうちょっと筋肉がある。
「僕の召喚獣の方が絶対に強いから!」
「ありえないな。俺の召喚獣の方が優秀だ!」
僕っ子が俺を一瞥しながら叫んだ。それは間違っていないと思う。何せ俺は不良校で有名なバカ園の異名を誇る、儚園学園の生徒だ。単位は金で買うものだから、誰も学校になんか行かない。行き先は喧嘩現場だ。
そして金髪少年が言っていることも絶対に間違っていない。何せ高嵜私立からは、年に三十人は、国内で最も優秀な大学に入学する生徒がいる。俺とは頭のできが違うんだろうな。羨ましくも何ともねぇけど。俺は自由に生きてぇんだ。勉強になど価値が見いだせない。
「「ならば勝負だ!」」
ガキ二人がとち狂ったことを言い出した。何で勝負するんだよ。勉強なら火を見るより明らかに俺が負けるし、腕っ節なら俺が圧勝だと思うぞ。
「分かりました、これは異世界トリップですね、そうですね」
その時、高嵜私立の奴が言った。異世界トリップ? なんだそれ。ふざけてんのか? 今俺は、バイトに行く途中に妙な場所に強制的に来させられて、頭に来てるんだぞ。そうですね、じゃねぇよ。何一つ分かんねぇよ。
「きっと僕にもチート能力があるはずですね。そうですね」
なんだよそのチートって。俺にはデート能力すらないからな。って駄洒落ている場合ではない。ああ、ここに鉄パイプがあればな。そう思った瞬間、俺の手の中には鉄パイプが現れた。どういう事だ? これは相模原社製で、俺が望んだ剛邦字社製じゃねぇぞ。そう思ったら、鉄パイプが入れ替わった。よく分からないが、便利だ。いやいやいや、待て。何故鉄パイプが出てきた。俺にこれでどうしろって言うんだ?
「僕は花吹雪帝! 高嵜私立の生徒会補佐です! 君は? その、シャツさえ出していれば格好いいという妄想と、中に着たダサイ赤のTシャツに、下についている意味不明のチェーン的に、バカ園の生徒ですね。ちょっと顔が良いからって図に乗らないように!」
ハナフブキミカドってすげぇ名前だなおい。しかも言いたい放題だな。殴って良いよな。俺はそう思って、鉄パイプを握りなおした。そもそも赤いTシャツはバイトの指定着で、チェーンはバイト先のアクセ屋の商品の宣伝でつけてんだよ。シャツを出しているのは、きっちり着ていると苦しいからに決まってんだろうが。俺にもきっちし理由はあんだよカスが。俺はパイプを振りかぶり、ガキ共の横を抜けて花吹雪とやらの足下に振り下ろした。頭に振り下ろしたら、死んじまうからな。
すると花吹雪がポカンとした顔をした後、ぶつぶつとつぶやき始めた。
「我が手に宿れ、花王の杖!」
花王……? それがその棒製品の社名か? 至極どうでも良いので、俺は再度パイプを振りかぶった。
だが今度は、花吹雪が木の棒を持ち、俺に向けてきた。
「≪レヴィアタン≫!!」
瞬間、轟音が響き、周囲が水であふれ、巨大な龍(?)が現れた。俺はそれには迷わず鉄パイプを振り下ろした。一撃で龍はふっとんだ。あれ、俺そんなに力入れたか?
「そ、そんな、僕が妄想していた中で最強の≪レヴィアタン≫が倒されるだなんて……! 不覚!! 再召喚――≪ベヒモス≫!!」
今度は龍ですらない、形容不可能の象みたいなものが現れた。俺は迷わず鉄パイプを振り下ろした。いい加減にしろ。召喚てなんだ?
俺はそれから変な生物が現れるたびに、鉄パイプを振りかぶった。俺はな、蟻を踏みつぶせるタイプの人間なんだよ。
ガキ共は何をしているんだろうかと見やれば、まだ喧嘩をしていた。
「ほら! 僕が召喚した召喚獣の方が強いよ!」
「どこに目がついているんだ! 俺の召喚獣なんて、召喚獣なのに、他の召喚獣を召喚しているんだぞ!」
召喚獣って、俺のことか? 俺と花吹雪のことか? ここにハリセンがあったら、ガキども二人をぶったたいてやるのにな。そう思ったら片手に赤い扇子が現れた。近いのか遠いのか、まぁいいか。俺は花吹雪が長々とぶつぶつ呟き始めたのを良いことに、お子様達に歩み寄った。
「いい加減にしろ」
ぱんぱんと、開いた扇子を閉じるように、二度縦に二人の頭を叩いた。
すると二人が硬直した。
「俺はバイトに行かなきゃならねぇんだよ。さっさともと居た場所に帰せ」
「「……」」
「き、君はなんてもったいないことを言うんだ! 異世界だぞ? チートだぞ!?」
「とりあえず花吹雪は黙れ」
俺がガンをとばすと、花吹雪が空気を読んだのか沈黙した。永遠に黙ってろ。
「お前らはいったい何なんだ。どこの誰だ。それは答えなくても良い、どうでも良い、兎に角俺だけで良いから帰せ」
「ぼ、僕は君の召喚主でセンリって言うんだ。よ、よろしく!」
黒髪の少年が言った。なんだと? 召喚主だと?
