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「わぁ! 本物だ。本物のレクスくんだ。イリス、よくやった」
「レクス、こちら、VRシステム自体の開発者で、そちらの最新版はゼクスと二人で特許をとって、会社は父親に丸投げした大天才だ」
「えっ!?」
「そうそう、レクス、あのな、ゼストとも動画を撮りたいと言っておいてくれ」
「そうそうそう、俺もあのカッコイイデザイアの動画に出たい!」
「は、はい……え!?」
「レクス、あのね、ゼストとゼクスは大天才なんだよ。ルシフェリアは天才か秀才。僕は秀才かなぁ。こう、ちょっとそこの二人はね、頭おかしいから、近づかない方が良いかもね。ゲームもさ、この二人、カンストだかね。職全部。生産はゼクスのみ」
「えっ!?」
「イリスの言う通りだ。付き合っていると、現実に戻れなくなる」
「ちょっと、二人共、俺、レクスくんのファンなのに、どうしてそう言う事言うの?」
「今回ばかりはゼストの言う通りだ。弟に、なんてことを言うんだ」
「待って、ゼクス。今回ばかりは、って、何?」
「ん? 何が?」
「何がじゃないでしょ」
「だって基本、ゼストに付き合ってたら、ゲーム時間がなくなっちゃうからな」
「ちょっと待って、ゼクスの現実ってゲーム?」
「うん」
「「「「ぶは」」」」
「ゼストは違うのか?」
「まぁ、最近はそうだよね。クラウンズ・ゲートしかしてないからね」
「だろ? 俺も」
「「「「ぶは」」」」
「いや、君達、それ、最近じゃなくない? もう、10年近く、10時間以上インしてるじゃん。一時期チラっと一日数時間になっただけで、ずっとゲームでしょ? しかも普通のユーザー、一日数時間だから、同じになっただけだし」
「「「「ぶは」」」」
「っていうか、イリス、喋ったらファン、離れるんじゃない? 俺、君の『天使みたい』とかいうファンの感想見る度に爆笑してるんだけど。『悪魔』でしょ?」
「ゼストうるさい。僕、ゼクスこそ、喋らない方がいいと思うんだけど」
「それはあれ? 抱きたいランキングがまた一位ゼクスになって、君下がるから?」
「違うわ! あれ、下がった方が僕的に嬉しいんだけど」
「「「ぶは」」」
「それ、何だ?」
「あー、ゼクスは、リアルをやる時間ゼロだからね。ニュースとか雑誌とかネットとか、見ないし。あのデザイア動画とか、各国のビジネスニュースをチェックしてそうだけど、ありえないからね」
「うん? ニュースなのか? じゃあいいや」
「「「「ぶは」」」」
「ゼクスは、生み出す側だから、流行とかどうでも良いんだよね。作ったのが流行るから、流行ってるのは作らなくて良いんだよ」
「ああ、それはあるだろうな」
「うん。すごいよね。ゼストも生み出す側だけど、流行るまでが長すぎる」
「「「「ぶは」」」」
「あ――そろそろ次に行かないとならないので、名残惜しいのですが、良かったら、一言を!」
「あ、はーい、桃花源&ヴァイオレット・ムーン&紫月の、イリスです。買ってね★」
「「「「ぶは」」」」
「ゼストでーす★ ゼクスは、俺がブログに開始初期に書いた『憧れのユーザー』かつ、『本人に遭遇した上、支援してもらってフレになった』その人で、『ゼスペリアの教会』のギルマスであり、ルシフェリアと俺がサブマス、イリスが執権をしていました。他にクラウやハルベルト、ヴェスゼストもメンバーでした。俺が、リアル学歴を聞いて、引き抜いて、その後、ゲームをよりやりやすいようにVRシステムを改良した仲です。デザインの匠なので、武器サンプルもらいましたが、やばいカッコイイ以前にプラス9で呆気でした。買ったほうが良いっていうか、買えたら大幸運だと思います★ ルシフェリアの武器はオーダーメイドらしいから、多分買えます。イリスは、顔眺める方がお得でしょう。売り子やるそうです」
「「「「ぶは」」」」
「ルシフェリア、サブマスでした。円満解散で、今も週3くらいでゼクスと遊んでいます。武器作りの師匠的な鴉羽は、ゼクスの銘で、決して鴉羽卿ことラフ牧師のものでは無いと言っておきます」
「「「「ぶは」」」」
「俺は、レクスの兄のゼクスです。俺の商品を買うと、レクスと距離が縮まるかもしれません。よろしくお願いします」
「「「「ぶは」」」」
「――有難うございました。兄上の落ち、それ、俺とより兄上とみんな縮まりたいと思うぞ? まぁいい。じゃあ、また!」
こうして、レクスのインタビューは終わった。
その週には、この生放送をチェックしていた秘書が、ゼストとルシフェリア、さらにクラウンズ・ゲート運営は、プラスでイリスに声をかけて、デザイア2回、公式3回、公式は、レクスと三名で撮影となった。さらに、VRゲーム専門誌に、桃花源のインタビューが乗り、クラウンズ・ゲートの店情報が出た上――インフィニティ、リアルで出してくれることになった。暗殺者衣装だが、どう見てもただのイケメン金持ちなゼクス、アンチノワールの家具、ただしテーブルにルシフェリア銘の武器、傘立てにも剣、『趣味のひと時』『大人の休日』と、かっこよくまとまったのだが――1ページ、見開きソファはそういう感じだったが、4ページ目、僧侶の和服、これに世間が騒然となった。5ページ目は、クラウンズ・ゲート内部の商品説明だったのだが――みんな4ページ目に釘付けだ。