17:B1&B2攻略(★)



 会合から一週間後。
 モンスターには、僕の事も襲えと命令済みだ。
 僕らは、ダンジョンの入り口に集合していた。僕がいれば、皆中へと入れるらしい。

「取りあえず、この腕輪。Lv.落とす奴だから、填めろ」

 ギルににこやかに言われて、僕は頷いた。
 皆既に、手渡されたのによく似た腕輪をしていた。
 なんだかレベルが低くなったというのが新鮮で、これからどんな危機や戦闘(というか快楽)が待っているのかと思うと、僕の胸は高鳴った。それに実際、僕は自分で作ったダンジョンを、モニター越しではなくて、しっかりと見てみたいと思う気持ちもある。

「よし、行くか」

 ギルがそう言い、僕を見た。

「案内してくれよ。お前が一番道をよく分かってるんだから」
「あ、うん」

 それも草だなと思いながら、僕は歩き出し始めた。
 ごつごつとした洞窟の地表を歩くたびに、ドキドキしてきて、わくわくしてくる。

 それから階段を下りて、B1にたどり着いた。
 一番最後の段を下りた時、北斗が目を見張った。

「あ、コンビニ」
「本当だ」

 アルカナも頷くと、ギルが僕を見た。

「見てきても良いか?」
「うん」
「じゃ、お前は外で待っててくれ」
「説明しなくて良いの?」
「0歳児に説明されなくても、俺たちなら大丈夫だ。な、北斗、アルカナ」

 するとギルの言葉に二人が頷いた。
 なので中に入っていく三人を僕は、外から見守った。
 ウォルフを除けば、初めてのお客様ということになる。ちゃんとレジの仕様とか分かってくれるかなとドキドキしながら僕は待っていた。それから、天井を見上げ、ダンジョンの核が今のところ、魔王三人にも気づかれていないことに、若干安堵していた。

 最初に出てきたのは、アルカナだった。

「凄い品揃えだね」
「本当? 良かった」

 僕が微笑むと、アルカナがなんだか意地悪そうに笑った。
 しかし何も言わずに、無限の中に入れたらしいPOT類(?)などを見ているようだ。
 続いてギルと北斗が出てきた。

「美味そうな食い物ばっかりだな。肉まん頼むとか、意識に無かったわ」

 片手で食べ始めながら、ギルが笑った。

「装備もさすがだな。もう俺じゃ到底追いつけない」

 北斗はといえば、肩をすくめている。
 まぁ武器にはレベル制限があるらしいから、一応此処には僕の本当のレベルと同じくらいでも装備できる、ギルよりも上の武器なども一応置いてある。褒められて嬉しい気がした。

「にしてもB1は、ものすげぇ狭いな」

 ポツリが食べる合間にポツリといった。――奥のあの子達だけは、守らなければ! 僕は子犬たちのことを思い出し、大きく頷いた。

「そうなんだ。此処で一息ついてもらって、B2からが本番」

 そう言って僕がそれとなく階段を見ると、三人が頷いた。
 そんな中でアルカナが、不意に看板を見た。

「『ここから先はモンスターがいます』なんて、随分優しい設計だね。冒険者に優しくしてどうするの?」
「だって心の準備がないと怖いよ」

 僕がそう言うと、ギルが吹き出した。

「俺の所とは真逆だな。入ってすぐに衝撃うけて、地下二階で休めるんだよ、俺の所は」

 そうなんだと思いながら、北斗とアルカナを見ると、何故なのかどちらも顔を背けていた。よく分からない反応だが、二人とも、行ったことがあるのかもしれない。

「”核”は何処にあるんだ?」

 その時北斗に聞かれたので、今度は僕が視線を彷徨わせた。

「ひ、秘密!」

 下にあるといおうかとも思ったが、裏読みされたら困ると思ったのだ。

 そんなこんなで僕らは階段を下りた。

 B1の二倍の広さがあるB2に降りると、赤い灯の他に、思いの外様々な色が輝いていた。≪惑わしの花(小)≫と≪惑わしの花(中)≫がダンジョン中に咲き誇って、ラピスラズリやアメジストのように花びらを煌めかせているようだった。甘い香りが煙るようで、吸い込む度に、体が熱くなるようだった。