「要するにお前のせいで俺はここにいるって事か?」
「う、うん。大切にするから」
「あ?」
「ごめんね、一度召喚すると帰してあげられないんだ……」
センリとやらが、おそれるように、俺が持つ赤い扇子を見た。そんなに怖いんなら、銃とナイフでも突きつけたら一撃だな。俺は父親が猟友会に入っていたから、銃の扱い方法は見て育ったし、母がナイフ投げの選手だったから、ナイフの扱いも得意だぞ。そう思っていたら、俺の腰には銃とナイフが装備された。殺れって事か?
そんな俺たちの隣では、花吹雪と金髪の少年が話をしている。
「俺は、リアス。あなたの召喚者だ」
「花吹雪帝です」
仲良く握手をしていた。なにやってんだよ。
つぅか帰れないってどういう事だよ。欠勤のメールできないだろうが! 俺はスマホを鞄の中に入れていたのだが、鞄はどこにもない。鞄よ、落ちてこい! だが鞄は落ちてきてくれなかった。なんでだよ。何が落ちてきて何が落ちてこないんだよ!
「マックのチーズバーガー」
口に出して呟いてみたら、それは出てきた。空から降ってきたので、俺は口でキャッチした。ひもなしのパン食い競争か。誰とも競争なんてしてねぇけどな。しかい小腹がすいていたんで丁度良かった。勿論、無料なんだろうな? 俺は食い逃げで犯罪者にはなりたくねぇぞ。今のところ前科はないからな。
「あ、あのね、僕はその……君に勇者になってほしくて、召喚したんだ」
俺がチーズバーガーを頬張っていると、センリが言った。勇者? 魔王でも倒せと言うのか? 花吹雪なら一撃で倒す自信があるけどな。
「実は魔王のせいで世界が荒廃していて……」
きたよ。俺の想像が当たったぞ。確実にこれはあれだな。お子様のごっこ遊びだ。
「で? その魔王ってのはどこに居るんだ?」
「魔王城に……」
「それはどこにあんだよ?」
「魔族の領地、”エンダララリア”に」
悪いが俺は三文字以上のカタカナは覚えられねぇぞ。エンダ(略)だな。魔王(笑)だな。
「それを倒せば帰れるのか? 一度召喚したら帰れねぇんだったら、無理なんだよな? 要するに俺は倒そうが倒さまいが帰れないんだろ? じゃ、倒さなくて良いだろ。帰してくれるって言うんなら倒さないことも無ぇけど」
「か、帰れるぞ!」
リアスとやらが言った。やはりこちらも、俺の持つ赤い扇子を見てふるえている。
確実に嘘だな。声が震えているだけじゃなく、視線がさまよっている。扇子を見ながら、右往左往だ。忙しいまなざしだな。
「……リアス、だけど嘘はついちゃいけないって国王様が……」
「嘘をつくしかないだろう! 召喚の儀は一人一度しか生涯で出来ないし、俺と貴様以外、使える優秀な召喚者がいないんだからな! センリ! 何で貴様はいっつも口を滑らせるんだ」
いや、おい。リアスとやらよ。お前の口の方が滑りまくってるぞ。
「兎に角、力量は分かったし……くやしいけどな、少なくとも前に出る攻撃力は、センリの召喚獣の方が優れている可能性は、ゼロではない。兎に角この二人には勇者として魔王を倒してもらわないとならないんだ!」
「僕の方が優れていますから、お任せください」
花吹雪が同意した。これからバカ嵜私立という名称を広めてやろう。本当に帰れないんなら、できっこないが。まさかな。
だが本気で、俺が勇者として召喚されて、弱っちい花吹雪と共に魔王とやらを倒すのだとすれば、だ。少なくとも馬鹿なガキ二人が優秀な世界に呼ばれたのだとすると、無理だと思う。魔王の力量は不明だし、俺は夢でも見ているのかとは思っているが、直感が無理だと言っている。俺の直感は、はずれない。ならば、魔王側につく方が良くないか? 俺は友情や絆は裏切らないが、ここにいる俺以外の三人相手には、そんなものは築いた覚えは無ぇからな。この場から逃げ出して、魔王城に行こう。
