【58】電話
――翌日、会社に私宛に電話が来た。
初めての事態である。外線だった。
正仲さんに、私用電話に使ってるんじゃねぇよ本線を、と睨まれたが、大学時代のCIAである上村先生からとのことだったので、出ないわけには行かず、出た。正仲さんも私もあとちょっとでSQLを書き終わるところだった。
「もしもし、お電話かわりました、雛辻です!」
『社会人らしくなったね。元気にしてる?』
「ありがとうございます。元気にしております」
『――忙しいところ悪いんだけど、率直に言うね』
「はい」
『鏡花院先生が、車にはねられたんだよ』
「え」
『今、緊急オペ中。伝えておいた方が良いかと思って』
「大丈夫なんですか……?」
『……まぁ、仕事中に愛弟子の君に連絡とってあげようと友達として思うレベルにはやばいという説明を受けたところ。友達甲斐のないことに定評のある僕だけど、もし死に目に会いたいなら、来な』
上村先生は病院名を教えてくれた。電話が切れた後も、私はしばらくボケっと立っていた。きっと、昨日の面談が面倒くさかったんだろうなぁと思った。それにもう、私も事実を知っちゃったから、あきちゃったのだろう。きちんと、約束させるべきだったなぁ。あの時約束させておいたらなぁ。私のせいだなぁ。悪いことをしてしまった。
そう、考えたような気がする。
同時に、先生に昨日、不要な人間は理由無き自殺をして、他者に何かを教えるというようなことを話したことも思い出した。本音だ。先生が不要な人だとは、あくまで私の見解とは言え客観的に考えて思えないし、先生の死により私が教えてもらうことは特にない気がする。事故だろうか。その可能性を普通先に考えるべきだ。
それからふと首を傾げた。
鏡花院先生は、死にそうらしいが、本当だろうか?
あの先生が、死ぬ?
確かに人間はいつ何が起きて死ぬかわからない。生物は全部そうだ。
だが、必要な人は死なないような気がする。
災害とか不慮の事故を除いて、必要な人は死なないと思う!
なるほど、そういう意味で、要不要の判断基準として、自殺は有効だ。
自殺して死ねばいらなかったのだ。死ななければ、必要だったのだ。
なんか、賭けみたいで面白いな。
「雛辻」
声をかけられて我に返った。
気づいて顔を上げると、電話を切った正仲さんに受話器を奪われた。
ぼんやりとそれを見ていた。
正仲さんは非常に良い人だ。彼が明日車に轢かれることもあるだろう。
彼もまた、必要な人だ。
だか現在彼は事故に遭っていない。なぜだろうか?
やはり自殺なのか。それとも、必要には様々な意味合いがあるということか。
「――訃報か?」
「……いいえ。もうすぐ訃報になるみたいです」
「地元のご家族か?」
「……大学の時の恩師です。今も個人的に親交があります」
多分この日初めて、恩師という言葉を使った。
「長いこと病気だったのか?」
「……交通事故で、今緊急手術中だそうです。死に目に会いたければと、別の親しい先生から電話を頂いて……」
「病院は?」
私は素直に答えた。
「さっさと行ってこい。無事を祈る。定時までに一度連絡しろ」
「もう遅いかもしれません」
「遅くても、行かなきゃ間に合わない以前の問題だ。可能性がゼロになる。しかも、死ぬ危険性が高い交通事故なんだろ? 長時間手術して、その術中に死ぬか手術後に死ぬか、じゃないのか。緊急手術って、すぐ開始って意味で、すぐ終了するのとは別だろう。すぐ終了するような、はっきり言ってすぐ死ぬような手術は、お前に電話する前に死んでるんじゃないのか? それとも常にうちの会社の電話番号をメモってるのか? つぅかそんなに心配で心配で仕方なさそうな顔して泣きそうになってるんだから行ってこい。いやもう既に泣いてるから! 震えてるだろうが! お前は馬鹿だ! 気が散ってこっちの仕事に支障が出るだろう! この部門を営業停止に追い込むのか!? 業務命令だ、行け。休暇届は出しといてやるから。付き添いが必要なら、誰か付けるぞ?」
「行ってきます、ありがとうございます」
私は気づくと地下鉄に乗っていた。
言われてみると、涙が出ていた。お化粧が崩れてしまっただろうか。
水でも落ないって書いてあったから大丈夫かな?