 しかし振り返ってみた三人は、何ともない顔をしていたから、僕は恥ずかしくなった。僕だけがこの匂いに快楽を少しずつ煽られているのだろうか。モニターで確認しただけだけど、この花は、迷路のようなB2の至る所に咲き乱れているのである。
なんだかもどかしくなって、僕は困った。

 その時だった。

「ッ!!」

 なにかが足首に絡みついて、僕は花の中にのけぞるように倒れた。

 きっとこれは、≪淫乱蔦(小)≫だ。花の海の中では、姿は見えないけれど。
 途端にさらに強い香りに包まれて、いよいよ体が熱くなる。
 兎に角足をはずそうと思って、起きあがろうとした時だった。

「あ」

 思わず声を上げた僕は、≪淫乱蔦(中)≫に腰を絡め取られ、太ももを持ち上げる形にされていた。のびてきた蔦が、僕の下衣の中へと忍び込んでくる。そして蔦を僕の陰茎に巻き付けて、ユルユルとしごき始めたのだ。

「ああっ、やだ、助けて!!」

 僕が言うと、ギルベルトが半眼で笑った。

「いや、俺たちが助けると、レベル差が在りすぎてダンジョンが崩壊するかもしれないからな」
「え?」

 全員腕輪を着けているのにどういう事だろうかと思うと、アルカナがクスクスと笑った。

「今現在レベル130なのは、グリム君だけなんですよ」

 すると北斗もまた苦笑した。

「酒の席で、レベル130の適正レベルで行くって話になったのは、グリムだけだからな」
「そういう事。まぁまぁ、せいぜい気持ちよくなれって。俺たちの前で」

 ギルが頷いたのを見て、僕は絶望的な気分になった。
 要するに――僕以外は、みんないつも通りのレベルなんだとやっと理解した。
 しかし蔦に扱かれるのが気持ちよくて、腰が揺れてしまう。

「や、やだ、お願いっ」
「何度お願いされてもなぁ」

 ギルの言葉に僕は頭を振った。

「もう出る、出したい、から――だから、僕のボトムスおろして!!」
「は?」

 泣きそうになりながら言った僕に、ギルがあっけにとられたような顔をした。

「やだやだやだ、ああッ、も、もう出ちゃうから、は、早くぅ!!」

 下半身がべたべたしたまま、進むなんて嫌すぎた。
 僕の言葉に、やはり吃驚したような顔をしながら、北斗が下衣をおろしてくれる。
 既に蔦に扱かれた僕の自身は、立ち上がり、先走りの液を零していた。

「ンア――!!」

 そのままあっけなく僕は果てた。太ももを白い液が伝っていった。
 ぐったりと弛緩した僕の体に、再び蔦が巻き付こうとしたが、北斗が一歩前へと出てそれを制した。

「≪蒼いかぐや姫≫」

 北斗がそういうと、蔦の小も中も氷のように砕けて散った。
 射精感に立てないでいると、抱きよった北斗に抱きしめられる。
 その腕の感触と、まだ生々しく残っている蔦の感触に、僕はクラクラしてきた。相変わらず花の匂いも止まらないし、もっともっと今度は、奥を突いてもらいたくなる。

「それにしても恐ろしいな。この階のダンジョン中にアレがいるんでしょ」

 アルカナの呟きに、僕は北斗の腕から離れて立ち上がりながら、静かに頷いた。

「まだまだヤりたりなそうに見えるけどな」

 呆れたように曖昧に笑い、ギルが苦笑した。
 羞恥に駆られて僕はうつむくしかない。
 図星だったからだ。

「じゃ、行くか」

 北斗が言ったので、頷いてから、僕はまた先頭を歩き始めた。


 花の中を進んでいくと、今度は大きな球体に乗ってこちらへと向かってくる≪狂いしピエロ(小)≫と遭遇した。

 今度こそ倒してやろうと決意し、杖を構えると――いきなり後ろから現れた≪狂いしピエロ(中)≫に、両腕の間に手を差し込まれ、身動きを封じられた。そのまま下衣をおろされる。

「え、あ」

 玉乗りをしながらやってきたピエロ(小)の手には、金色の輪がいくつも握られていた。
 後ろから現れたピエロ(中)は、ビーズ付きの紐を持って嗤っている。

「う、あああ」

 ピエロ(小)の手で、自身の根本に金色のリングを填められた時、既に花の香りでそそり立っていた僕の陰茎の先端から、尿道へと、ピエロ(中)ビーズの一つを押し込んできた。

