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「有難うございます。正直この情報は、これまでアースタロット・オンラインのユーザーを取材した中で一番俺達としては助かりました。露店課金スキルもカンストというのは黙っておくので、検証後公開させてください」
「あ、はい。カンストは、それ、恥ずかしいので秘密で願います」
「あはは。一日、これまで、どのくらい、アースタロット・オンラインを?」
「平均、32時間やって、12時間休憩ですね。十三歳から十七歳までは、夜は制限ありましたが、その間はデザインと睡眠で、朝一番で開始して、また制限までやり、十八歳からは、32時間単位です」
「「「ぶは」」」
「それ、こう、俺達あんまりリアルには踏み込みたくなかったんですが、モデルの仕事に影響とか出ないんですか?」
「メンテ日にまとめて」
「「「ぶは」」」
「それに、俺は、モデルは、母がデザイナーだったので、それで着せられたのと、自分の作った服のモデルを探せなかったので自分できたのばかりで、その後も流れ的には父上の所のピンチヒッターだとかで現在なので、仕事というよりマネキン役ですかね」
「「「ぶは」」」
「俺絶対モデル向いてないです。デザインは大好きだけど、デザイナーも向いてるかは不明です。俺の天職は、実際は、こう、夏しか人のこない別荘の管理人で、夏はお休み、みたいなのだと思います」
「「「ぶは」」」
「いや、あの、影響って、イメージの話で、肉体疲労じゃなくって、クールなイケメンじゃないですか? 今までのトーク、ガッツリ廃神ですが、良いのかなって」
「その、クールってやつは、俺じゃなくて、写真を撮って下さる人がクールにキメてくれるので、俺、なんだか今回フレと写真をいっぱいとったら『話すと違う』『話さないと良い』と、遠まわしに言われて、レクスもそうだし、若干、吹いていて。廃は、最初レクスにバレないようにと思ったら、レクスが廃で、父上とお祖父様も片足をつっこんでいて、なんかもう家族にはバレ、数少ないリアルフレのルシフェリアとイリスは元々廃だし、隠す相手が消滅した感じです」
「「「ぶは」」」
「確かに、のほほーんとしてますが、戦闘時は死ぬほどイケてる猫でした。リア共有は、さすがとしか言えない神々しさでした。若干、モデル起用可能性も考えていたんですが、今回の一連の流れで消えました」
「あはは。俺逆に、モデル起用と、みんなが思ってくれると踏んでいたら、なんだかレクスのサイトとイリスのサイトと、ゼスペリアの教会関係者の寄せ書きにより、吹き飛んだ感があって、気づいたらこうなってました。なんかこう、アバターで装備するのと、リアアバターで装備するのだと、撮ってる瞬間は忘れますが、その他の常時、涙出そうになります。俺、シンプルな服を着るのが好きだけど、作るのはカッチリしたのとかバーンとしたのとかだから……」
「あれは――伝説中の伝説ギルドが再結成ですからね。すごいですよね。さすが、伝説のギルマスです」
「あれ、俺も驚いて。気づいたら、送られてきて。ポカーンって」
「そうなんですか!? 依頼じゃなく?」
「いえ、最初、各職のお店イメージにサイトデザイン使わせてって聞いたらOKで、完成したから、装備つけて写真撮ってって言ったら、ゼストがみんなの所で2ショット取りに行き、そのまんま引き連れて教会に行って、そこで書いてくれたそうです」
「そうだったんですか! 人望があるんですね」
「いや、そういうのじゃなく、フレなので、こう、ノリと言いますか」
「「「ノ、ノリ……?」」」
「あのメンバーって、どうやってのらせるんですか?」
「え? 普通に」
「っていうか、どうやってまとめてたんですか?」
「いえ? 自由に」
「「「ぶは」」」
「普通にフレギルドな流れで、こう、のほほーんと。ただ、攻略時は、同一人物か謎レベルで全員動き早いんです。あいつら何なんだろうって俺よく思いました」
「「「ぶは」」」
「そもそも、俺がギルマスなのは、作った時、俺以外がギルマス嫌だと言って、サブマス立候補もゼロで、俺とルシフェリアが押し付けられて、ゼストが入ってサブマスやってくれて、クラウとハルベルトとイリスは最初から執権でした。義兄弟二人にサブマスやってくれって最後まで粘って、俺とルシフェリアもギルマスじゃんけんして、俺負けて、ルシフェリアは義兄弟二名に負けました。執権は埋まっていました」
「「「ぶは」」」
「その後、ヴェスゼストが入って、ヴェスゼストにギルマスとサブマスをお願いしたんですが、ヴェスゼストもやってくれませんでした」
「「「ぶはぁっ」」」
「そういう流れですね」
「え、ゼクス、さん」
「あ、呼び捨てで全然」
「うん、ゼクス、あのさ、笑わせてる? それ素?」
「え? いや、俺、喋り下手だから、笑われる、なら合ってます」
「「「ぶは」」」
「話しやすい」
「うん」
「いい人」
「いや、そんな。所で、俺も質問良いですか?」
「うん、どうぞどうぞ。答えられるかはわからないけどね」
「有難うございます。今日って、何の取材なんですか? 武器比較?」