そう考えながら、指先をふと見たら、確かに震えていた。
困ったなぁ、泣きながら震えて駆けつけられるなんて、私だったら嫌だ。
本当に事故だったら、そんなにやばいのかと、きっとショック受けちゃうだろうし。自殺だったら、死なないでーなんて言われたり、死ななくて良かったーなんて言われたら、私ならショックだし。
そして、病院に到着し、受付の前に立った。
「雛辻さん、お久しぶり」
「ご無沙汰いたしております、上村先生」
振り返ると上村先生が立っていた。廊下を進んだところが救急だったから、そこのソファに座っていた先生が、私に気づいたようだった。二人でそこへ向かい、手術中のマークを見上げてみた。光っていた。受付のこんなにそばに、救急の手術室がある病院もあるのか。そんなことを考えた覚えがある。
「まぁ、殺しても死なないような奴だと僕は思ってるけど、念のためね。まさかこんなに早く来るとは思ってなかった」
「いやぁ私もそう思うんですが、会社の上司が良い方で、行ってこい! 業務命令だっ! って! 会社に普段電話来ないから、訃報かって聞かれてぽろっと話してしまい!」
「そっかぁ。良い方っていうか、まぁその可能性もあるけど、僕でもそうするけどね! 今の雛辻さん、雛辻さんのほうが病院で診てもらうべきレベルの顔色! 僕、もしもの場合、死んでから連絡するべきだったなぁって今思った。なんか、ごめん! 頼むから、後を追わないでね!」
「いやいやいやいや、お化粧そこまで崩れてます? 地下鉄のせいだなぁ! 困ったなぁ。んー、後追いなんかしませんけど、上村先生こそ珍しく目が充血してますよ! 目薬つけたほうが! あ、さしたところだったみたいですね! まなじり濡れてます!」
「だってさぁ、交通事故専門じゃないから、説明聞いて調べてたら、熟読しすぎて目がさぁ。僕ねぇ、あんまり機械に強くないのに、スマホで必死に検索しちゃった上、君の会社の番号まで調べたから、目薬ささないとやばくて。もう一回さそうかなぁ!」
「私も新機種欲しい!」
「いいでしょう、これ! 絶対、こっち主流になると思うんだよね、僕」
お互いに顔は笑っているのだが、半泣きという状態で、不毛な会話をした!
上村先生が泣いているところを見たのも初めてだし、震えているところも初めて見たし、ああ本当に鏡花院先生と仲が良かったんだなぁとも思ったし、本当に鏡花院先生は死にそうなのだと理解したし、頭がもうごちゃごちゃだった。
「だけど本当、鏡花院ってさぁ」
上村先生が呼び捨てにした!