「え、ぁ、アアッ、うああ!!」

 そのままピエロ(中)が僕の中に、ビーズ付きの紐を押し込んでいき、奥まで進むとそれを引き抜く。それからまた、中へと押し込んでいくたびに、僕は見知らぬ快楽にガクガクと震えていた。一方でピエロ(小)は、僕の上着をはだけて、乳首にクリップを填めて、弄っている。

「ヤダ、やだァ!! うあ、あ――! ンあ、やだ、あ、イきたい!!」

 しかし金の輪とビーズ付きの紐にいたぶられ、射精できない。
 尿道を押し広げられて、ユルユルと粒が移動する感覚に、涙が浮かんでくる。

「本当に色っぽいな、お前」

 涙がにじんだ僕の顔を見て、ギルが呟くように言った。

「挿れてもいい?」

 ギルの言葉に、北斗とアルカナが顔を見合わせた。

「確かにギルだけヤってないしな……」
「うーん。うらやましいけど、仕方がないかな」
「ウんァ――!! イきやい、出したい、ああああ!! やぁやぁ、挿れて、ああ、助けて!!」

 この悦楽から解放されたくて、無我夢中で叫ぶと、二体の小と中のピエロをそのままに、後ろのピエロにだけを横にそらせて、ギルの陰茎が僕の中へと押し入ってきた。長い、長かった。置くまで貫かれ、思わず悲鳴を上げそうになって喉がのけぞった。

「あ、ああ、あ」

 自分でも頬が熱くなるのが分かった。
 ギルの陰茎が、僕の気持ち良い場所を擦り上げるたびに、僕は強い快感を感じて目を伏せる。

「ならしてないのに、もうどろっどろだな」
「っ、あ」
「どうして欲しい?」
「突いて、お願い、もっとぉ」

 気づけば哀願していたギルが、ぱちんと指を鳴らした。

「ンうぅア――!!」

 するとピエロ(中)が勢いよくビーズ付きの紐を引き抜き、そのつぶつぶが尿道内で揺れた感覚に、体が震えた。凄い快楽だった。同時に胸元からピエロ(小)がクリップをはずす。胸の疼きが無くなったことに、少しだけ切なさを感じた。しかしすぐにそんな暇はなくなった。

「ああっ、ンあ」

 ギルが、僕の腰を掴んで、突き上げてくるのだ。

「やだやだやだッ」
「俺だけじゃ足りないか?」
「違、あ、ああっ、もっとして、お願い、イきたい!!」

 思わず僕は力を込め菊門をきつくしてしまった。

「おい、あんまりしめんなよ、わーったから、イかせてやる。出して良いから。俺も出す」

 そういってひときわ深く突き上げられ、腰を何度も何度も動かすようにされた時、僕は果てた。そのまま花の茂みに、体を預けた。香ってくるその匂いに、まだ何度でも悦楽を感じることが出来そうだと思った。

「ふーん、これで≪快感度:15≫か……すげぇド淫乱だな」

 ギルにそういわれ、僕は目を細めた。

「ステータス見られないんじゃないの?」
「だから、レベルが人間級になったのはお前だけなんだって」

 苦笑されて、僕は唇を噛んだ。要するに僕がどれだけ感じているか、この三人には丸わかりなのだろう。そんなのすごくすごく、恥ずかしい。だけど――気持ちいいのは正義! 別に恥ずかしい事じゃないと思うんだ。うん。絶対にそうだよね!

 そんなこんなで、服を着直して、さらに僕らは先へと進んだ。

 本当に迷路だ。一番奥には、≪ヒトデ触手(大)≫がいる。僕をこの道にある意味初めて引き込んだ触手だ。残りは四つの部屋と各モンスター等々と、他に一つ、B3に続く小さな部屋がある。通常ならばB3に行くの一択だろうけど、僕は設置した≪嘲笑猫(小)≫と≪常闇狼(中)×2≫も気になっていた。≪ゲラゲラ蛙(小)≫も気になる。ただこれらのモンスターは、まだ快楽ダンジョンにすると決める前に創ったモノだから、まぁ今回は気にしなくても良いかなんて思った。≪ヒトデ触手(大)≫も、一回経験したし、レベルを下げたりできるんなら、いつでもヤれるではないか! そう考えて、僕はまっすぐと、階下へと続く小部屋へと向かった。

 僕の快楽ダンジョンの威力の発揮は、まだまだこれからだ!