5(★)



 お昼ご飯には、二人で、俺のキッチンの棚にあったカップラーメンを食べた。どちらも味噌だ。俺は味噌味が好きなのである。腰に違和感があったが、昼食前にシャワーを浴びたらだいぶ楽になっていた。この後は何をして過ごすのだろうと、歯磨きを終えてから考えていたら、リビングに戻るなり、腕を引かれた。

「み、水栄?」
「部長が俺の腕の中にいる……」

 ソファの上で後ろから抱きしめるようにされ、俺の頬が熱くなった。

「っ」

 鎖骨をなぞられ、服の上から左右の胸の突起を摘まれた時、俺は震えた。
 それから水栄は、右手で俺の陰茎を服の上からなぞり、左手は服の中に入れて乳首を弄り始めた。すぐに俺の体は反応をした。午前中、あんなにも達したのに……。

 すぐに右手も服の中に入ってきて、直接的に陰茎を撫で始める。
 胸と陰茎への刺激に、俺の息が上がった。

「ぁ……ぁあっ……」
「挿れたい」
「ン……」

 こうして――今度はソファで繋がった。
 後ろから抱きしめるようにされたままで、下から挿入された。

「あっ」

 根元まで入りきった時、先程は知らなかった奥深くまでを暴かれて、俺は涙した。その状態で、両方の乳頭を擦られる。

「あ、あ、あ、ダメだ、あっ」

 尋常ではなく胸が感じる。始めて乳首が性感帯の一つだと認識した。
 ゆるゆると動く水栄は、俺の耳元に吐息を吹きかける。
 その刺激さえも気持ち良い。

「午後はずっと、こっちを可愛がってあげます」
「あっ、ン!!」

 水栄は、あまり中では動かず、指先で熱心に俺の胸を嬲り始めた。
 胸の飾りを刺激される内、次第に熱が浮かぶようになり、それらは陰茎に直結していくようになった。

「あ、はっ、ハァっ、んン」

 ただ胸を擦られているだけだというのに――無論中には水栄がいるが、そちらは大きくは刺激されていないというのに、俺の前からは、タラタラと先走りの液が垂れ始めた。しかし胸だけへの刺激では、イくにイけない。

「や、やめ、っ、水栄、もう……」
「出したいですか?」
「ああっ、あ……」
「じゃあ自分で動いてみて? ね? 部長」
「はっ、うあ、あ」

 言われるがままに、俺は体を揺らした。腰を振り、更なる快楽を求める。しかし中々動き方が分からず、感じる場所に水栄の陰茎が当たらない。

「や、やっ、あ、水栄っ」
「もっと俺の名前を呼んで下さい」
「水栄っ、ン、あ、ああっ」
「――どうして欲しい?」
「突いてくれ、あ、あ、ああ――!! あ、あああ!!」

 素直に頼むと、下から深く突き上げられた。感じる場所を思う存分穿たれて、俺は放った。しかし今度は俺の呼吸が落ち着いていないにも関わらず水栄の動きは止まらず、再度俺の乳首を擦りながら、下から何度も突き上げる。

「やぁっ、あ、あ、ああっ、も、もう!! うああああ」

 前立腺ばかり突き上げられて、頭が真っ白に染まっていく。
 そのまま連続で放たせられて、俺はぐったりと体を水栄に預けた。
 そんな俺の首筋をねっとりと舐めながら、水栄はまだ乳首を弄ってくる。
 俺は半泣きだ。まだ繋がったままであり、内部では動かない水栄の陰茎の存在を強く感じている。

「あっ」

 今度は水栄の手が、俺の陰茎に降りた。

「部長。俺の体の事、じっくりと覚えて下さいね。俺無しじゃ、いられなくなるくらい」

 ゆるゆると俺のものを扱きながら、耳元で水栄が囁く。

「んっ、ンンん、ぁ……あ、ああっ」

 緩やかに高められ、俺は再びイきたくなった。しかしもう何度も果てているせいで、体が感覚に追いつかない。

「一緒にイきましょう」

 そう囁かれ、水栄が手と、中を暴く陰茎の動きを早めた。
 俺は――強制的に高められ、この日最後の射精をした。


 その日からの俺達は、まるで獣のように、SEX三昧となった。


「ぁ、ぁあっ、ン――!!」

 場所は、平日は部室。休日は、基本的には俺の部屋だ。水栄の部屋は同室者がいる。和田には、早々に付き合っている事を告げた。すると奴は、部室に来なくなった。和田は空気が読める……。