「おいセンリ」
「あ、あの、一応……センリ様って呼んでもらえると、う、嬉しいかな? な、なんて」
慌てたように、そして無理に表情に笑顔を貼り付けて、黒髪の少年は言う。俺は元来は子供好きだ。暫く付き合ってやるか。
「で、センリ様。その魔王城があるエンダとやらはどこにあるんだ?」
「倒してくれるの?」
「……場所は?」
俺は出来ない約束はしない主義なので、その部分は沈黙して、聞きたいことを訊いた。
「あのね、ここから6・7・8エンディア離れた場所にあるんだ」
「エンディ……?」
「ごめん、単位までは翻訳魔技が発動していないみたいだから……うまく説明できないんだ……えっとね、古文書によると、そっちでは、1ミルラリアを1センティメーティラっていうんだっけ?」
「cmか?」
「た、たぶん……」
ミ、ミルラ……もうだめだ。誰か俺にカタカナの翻訳技能をくれ。まずいなこれ。とりあえず現状を理解するべきだ。それにしてもこの部屋寒いな。真冬並みだ。
「とりあえずコートとかないか?」
「あ、うん! 召喚獣に着せようと思ってた服なら沢山家にあるよ!」
「じゃあセンリ様の家はどこにあるわけだ?」
どこからどうみても小学生高学年にしか見えない少年に俺は言う。しかし服はファンタジックだ。いや……ファンタジックなのか? ものすごく華奢なピエロが、ファー付きのコートはおってる感じだぞ。まさかこのセンスで俺の服とやらは用意されていないだろうな。そうだとしたら絶対に着ない。
「今から案内するね――リアス! 僕先に帰るね!」
「ああ」
そんなやりとりがあってから、センリが歩き始めた。
このガキ共は、仲が良いのか悪いのか不明だ。ま、子供同士の喧嘩なぞどうでもいい。
さて、どうやっていくのかと思えば、センリが俺の腕の服を、小さな手でつかんだ。
「時空操作者センリ・ハイルリルーアが命じる――≪健康野菜≫!!」
……? 健康野菜? あれか、きっと翻訳魔技という代物が、誤変換したんだな。そうとしか考えられないおかしな呪文だった。どうせならば、カタカナ系全部誤変換してほしいんだが。まだ漢字なら俺は覚えられる。そんなことを考えていると、俺は光に飲まれ、瞬きをするうちに、木製の小さな家の中にいた。
「ごめんね、僕貧乏だから、あんまり家が立派じゃないんだ」
「いや別にどこでも良いけどな、服はどこにあるんだ?」
「二階なんだ。その、召喚獣のお部屋も用意したんだけど……あの……名前を教えてもらえないかな……」
「海戸幸輔」
「カイト・コースケだね! カイトって呼んでも良い?」
「好きにしろ。で、服」
二階に上がりながら、俺は催促した。コースケ・カイトって名乗るべきだったのか。別にいいだろう。俺は最初、鈴木一郎と名乗ろうとしていたわけだからな。それよりもこの部屋も寒い。とりあえず服だ。
「ここがカイトの部屋なんだ。き、気に入ってもらえると嬉しいんだけど……」
呟くように言ったセンリはドキドキするような顔をしていた。見慣れてくると、なかなか可愛いな。俺、弟ほしかったんだよな。黒い髪に薄い紫色の目をしていて、色が白い。だから照れるとすぐに分かる。睫が長くて、髪の毛はさらさらだ。前髪が長めで、後ろは首のところで切ってある。小学生くらいなのに、ピアスをしている。首の所には、赤くて丸い入れ墨(?)があった。白い肌によく映えている。
「服は古文書の挿絵を参考に作ってもらったんだ。それで、家、売っちゃったんだ」
「……へぇ」
家を売るほどの高額なのか。これは気に入らないからって言って着ないわけにはいかないな……何が出てくるんだ? 古文書は当てになるのか?
