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 こうして万全の体制で迎えた六年目というか公式的に五年目。また新大陸のユレイズ大陸というのが出来た。ここは、アイゼンバルト大陸からしか移動できない。素材収集でしかアイゼンバルトにも行ったことが無いのだが、一応、ユレイズへの魔法陣ができた場所は通過だけした事があるので、俺はここにも行けなくはない。しかしやる事は決まっていた。生産だ! 俺はひたすら生産を行った。追加分を、まず全部100まで頑張った。低レベル帯の素材もいるし、低職のスキルでも倒せるというのがあり、そこまでで、新職の感触を確かめた。今回からの新規参入組は、複合でなくその四つを最初から上げられるそうで、逆に今までの人は、あんまり新職をやる人はいない。中位くらいだと、結構新職を開始する人も多いのだが、上の方は元々を極める方が強いという判断みたいだ。この間に、すぐに俺の名前はキャラランクから消えた。生産は、追加分を含めて一位である。自分用に新職の武器を作ったから、露店に出したら大人気ですぐ売れた。足りないようだった。これに関しては、各地から制作依頼が来たので、そういう意味でもいっぱい作った。クラウと高砂の所以外は全員に頼まれた。なお、生産追加分が100になった頃は、前年までの分が500だった。それまでの一位が、400代後半でみんな止めていたので、抜いた時にキリが良い500にしておいたのだ。スキル系が全部300で止まっているのである。課金があるのと、適したモンスターで一気に上がった形だ。職は、ゾンビ相手だと聖職者職レベルが上がりやすいだとかがあると判明していたのである。そして、新職のレベルは全部230になっていた。もう相性とか上げ方とかはばっちり頭にあったから、意外と行けたのである。新職の基本スキルも180までは揃えた。新職ランキングでは、一位独占である。これもまた吹かれた。そこからちょっと悩んで、生産を200まで頑張った。そして、複合は六個目からはやはり出なかったのだが、それぞれも500まで上がるようになっていたから、まずそちらの習得に励んだ。どれが強いか分かっているので、五個目に出たやつを全部あげ、次に四個目というように下がれた。並行して、五個目同士の派生スキルなどもちょこちょこ500にした。そうしながら、召喚者をとりあえず上げた。

 そうして、生産を250、複合を五個目から三個目まで全部500、派生の強い奴を大量に500にして、召喚者と死霊術師が300、忍者が280、鉄土士が250となった。ここでちょっと止まったのは、六年目になったからというよりは、300から派生スキルと複合スキルが出てきたからである……。すごく迷いつつも、生産を270にする傍ら、試しに出たもののレベルを上げてみた。これが意外と強い。召喚者と死霊術師の複合スキルがあるというのは知られていたが、召喚者と聖職者だとかは、全然聞いたことがないというか、いるのか謎だ。何せ複合しているのが、聖職者の派生上位とかで、それ自体をお例外が持っているか不明だからである。そこまで迷い、俺は300にする傍ら、とりあえず職全部を上げてしまう事にした。そして七年半の時に生産が300となり、追加分もカンストした頃、新職も全部300になった。新職も、もうそれ専業という人がいるから、名前は出なくなった。生産に関しては、イリスが休止しているから、俺が全部単独一位だ。武器二位にルシフェリアが復活してそこを維持しているが、ここ以外は全部微変動である。あんまり動かないが、固定という感じでもないのだ。

 あと半年、とりあえず悩もうと思ったが、過去の経験からすると、複合後半は数が減るし、もうこの頃には、そういう話はちらほら聞いたから、複合を取る事にした。聞いたというのは、ルシフェリアとかゼストとかクラウとかが、「これ取った?」と、俺にスキルの使い勝手を聞いてきて、その時に色々な情報を教えてくれる中での話である。ハルベルトとか超教えてくれる。多分、実際の使用は俺が詳しいが、知識は俺よりみんなの方が圧倒的だ。まず、新職複合を一気に取っていき、ちょこちょこと、既存&新職の複合で気になるのを取ったのである。結果、半年で全部三個目まで200まで終わり、既存とのものも、そこそこの数が、200になった。そこから迷って、折角だからと、五個目まで全部取ってしまう事にした。出現させて200まで、で、とりあえず取ったという事にした。そうしたら、かなり強かったので、五個目を300に全部して、そこから三個目まで下がっていった。プラス、派生に出現した、非常に強いものを一気に300までやるという作業をした。結構クオリティが違うレベルのものが多数あったのである。強いのと強いのの上はやっぱり強いのだと思った。だが、そう広まらないのは、それが出るまでかなりの数を上げなければならず、かつ、出ても、出る前のスキルのレベルも上がっていないと弱いままのものがあるからみたいだった。AとBでCが出ても、出た瞬間にやめたのより、Aも上げた方が強いという事である。その上げておくと良いレベルが300くらいみたいで、だから俺は、強いとすぐに分かったみたいだった。

 これに一年費やして、八年目が気づくと終わっていた。そして九年目に、既存と新職の複合も含めて五個目〜三個目は全部300以上になって、派生も高威力に絞って300以上を沢山得た。ただ、キャラレベルなどは、500のままで、レベル上げでちょこっと510とかになっているだけだった。完全に職に全部経験値が行くとかではないからだ。かつこれは、行かないようにレベルを上げたからこうなのである。キャラレベルを上げると、他が上がりにくいのだから仕方がない。この頃、ぼちぼち生産でカンスト者が出始めた。全部にいるのは俺だけだが、ルシフェリアも武器とそれ関係をカンストさせたし、色々いる。イリスもちょこちょこやっていたようで薬剤関係がそういう感じだ。300以上はあんまり変化を感じないような気もしたし、最低300あれば、もう高レベルとしか感じないクオリティは出るので、久しぶりにキャラや職でもあげようかなと思った。キャラは、もう上の人々は、896レベルだとかという話である。目指してみようかなと、課金して、職は順番に変更として、キャラレベルを750、全職を500にまずした。この時点で職ランクにいくつか入ったので、「また上げ始めた?」と言われた。うん、と言っておいた。そこからは、職上げを重視して、全職を700にした。キャラは800だ。暗殺者と聖職者と僧侶以外は、一位である。キャラレベルが一番高い人が950くらいになっていたので、俺もそこを目指すことにして、一気に950にした。職も上げて、こちらは900だ。職は全部1位に返り咲いた。キャラは、一番上の人が970だ。俺が上げ始めてあちらも上げだしたそうだが、そちらが20でキャラのみの間に、バーンときたから理由を聞かれた。970付近が18人くらいいて、内12人がルシフェリアかゼストのギルドなのだ。だから二人と『ゼスペリアの教会』のグルチャをしたのである。みんなが色々スキルとかについて聞いてくるのもこのグルチャだったので、いつもの事だ。理由は、どう考えても複合の五個目とそこからの派生上位である。何回も話していた事だが、効果を実感し直したみたいだった。ちょっと誇らしい。こうして、キャラ998の全職950になって、俺はこの十年を終えたのである。なんかもうやりきった感がある。テストを入れたら十一年だ。十七歳から十八歳になる歳に始めて、俺はもう二十七歳……。今年、二十八歳である……。十歳離れた弟が、今年もう十七歳なのである……。