【12】世界大会までの休息


 残ることになった6組――日本チーム四人は、そのまま無人島に上陸し、豪奢なホテルに案内された。

 世界大会は、一週間後から開催されるそうだった。それまでに各国代表がでそろうのだという。それまでの間は、ホテルでくつろぐようにと指示された。浜辺にはバナナボートなどもあるらしい。

「夏期講習でなくて良い上に、南海リゾートとか俺達ついてるよな」

 上陸し、ホテルを見上げながら、相が呟いた。

「しかし気合いが入ったクイズ大会ですね」

 縁が小首を傾げながら、鞄を持ち直す。

「早く帰りたい」

 ポツリと要が言うと、相と縁が顔を見合わせた。
 それから二人は、左右から要の肩を叩いた。

「まぁそういうなよ要」
「そうです。休みなのに学校に行かなければならないという苦痛をよく考えるのです」

 そんなやりとりを前に、時野は嘆息した。まぁ、なんとかなるか。そんな風に考えていたのだった。