「僕しか日本に友達いないんだよ! 顔覚えてる相手もあんまり多くないし。患者に限っては、診察時のみ思い出すという不思議な特技を持ってる!」
「あはは」
「僕とあいつが両方知ってる中で、一番親しい雛辻さんを呼んでみたけど、他には誰を呼んだらいいと思う?」
「ご、ご家族とか、同級生とか?」
「こいつの家族みんな海外。大半はアメリカ。両親は連絡した時サンフランシスコ。親しい同級生もそっちにいる。こっちの大学の連中とは、付き合いほぼない。研究仲間とか仕事仲間はいるっぽいけど、そういう顔覚えてる相手で俺も知ってる人って、本当にただのその方面の仲間って感じで手術室前に呼ぶ空気じゃないの! どーせ死なないから、死んだら教えてって感じ! 僕にできた事といえば、君に連絡することと、知ってる範囲の鏡花院の関係各所に事故にあったって連絡したことだけ! 詳細伏せて休暇願い!」
「院生とか!」
「誰と親しいのかわかんない! 一人も名前聞いたことない! 鏡花院は、学生含めて人の顔と名前を覚えないんだ! 非常に上手くそれを隠してるけど!」
「じゃあ患者さん! きっと印象的な患者さんのことなら覚えてます!」
「たぶん、生者死者問わず、診察外は記憶してない!」
「被験者! 被験者です! そ、そうだ! 一人、鏡花院先生に診察を受けて海外留学して戻ってきて今また診察されている人を知っています! その人を呼びますか!? 鏡花院先生は、その人を覚えてました!」
「……鏡花院が覚えてる患者? 美人?」
「比較的雰囲気イケメンと頑張れば言えるであろう奥さんを亡くされたお子さんのいる男性です! 見た目は、鏡花院先生と同じくらいの歳です!」
「……う、うーん。い、いや、いいや! 男来ても絶対こいつ喜ばないもん!」
「えー!? そんなことないですよ! 上村先生がいてくれてきっと心強く切り刻まれてるはずです!」
「残念ながら雛辻さんという女性が来てくれて、さらに心強く切り刻まれているとは思うけど、僕、僕より鏡花院と親しいこの国にいる人間を、他に知らない! 男に限っては!」
「つまり女の人ならいるんでしょう!? 呼んであげて!」
「だから雛辻さんを呼んだじゃん! せめて男女一人ずつくらいで、あの世へ見送った方が良いかなって思ったの! 僕単独よりは!」
「私呼ぶより行きつけの飲み屋のおねぇさんとかの方がきっと喜びます! 一緒によく飲むんでしょう!?」
「僕たちが飲むところ、綺麗なお姉さんがいるお店じゃないからー!」
「嘘です! 男の人はみんな綺麗なお姉さんがいるお店が好きだって聞いてます!」
「探偵雇って調べてもらっていいほどに、僕と鏡花院の行きつけは新宿液のそばの創作居酒屋だからー! なんならあいつがもし死んだら、手を合わせたあと確認に行ってきていいよ! そんな不名誉なレッテルもらって逝くの可哀想! 生きてたら、回復したら三人で行こう!」
「わかりました! 今は、信じます!」
「あと俺、鏡花院の女の趣味知ってるけど、この人はねぇ、お店の綺麗なお姉さんはあんまりタイプじゃないみたいだねぇ! 学会の流れで何回か一緒に、飲み屋のお姉さんのもとに二人ではなく大人数で行ったけど、間違いないね! だいたいそっちは、新宿ならmiracleってお店だ!」
「行ってるじゃないですか!」
「二人では行ってないし、お互い、個人的にも行ってないってこと!」
「そこって、すっごく高い時給なんでしょう!? 私の友達が働いてた!」
「そうなの! あそこすっごく高いから、普通、そこら辺の学生じゃバイトできないレベルだから安心して行ったら、君の大親友の佳奈ちゃんがいたのー! CIAの俺は向こうを知ってる! 鏡花院は覚えてない! だけど佳奈ちゃんは、楽だという噂で君と一緒に鏡花院の他学科生も受けられる講義をとってて、鏡花院を見たことがあった! しかも名前変わってるし、僕たち金回りのいい客だから情報すぐ行って、お互いに気づくべきか知らんぷりするべきか迷った! 念のため、僕は鏡花院に聞いてみたの。雛辻さんのお友達が働いてるって! そうしたら、やっぱり鏡花院はその子の顔を覚えてなかったけど、気づいてみようって話になった! そこで僕は鏡花院にその子の名前を教えてあげて、二人で話かけた! その後鏡花院はその子を覚えた!」