しかしクローゼットらしきものをあけられると、中には、学ランと色とりどりで模様様々なTシャツとトランクスが入っていた。靴下もある。これ、古文書に記されている誰かも、明らかに俺と同じ世界と国から来ていたんだな。学ランなんて中学以来だ。しかしピエロ服よりは明らかにましだ。確かに制服って高いよな。
「気に入ってもらえた……?」
「ああ」
「良かった……!」
俺の言葉に、センリが泣きそうになりながら笑った。そんなに嬉しかったのか。まぁ家を売るほどだしな。俺だったら、服をそろえるよりも、部屋を整えるけどな。絶対に普段過ごす家に重きを置く自信があんぞ。
「それじゃあ、あの……この世界のことや、僕のこと、魔王のことをお話ししても良い?」
「そうしてくれ」
よく分からないが、そして聞いても覚える自信は皆無だが、まったく知らないよりは良いだろう。俺は思ったより柔らかいベッドに座った。センリは部屋の中央にあるテーブルの椅子を引く。
「この世界は、ギルガルディデーラっていうんだ。それでね、この国はエルエルラルラエイエイエウディアスミゲゥゲニアって言うんだ」
「やっぱり聞かなくて良いわ」
「え」
「理解する気がおきねぇよ」
「あ、あの、その、じゃあ、”世界”と”この国”だったら分かってもらえる?」
「ああ、それならな」
センリの話はこうだった。
この世界には、ある日魔に魅了された人間――すなわち魔王が現れて、各地の街を襲い、私腹を肥やす。対抗できるのは、異世界から召喚された勇者のみ。勇者はすごい力を持った魔術師となる。この世界には、魔王の他に魔法を使えるのは、勇者のみ。魔王がどのくらい強いかというと、ディゼルリア(略――精一杯覚えようとしたが、ここまで覚えて断念した)貴生種を指先を動かすだけで消滅させられる強さ(結局どれだけ強いのかは分からなかった)。そこで勇者の召喚が行われることになったが、今の代で、召喚術を使えるのはセンリとリアスしかいなかった。本来であれば、五人くらい召喚したいところだったが、二人でも良いから兎に角召喚しようと言うことになった。そして召喚されたのが俺と花吹雪らしい。まず、五人ほしいのに二人しか無理で、俺の他に召喚されたのが花吹雪という時点で、この国はヤバイな。ちなみに大陸中さがしても、この国のセンリとリアスしか術式を使えるものが居なかったそうだ。俺と花吹雪が負ければ、今のところはなんとか戦って領地を守っている人類は滅びるだろうと言われている。そんなこと言われてもな。
「とりあえず、後三人召喚できるまで、倒すのを待ってみたら良いんじゃねぇの」
「だ、だけど、その前に、みんな死んじゃったら……魔王の力は日に日に強くなっていくから、早いうちに倒した方が良いんだ」
「どうやって倒すんだ?」
「魔術で」
「いや俺、魔法使えねぇし」
「さっき武器を取り出していたよね!」
「ああ、鉄パイプ? あれ、魔法なのか」
「魔術ならたいていのものが取り出せるんだ」
「じゃあ魔王も取り出せるのか?」
きっとスイカとか取り出せるんだろう。
俺は、魔王はやはり万能なのだろうと思ってそう口にしたのだが。
だが。
急に目の前に、壮絶なイケメンが落ちてきた。格好からして魔王っぽかった。
「え?」
青年が目を見開いている。
「へ?」
センリが呆気にとられている。
「……魔王、取り出しちゃった?」
俺が呟くと、漸く両者が事態を把握したのか、硬直した。俺はとりあえず人間相手なので、赤扇子を構えた。
「おい、魔王。ガキいじめて楽しんでんじゃねぇぞ。悪いことしてんならやめろ」
まだごっこ遊びの可能性もあるだろうし(そんなわけはもう無いだろうとは思うが)、とりあえず俺は言ってみた。勇者っぽい台詞を模索したのが、見つからなかった。
「……勇者?」
「そうらしいっすよ、一応」
「頼む、助けてくれ!」
「いやでも倒さないと」
「違うんだ! 俺は悪行なんてしてないんだ! ある日交通事故にあったと思ったら――目を覚ましたらこの世界にいて、急に『魔王様』だとか周囲に言われて、誰も話を聞いてくれないんだ! そして俺の話なんて聞いてくれないから、『全部魔王様のご命令です』とか言いながら、全員好き勝手にやってるんだよ! 何でその責任を俺がとらなくちゃいけないのかというか、もう嫌だ、元々居た世界に帰りたい! その制服バカ園……ええと、儚園学園の生徒だよな? 俺は――蘭峰学院の三年で、青坂稔って言う」
蘭峰といえば、俺のいた学区内では一番普通の高校だった。
「大変そうだな。で、どうすればいいんだよ俺は?」
センリへと視線を向けると、何か考え込むような表情をしていた。
「――それが事実だとすれば、あなたは魔族に召喚された人間なんだと思います。少し様子を見させてもらっても良いですか? 古文書も当たってみます」
「大歓迎だ! 俺もうあんなボッチの城に帰りたくない!」
このようにして、俺たち三人の生活は始まった。そしてそれはすぐに終わった。
何故なのか、センリと俺が魔王を倒したとして、丸く収まり青坂は俺の親戚と言うことになって、貢献した人となったのだ。貢献したのは間違いないだろうが。花吹雪の行方はしらないし興味もない。そしてこの一件から、センリが褒美に国を一つもらったのだ。魔族がそれまでにたむろってた土地にその国は建国された。国王は当然センリだ。そして何故なのか俺は騎士団長になった。青坂は宰相になった。そして今ではそれぞれが一人暮らしをしているわけである。センリの場合は、家臣と共に暮らしているから一人ではないが。
ここまでが、俺の前提だ。