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そうしたら、ハルベルトが来た。突撃だ。
「ゼクス、ルシフェリアに渡した動画を、生放送で流させてくれ。あれのみなら、お前がお前だとはその時点では分からない」
「ん? ルシフェリアが良いなら良いぞ」
「後、はじめましてだな、レクス。俺ともフレを頼む、そして、俺にお前の動画も提供してくれ。一番早いソロボス」
「え、あ、は、はい。有難うございます! 送りました!」
「ん? え? 猫耳!? 俺、あれ、羞恥プレイなんだけどな」
「大丈夫だ。では、またな」
ハルベルト、さくっと帰った。生放送は九時かららしくて、もう八時半だ。準備だろう。レクスがポカンとしつつ、キラキラした瞳だった。
「あ、そうだ。兄上、俺もフレの琉衣洲を紹介させてくれ」
「ああ」
こうして琉衣洲がレクスを連れてきた。一時だけフレのフレ許可にした。琉衣洲――なんかこうもうど緊張状態で訪れた。俺は微笑した。
「はじめまして。レクスがお世話になってます。ゼクスといいます。よろしくな」
「あ、ああ、よろしくお願いします……! 琉衣洲です」
「良かったらフレに」
「有難うございます!!!」
こういうのは、高レベルの側から言い出さないとダメな風潮なのだ。ゼストとかの頃はそうでもなかったのだが。けど俺はあの時も自分からだった気がする。これまで全部自分からだ。そして滅多にないから少数なのである。
そこから、キラキラした美少年とお話した。リアルも同じらしい。超真面目に、デザインについて聞かれて返答して色々話した。で、三人でリア共有とアバターでとって、黒十字同盟の宣伝用も作った。超喜ばれた。
今度リアルで遊びに来てくれと言ったら、大きく何度も頷かれた。レクスがニコニコしていた。そしてそのまま――ハルベルトの生放送を見てみた。
す、すごい、視聴者が20000人を超えた……開始4分時点だ。カウントがぐるぐるしていて、コメントが多すぎたから、別枠で表示したのだが、流れが早すぎて見えない。最初は、ゼストとルシフェリアのソロすごいだったのだが、俺登場唖然。見ていた二人も唖然。俺達三名のパーティ最速にやばいコメント数となり、最終的に40000人で、動画広告が500000円とかだった。
五十万円とか、一般ユーザーの生放送であるんだと俺は驚愕した。動画終わりの俺ネコミミソロも超やばかった。なんかけどこれ、萌えなコメントだらけで、このイケメン誰だよみたいなので吹いた。恥ずかしかった。延長一回で一時間で終わった。俺は生産を一回、本日終了分をやった。
「「す、すごかった……」」
レクスも、まさかアイリス右ボスをソロ可能とは思っていなかったらしい。笑っておいた。そのまま、俺は眠気の限界を告げて、名残惜しいがログアウトして、サイトは任せて、シャワーを浴びて爆睡した。
VR外部連絡システムに『睡眠中です』と表示したので、アラートもならない。そのため、起きたら、夜の七時を過ぎていた……。
ダラダラと部屋を出て、タバコを吸いながらコーヒーを飲んだ。美味しい。
それで『起床中』に変えた瞬間、父上・レクス・イリスからほぼ同時に連絡が来た。何事かと思ったら父上が、『取材依頼とモデル依頼が殺到して、会社会見を開いて終わったから報告しておくよ』であり、レクスが『兄上の人気がやばすぎる。様々な方向性で。それと、アースタロット・オンラインのプレが前倒しで今週末の土曜日午後になった。つまり明後日だ!』と着て、俺はそれやばいと思いつつイリスを見たら『明後日プレ・オープンだから詰めるよ! 後、反響やばすぎて、僕の方にまでゼクスへの仕事依頼着てるけど、全部クライス社長に回した』ときた。