「よし! 佳奈ちゃんを呼びましょう!」
「珍しく三ヶ月くらい覚えてたから意外に思ってたら、その後忘れてた! なんか君の部屋の様子を知りたかっただけらしい!」
「なんということだ! だから鏡花院先生は、七輪があるって知ってたんだー!」
「魚でも釣ってるの? 僕は内蔵触るの無理だけど、鏡花院ばりばりに捌ける人だから、なんか頼む? 本人が無事にさばかれ終わって縫い合わせられて、生存したら!」
「いや、たまたま! そ、そうですねぇ! けど、せっかくなら、お刺身にしてもらいましょう!」
「そうだね! それもいいね!」
「CIAといえば、奥田先生! 奥田先生は来てくれるかもしれません!」
「だから男で、その上年上の人とか、親族でも僕だったら、起きた時見たくない!」
「ご家族はいつ到着するんですか!?」
「死んだら教えてくれって言うのー!」
「えー!?」
「生きてたら面倒は申し訳ないが見てくれーって! お金出すからーって! こいつの家族みんな医者で臨床家が多くて、かつどっちかっていうと常に手術してる人が多いのー! こいつの両親は精神科医だけど、ほかは違うのー! それにご両親も精神科行く前違ってたり、今も他もやってたりね、こっちとちょっと制度も違うの! だからみんな来られないし、家族仲は良いけど、多分葬儀以外、鏡花院本人も両親が危篤でも駆けつけない! お国柄とかじゃなくて、鏡花院だけじゃなくご家族も鏡花院と同じ系の性格なの! 僕と雛辻さんで、鏡花院の介護を続ける日が来る可能性大! それでも僕は死んで欲しくないよー! どうしようー!」
「私だって死んで欲しくないです! 介護頑張ります! けど私頼まれてないので、上村先生と奥様がやったほうが!」
「僕が鏡花院と一緒に遊んでられるのは、優雅な独身貴族ってやつだからだよー! 僕が死んだら弟が継ぐの!」
「指輪してるじゃん! 結婚してるって言ってたって学科で聞いたことあります!」
「嘘ついてたの! 理由は、鏡花院と一緒! 僕もこれでもモテるのー!」
「えっ」
「おい」
「……! そ、そっかぁ!」
「……前から思ってたけど、雛辻さんてさ、男を見る時の顔面偏差値めちゃくちゃ高いよね。一般的に言われるイケメンとか、あれでしょ、雛辻さんの中じゃ、普通の下くらい。どこにでもいる感じ」
「そんなことないですよ!」
「元カレってどんな顔?」
「比較的イケメンです!」
「鏡花院は?」
「比較的イケメンです!」
「僕は?」
「比較的雰囲気イケメンです!」
「僕はね、別に顔で好きな相手選んでもいいと思う人間なんだけどさ、過剰に面喰いすぎるよー! ありえない! 僕CIAだから君の元カレの写真を見たことがあるけど、すっさまじぃイケメンじゃん! 鏡花院と同じくらい良い! なお、鏡花院から顔を取り上げたら、あの講義、出席者二十人減って、十人くらい来たら多くなると思う! そして十人中九人は、男の子! 僕も全く同じ状況だったから、出席きつくして、その状況を回避したのに、今でも女の子来るから! 時に知らないできちゃう子もいるけど。雛辻さんとか。そういう子は、年に一人いるかいないか! 学生に興味ないから、講義も意味分からないものにしてても来ちゃうの! 僕は比較的顔で人生乗り切ってきたタイプだから、イケメン好きに物申す権利は持たないけど、僕の顔が通用しない雛辻さんのレベルってきつすぎると思うー! ご家族の顔を基準にモノを考えるなー!」
「基準にしてません! 弟のレベルがすごいって私ちゃんと知ってます! だってこの前ね、モデルやってたんだよー!」
「お父さんとお母さんは?」
「美男美女!」
「どっちが美形?」
「お父さん!」
「僕はお母さんだと思うよ!」
