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 こうして次が始まった。抽選者テストは、今までの約50人に、抽選に通った100人が加わって行われる。一気に人が増えた、という気はしなかった。みんな、キャラクターを作っているからだ。今回は、作成期限が一ヶ月らしい。ただ、ネットに情報がちょっと上がっていたりするから、最初よりは作りやすいかもしれない。この追加の時に、『無色透明』が配布されたので、俺の三枚目にも追加された。これが便利で瞬間移動技能らしいのだが、まだ使い方は不明だ。色に関しても、一枚目の三色しか、あんまり効果は実感していない。何か効果はあるのかもしれないが、体感は無いのだ。だから、俺はあんなに時間をかける必要は、無かったのかもなぁと思っていた。

 俺達三人は、とりあえず、ひたすら先に進むとしていたから、初日にダンジョンまでたどり着いた。フィールドのモンスターは、解放済みだった所が高くても5で、ダンジョンまでの間の2箇所は、7、10が最高である。朝の開始と同時に初めて、十二時半頃には、ダンジョンの前に到着した。ご飯を食べるという意見はない。なお、別に最速という事ではなくて、他のパーティでも、同じくらいの速度がいる。前回からやっていた人々なので顔見知りである。ひと組は、クラウとハルベルトで、もうひと組は、オーウェン・ミヒャエル・双子の義兄弟(兄)と弟の四名である。面白いキャラ名の双子だ。パーティごとだから雑談しながらというわけでもないが、近くを歩く六名を眺めたりしつつ進んだ。地下三階まであった。最後に、巨大なコウモリがいた。ゾクゾクする。俺達三人は、ドキドキしながら倒しに行って、案外余裕で倒す事ができた。満足感がヤバイ。

 それが終わるとダンジョンの先に転送されて、新しいフィールドに出た。ダンジョン内部は、レベルが10・20・30と上がって、ボスは50レベルだったが、何とかなった。新しいフィールドのモンスターは、30レベル・35レベルと進んでいったが、襲ってきたの以外は倒さず、次の街に、午後三時過ぎに到着した。これは一番のりだった。達成感もあるが、なんかこう、やってやったぞ感があった。ルシフェリアがクラウとハルベルト、双子の義兄弟二名と早速フレンドになっていて聞いたそうだが、あちらは失敗したそうで、ルシフェリアはとりあえずクラウ達の方を手伝いに行った。俺の友達は、ルシフェリアとイリスしか、まだいない。俺達も手伝いに行くかと聞いたのだが、クラウ達は後ちょっとで倒せそうだったというのと、義兄弟側はパーティがいっぱいだからこれから初心者の街で対策を練りつつ相談してから場合により頼むという話だった。

 なので、俺とイリスで、こちらの街での露店準備をした。『桃花源』である。その後イリスは早速作り始めたというか生産技能を上げ始めて、俺はレベル上げを開始した。その日の夜には、クラウとハルベルトも到着して、ルシフェリアも戻ってきた。この時に、俺とイリスも二人とフレになった。クラウは僧侶、ハルベルトは魔術師である。クラウはそれを伸ばし、ハルベルトは聖職者と二つ、ルシフェリアも聖職者と二つ、イリスは暗殺者の他は聖職者と錬金術師、俺は全部を伸ばすと話していた。この辺から、個別を伸ばすか全部かというのも別れてきた気がする。生産は、ルシフェリアとイリスと俺は全部だ。クラウは料理と薬剤、ハルベルトは薬剤と言っていた。だからその後すぐに不要な素材をくれるようになった。三日後に、ルシフェリアと俺と義兄弟、オーウェンとミヒャエルとイリスとクラウで別れてダンジョンを手伝い、四名も到着した。この時に俺は義兄弟二名ともフレになった。ハルベルトが手伝いに行っていた所も到着し、他に三組くらい到着したのだが、その後はしばらく誰も来なかった。職業配分やメンバーで結構みんな難航していたらしい。レベルが同じでも、全然違うようだった。また、やっと、同じ暗殺者でも、全部の色があるルシフェリアと俺、回復色を集めたイリスでは、他の暗殺者と効果に違いがあると分かってきた。やはり色は良かったようだ。濃度は、クラウと俺が全部なのだが、これも範囲に大分影響があると分かった。こういう発見が楽しいのも含めて、レベルを上げながら、一ヶ月過ごした。

 このメンバーの中でも廃人である俺は、総合レベル50と経験値いっぱいに最初になった。他が個別職業や追加スキルに専念していたのもある。そちらも、暗殺者が50になってから、聖職者50錬金術師50魔術師50冒険者50と全部上げた。最初の6つのスキルも全部30だ。さらに暗殺者スキル20レベルの頃に出てきた追加スキル6つも、全部が30になった。こちらは今度、それぞれが50で追加らしい。現時点ではこれでカンストである。各職業の二個ずつのデフォルトスキルの合計10個も全部30で、追加で出た20個も30レベルだ。生産も料理や装飾と言った総合系は全部カンストの30だし、個別もカンストの30だ。こちらも30レベルが制限だったのである。一ヶ月でここまで来た。なので、共通の6つは、上位に出た6つに変更できるし、それ以外に10個のスキルも選べるしで、迷った。

 レベル上げに余裕があるから、この時点まではルシフェリアも全部上げきっていて、俺とルシフェリアの違いは、事前のステータスを除くとそのスキル内容という形でもある。ルシフェリアは最初から短距離高威力の前衛技能確保という内容で考えていたらしいから、すぐに決めていた。俺は迷った……。同じように全部上げたクラウは、最初から中衛で始めているし今後もそうらしく、揺らがずにそのスキルだ。俺が決定しているのは、露店スキルとその上位の露店拡大のみだ。これにより、俺の露店枠は5にプラスで10となり、三人で45になり、共同だと15枠が貰えるので、桃花源は60枠持っている大きなお店となったのである。露店は各街で出せる。ただし閲覧は同じ街でしかできない。だから街にあんまり人がいないこちらでやるのも悩みだったが、高レベル武器などは、こちらの方が必要な人が多い。という話がたまに出たが、移動する話はまだなかった。それよりも、新しい素材で沢山作って技能を上げる話ばっかりしていた。オリジナルデザインだとか、すごく楽しいからだ。