俺はレクスとイリスに、三人一緒無理かと聞いたらOKだったので、俺の家集合になった。先行っててと伝えた。父上には『有難う。全部断ってくれ』と伝えておいた。父上爆笑顔文字で返してきたので、俺はログインすると伝えて切った。
さて、中に入った。二人はフレ登録をした所のようだった。
「え、あのだな、なんで早くなったんだ? 予約開始じゃなかったのか?」
「まず経緯から話すね。ハルベルトの生終了直後にゲームまとめ全部に出た。その後、夜中の四十分に、ゲーム以外の検索エンジン最大手ネットニュースだとかのトップに、アンチノワール×アースタロット・オンライン(ゼクス情報)が出た。翌朝のニュースで、インフィニティとクエイクが先行で雑誌記事公開で乗っかって、そのニュースにてゼストが自分の書籍の表紙ゼクス&レクスかつ宣伝、続いてラフ牧師がゼクス各職Verの公式スピンオフを全部公開。昨日とったとか信じられないクオリティ。話題持ち切りで、午後のワイドショーでゼクスのルージュノワールモデル時代&初デザインから現在までの特集。ゲームネタは『デザインしているそうです』という所だけで、基本ゼクス特集。売り込み中とかじゃないのに。で、その時にクライス社長が囲まれて記者会見。夕方のニュースに僕が呼ばれて大学時代の思い出からデザイナーとしてのゼクスとかを語り、その合間の裏でレクスが呼ばれてクエイクの中身&お菓子VTR再放送とハーヴェスト、六時半からはアースタロット・オンラインが公式特番で、課金店紹介しながら、っていうかゼクスのゲーム伝説をハルベルトとラフ牧師に語らせて、動画を公式で再生して、『神だ……』となった。なお昼の生産同盟生放送で、橘が『生産の神の神』として取り上げて、そちらでも神様。橘は、CMを打ちまくっていて、アンチノワールとのコラボコーヒー! この公式生放送で、プレが早まった告知。多分、運営は、こっちの納入見て行けると判断だね。後は、次ね、VR関係。黒騎士一色。ニュースサイト、全部、ゲームもシティもその他も、黒騎士参入とか。広告打ってないのに、僕とのコラボもレクスとのサイトもどばーっと出た。こっちは、ゼクスというより、アクセアクセアクセと服! ゲーム系は、ひたすら装備と武器デザイン! レクスのサイトにお金払って持って行ってニュース化。お金払ってニュース化の人々よりも扱い大きい。それで次、ネット。鴉羽と黒曜宮とプレイヤーゼクスの話題で持ちきり。モデルマジで系もあるけど、とうとうと伝説が語られていき、ガチ廃通り越して廃神通り越して、ここまで来たら、神だろ、伝説っていうか、それより上だ、と、なって、ゲーマーでこれまでアースタロット・オンラインやってなかった勢力も一気にやると言い出した。後は、ゼクスファンの大歓喜で、ゼクスに飢えていた人々が、一気に欲しがってアースタロット・オンライン参入。これはデザインもモデル的にも、あと、素性。そうしたら、大企業の御曹司でモデルでデザイナーならまだ分かるとなったのが、ドーンとVR専攻のプロ中のプロで国際VR学会とかVR環境学会とかVR医学会とかの重鎮的なガチ天才と判明して、恩師が登場。いかに優秀だったかを語りだして、ルシフェリアと僕の名前も出た。キャラ名の方でだけど。それで桃花源やべぇみたいな空気。クライス社長とザフィス会長よりすごい権威と判明して、社員も驚愕の事態。ここではザフィス会長が囲まれて記者会見。ここで医療装置展示やっているという話もしたから、各方向プロガチ勢がアースタロット・オンラインに参入開始。まぁ、まとめると、キャラ職スキル・生産・デザイン・モデル・家柄・頭の良さの全部で今、一番注目だと思うよ。これを逃さないようにアースタロット・オンラインは乗っかったんだと僕は思う。レクス動画の家インタビューでのアースタロット・オンライン歴とかやばいしね。ナチュラルに、好きって感じだし、宗教建築とか、もはやアレは神。しかもさ、イケメン作ってるアバターより、リアルの顔が良くて、なのにゲームで本人は猫だからね」