「好みの問題かな? 性別の問題かな? ファザコンじゃないんですけど」
「んー、難しいところだけど、じゃあ佳奈ちゃんとお母さんだと、どっちが美人?」
「えー、系統が違うからなぁ。佳奈ちゃんは、ギャルで、今は学校の先生! 清楚系! お母さんは、同じ学校の先生だけど、スーツかジャージしかきてない!」
「服じゃなくて顔!」
「ええー? 年も違うし……佳奈ちゃんかなぁ? お店でもNo.1って言ってた!」
「……ちなみに、自分は何系だと思ってる?」
「バリキャリ! オフィスカジュアル!」
「あー! そうだったんだー! 僕、バリキャリってお仕事がすっごくできる雰囲気をさすって勘違いしてたみたい! オフィスカジュアルも、そういう格好じゃないと思ってた! いやぁ、女性のファッションて難しいなぁ!」
「私をなんだと思ってたんですか!?」
「大学時代と変化なし!」
「え」
「昔で言うところの腰掛けOLとかいう人より仕事できなさそうな顔と見た目!」
「仕事ができなさそうな顔ってどういう顔ですか!?」
「鏡持ってないの?」
「持ってますけど!」
「毎日見てるよね?」
「見てます!」
「その顔だよ! お母さんによく似たそのお顔!」
「初めてそんなこと言われました!」
「似てるって言われないの?」
「言われますけど、そこじゃなくて、仕事できなさそうな顔! 似てる母は仕事できるって言われてます! 私もスーツが良いのかな?」
「多分スーツ着ても変わらないよ! 安心して! 服っていうより顔が仕事できなく見えるだけ!」
「……じゃあ何ができそうに見えるんですか?」
「……執事からお茶を受け取って感謝の言葉を述べる感じ?」
「……?」
「……けど持ってきてって頼めないタイプで、全部やってくれて、逆にしっかりしろって怒られる外見だよね」
「……! あ! ぶりっこっぽいってことですか!?」
「近いけど遠い! どうでもいいけど、僕と鏡花院は、佳奈ちゃんより雛辻さんの方が美人だって話で盛り上がったよ! 佳奈ちゃんには内緒ね!」
「そんなお世辞言って、私の中のお二人の印象をいまさら良くしようとしても無駄ですからー!」
「こうしよう。鏡花院の介護がガチで決まったら、結婚しよう! 君専業主婦しながら介護して! 僕もだいたい手伝う! お互い、浮気ありで!」
「わかりました! 執事さんを雇うところまでお願いします!」
「本気で言ってるからー! あと、真面目な話、メイドさんというかハウスキーパーさん的な人を雇おう、できれば若くて綺麗な女の人! だって、君、家事できないんだから介護も無理そう!」
「待って、その人と先生が結婚すればいいと思うんです!」
「鏡花院だって顔知ってる女の子がそばにいるほうが嬉しいと思うの! 浮気相手鏡花院でもいいよ!」
「えー!」
「むしろ僕いらないじゃないか! 君たち二人が結婚すれば解決だ! それで執事雇って君が浮気してればいいんだよ! 鏡花院のおうち、お金出してくれるし! 介護必要になったら鏡花院動けないし! 僕は友だちの恋人は盗らないと誓ってるから、浮気相手にはなれないけど、ちょくちょく顔出すし!」
「私は浮気とか嫌いです! されてもいいけど、するのは嫌!」
「あ、まじ? じゃあ僕にも最適なお嫁さんだー! 僕浮気はする自信しかないけど、されるのすごく嫌なの! よし! 鏡花院の介護レベルによって、君が鏡花院と結婚するか、僕と君が結婚して鏡花院を介護するか決めよう!」
「具体例としては?」
「一生寝たきり系なら、君が結婚してお見舞いに来る。女の子のお見舞いのほうが嬉しい。車椅子系でも押してくれるの女の子のほうが嬉しいから、雛辻さん! どっちか片側か手系の場合と認識とかそういう方面に障害残ったら、僕と君が結婚! なんかどこがどうなるか分からない様子だから!」
「了解しました! だけど鏡花院先生、私とだった場合、結婚の紙にサインしますかね!?」
「OK出ない場合があったら、偽装しよう!」
「はい!」