 今も部室で俺は貫かれている。部長用デスクに手をついて、立ちバック。腰を持たれて、後ろから激しくガンガンと打ち付けられている。どんどん俺の体は開かれていく。

 ローションが立てるグチャグチャとした卑猥な音、太ももを垂れていく水栄の放ったものの感触――こういったものに、俺は慣れ始めた。

「ゃ、アっ、やぁっ!!」

 しかし、慣れない事もある。あんまりイきすぎると、俺は辛いし、翌日に差し障る。だが水栄は絶倫だった……。日に何度も俺を求める。よって、俺は――水栄の手により、陰茎の根元にリングを嵌められるようになった……。物理的に放つのを阻止されている。これにより、確かに水栄が満足するまで出来るようにはなったが、イけなくて俺は辛くなった。今も、根元を戒められている。

「あ、あっ、あ、あ、ああっあ、ア」

 出したい。それしか考えられなくなっていく。水栄の長いもので、前立腺を思う存分突き上げられながら果てたいのに、それが叶わない。

「や、っ、あ、ああっ、水栄っ、も、もう!!」
「まだダメです、部長。もう一回」
「ああっ!!」

 俺はあまりにもの快楽に、机に上半身を預ける形で崩折れた。そんな俺の上にやはり上半身をのせ、体重をかけながら、水栄が中の陰茎を揺さぶる。戒めたままの俺の陰茎を手で緩やかに擦りながら、水栄が意地悪く動くのだ。ギュッと目を閉じると、俺の目尻を涙が伝った。

「やっ、イきたいっ、あ、あ、水栄っ」
「俺が欲しいって言って?」
「水栄が欲しいっ、ああっ!!」

 欲しいと言ったのに、水栄が陰茎を引き抜いた。
 そして代わりに、指を一本挿入した。今ではもう、それでは足りないというのに。

「あ、あ、ああっ、うあ」

 グチャグチャとかき混ぜられ、俺は涙した。指は指で気持ちが良い。だが、もどかしすぎて気が狂いそうになる。

「部長、もっと欲しい?」
「欲しいっ、あ、ああっ」
「――もっと、固くて長くて、太いもの?」
「うん、あっ」
「今日、良い物を持ってきたんだ」
「へ? あ、ああっ」
「部長も欲しいみたいだし」
「!!」

 その時――ローションでぬるりとしてはいるが、無機質で太いものが、俺の中に入ってきた。

「あ、あ、ああっ」
「何だか分かる?」
「うああっ、や、あっ!!」

 バイブだった。男根を模した張り型を、水栄が俺の中に挿入する。水栄のものよりは小さいだろうに、圧倒的な異物感があった。

「いやあっ!! あ、あ、あああっ、あ、あ、嘘、あっ!」

 水栄はそれを手に持つと、先端でグリグリと俺の中の感じる場所を抉った。太い先端部分が、容赦なく俺の前立腺を刺激する。

「――スイッチ、入れるね」
「いやああっ!!!」

 ブルブルと振動音が始まり、間断なく前立腺に強制的な刺激がもたらされ始めた。即座に俺は、中だけで果てた。空イキを覚えさせられたのは、体を繋いで三日目の事である。長い射精感に苛まれる。水栄の体にそれをもたらされている場合は、その間は水栄は俺の中の収縮を味わうようにして動かないが、バイブの振動は止まらない。

「や、や、や、やあああ、嘘、また、あああああああ!!!!!」
「何度イけるかな?」
「ダメ、ダメ、ダメだ、ダメだ、あ、あ、あ、ああああ!!」
「気持ち良さそうだけど?」
「おかしくなる、死んじゃう、あ、あっ、あ、あ、あああ!」
「気持ち良くない?」
「気持ち良いっ、うああああああああ!!!」

 この日から、俺達のプレイに、玩具が加わった。