「なぁレクス、イリスは今、どのくらい話を盛ったんだ?」
「……――それは取り置き、話題と広告費用の話だ。アクエリアは、CMを打ったが特に話題にならず。トルネードは、ゲームサイトとVRゲーム関連全部に広告を出したがみんな背景。デススターロックというベンチャーは黒騎士ファンで、猟犬は鴉羽ファンとの事でコラボ依頼、お金払うし個人的に、という感じで、エキストラは、『あのゼクスもやっている!』とSNSで呟いているからな。しかも鴉羽武器の良さをコラムにあげた。是非うちでも、みたいな。個人で出すところからは、挨拶メールがいっぱい来た。サイトのメアドだ。一度話したかったんですとかファンだとか。そして大手各社は5000万円以上が広告、芸能人起用代は別で700万円以上、俺達は、実は300万円総計くらいだ。っていうか、学習システムのフリー素材、五分の四は兄上制作だったんだな……」
「う、うん、素材はな。え、え? お前ら、それ、ガチで? 俺やりにくいんだけど。恥ずかしくて外を歩けないだろうが……挨拶事実なら、レクス対応頼む」
「しておいた。兄上は、ソロをやりすぎて寝ているので後日改めてご挨拶させていただきますという事実を記載した」
「ぶはっ!!!!」
「みんな超好意的だったぞ」
「うん、動画再生数やばいからね。ゼストとルシフェリアのギルマスで納得っていうか、レベル違った吹いた上には上がみたいな流れ。ヴェスゼストとキャプれる仲とか吹かれてたよ。しかもさ、フレの内容が濃すぎるしね。僕は僕で僕の想定通りの人気プラスで、共同は全部、ゼクスとの勢いで爆発的に動いてる。これはクライス社長の所も。後、ゲーム外だけど、ゼストの小説が死ぬほど売れてる。もう二刷目決まって、30万するって。後発表前でラフ牧師から聞いたんだけど、昨日、アースタロット・オンラインから、ゼクス表紙版を売らせろって言われて、公式で七月終わりに書籍出すらしい」
「真面目にか? え……」
「ハルベルトの生放送コミュニティが、50000人登録越えで、生放送公式枠になったし。アースタロット・オンラインから、公式認定の打診あったらしい。ラフ牧師とハルベルトの件も多分、六月の終わりまでに発表だと思う。何か今逆に『ゼクスと知り合い!?』みたいに彼らは言われているね」
「ゼストが、短編映画か二時間ドラマを撮りたいんだって」
「絶対に嫌だからな」
「――兄上、後な、ヴァーパスから、取材依頼があった」
「え?」
「アイゼンバルドのマキセナ峠の頂上洞窟ボスのソロ希望だ」
「いつ?」
「いつでも良いそうだ」
「いつでもって、今日でも良いのか?」
「無論良いだろうが、露店は?」
「すぐ終わるから、すぐやって、戻る。何か俺必要なのあるか? 俺側もう一応無くて、お前らの確認次第で、今、喋りつつ見たけど、イリスが飾ったの以外変化ない」
「――あ、そうなの? 僕的には、僕もOKで、ゼクスがまだやるかなと思ったんだ。それなら、終わってから打ち合わせで僕は大丈夫だよ」
「俺は見る所から始める……兄上、兄上は何もしていないように感じたが実は全部終わっているタイプだと俺は忘れていた」
「あはは。ヴァーパスには、連絡してみてくれ。俺は、返ってきたら、その時間にボスに飛ぶ。もし返ってこなかったら、まぁ良いや」
「わ、わかった」
こうしてレクスがメールを送ったら、3分後には返信が来た。
「あちらも現地に飛ぶというか、今、飛んで待機したそうで、取材班以外人はいないそうだ」
「了解。装備自由? 何か着る?」
「兄上の好きで良い」
「わかった。じゃあ二人共、行ってきます」
「「いってらっしゃい!」」
さて、現地に飛んだ。ボス前着だ。