「「「ぶはっ」」」
「えっ、と、ねぇ、それもあるし、各職武器がすごいというのもあるし、鴉羽商會が気になっていたのは元々あるし、後は、ゼスペリアの教会のギルマスも気になっていたし、黒曜宮スキル書も気になっていたし、というのがある。後は、ソロボス動画がやばかった。人気とかではなくて、俺達が見た判断で。合成か悩んで解析するレベル。無論、それはあり得なかった。後は実は、PSY融合医療装置は見せて欲しかった。それはかなりメイン。あのさ、展示って、もう終わってるの?」
「医療用は、お祖父様が多分まだいじってるかもしれないですが、聞いてみますか?」
「あ、いや、公開いつ?」
「それは、プレ日で行けるかなと。なんで早まったんですかね?」
「普通にゼクス効果もあると思うけどな」
「うん」
「間違いないよね。プレ日なら、待てる。全店舗プレ日に間に合うの?」
「俺個人と桃花源はもう終わりで、イリスとは明日中に打ち合わせして終わりで、レクスともそうで、父上関連は俺担当分が終わりで、お祖父様関連は、装置と一部の聖遺物納入以外が終わってます」
「すごっ、え、じゃあ、ゼクスの所って、もう見られるの?」
「まだ俺も行ってないんですが、プレが早まったという事は、行けるんですかね? それなら見られるし、VRモニターなら完璧に見られます」
「行けるって聞いた。宣伝になる感じで取材するから、普通に興味から見に行きたい」
「え、良いですけど、逆に良いんですか? なんかこう、載せてもあんまり面白味ないかもしれないです。普通に、要らなければ、カットで」
「あ、うん、ぶはっ」
「面白いよな、ゼクスのキャラが」
「うん、ぶは、よし、行こう」
「コードがこれです。桃花源前スタートでお散歩しますか? 逆側スタートで、イリスの所まで行きますか? 別敷地の父上の所から行きます?」
「じゃあ桃花源で。店舗正面転移で、桃花源の他は、ゼクスの単独だけで良い」
「分かりました」
このようにして、俺達は出かけた。桃花源は、バシャバシャと写真を撮られて、中は特に無く、横の鴉羽商會Ver黒騎士から開始だった。なんだか感動してもらい、バシャバシャと動画&写真を撮りつつ、次々と進んだ。しかし一箇所ずつは、時間が長い。内部行動は早いのだが、やる事が大量なのだ。俺への質問とかは特にない。俺への感想は色々ある。店舗前移動だから、特に誰とも出会わない。その内、俺側もタメ語で良いと言われそうなった。なんかノリがフレになってきた。と、思った時だった。
「ねぇねぇゼクス」
「なんだ?」
「フレ良い?」
「ああ。有難う」
「「俺も」」
「わぁ! 俺これ、対応困る」
「「「ぶは」」」
だって、梟(デススターロックの代表取締役の一人でプロのVRデザイナーだ)と政宗(蜩銘だ。俺以外唯一の生産カンストで、大手と言っていたが、実はまだどこか不明の人だ。多分わざと言っていたのだろう。なお今は橘もいるが)と榛名(虎鉄銘だ。つまり、こちらもデススターロックというベンチャーだ)という、なんていうか、生産強者3名だったのだ。
「けど、俺も話してみたかったので、ちょっとテンション上がった。え、え、何出すんだ? 俺、まだWebとか真面目に見てないからすごい気になる! 見たい! プレに開けるのか?」
「あ、本当? 敵対的にならなくて良かった。ならなそうだから言ったけど」
「別に雑誌に依頼受けて来たんじゃなく、俺達はそっちが本業というか、そっちも副業で、メイン職とそれとゲーム内部って感じだな」
「よろしくお願いします。プレは、今未定なんだよな」
「よ、よろしく! そうなのか」
「あのさ、あのさ、この武器のさぁ、上二十五度って、適用どうやったの? 俺、この立体角度が詰まってて、そこクリアで5つ仕上がるんだよね」
「ええとな、それはテスノラティック技法の70度で二回半だ」
「! え、ちょっと待ってて」
副が消えた。梟だ。すぐに戻ってきた。
「うわああああああ!!! ゼクス有難う!!!」
「いやいや」
「本当に専門家なんだな」
「副にアドバイスしてる人を初めて見るし、存在したのを確認して驚愕した」
「いや、あのね、二人共。こちらのゼクスさんはだね、学習システムのフリー素材のほとんどを作った人だから、シティとかの商品もマークとプリント系デザインを抜き取ると、全部ゼクスさんの素材といえる神様だからね」
「「え」」
「国内どころか、世界的な第一人者だよ」
「いや、そんな、盛らないでくれ……」
「事実でしょ? 俺、そっちの取材もしたいんだよね。むしろ、アースタロット・オンラインでその人に会えた方がびっくりだった。素性聞いて、マジでっ!? って、なった。一番そこで驚いた。昨日の零時以降から、そっちでVRデザイン界隈は、ザワザワしたからね。アンチノワールが神様関連というのは広まってたけど、そもそもアンチノワールと黒騎士は一致してない所多かったし、インテリア部分以外とかも謎だったから。まさか全部ガチ単独本人とか、さぁ! あれが有償だったら、ここの課金露店、多分八割がアウトだよ」
「「!!!!!」」
「いやいや。俺、副のさ、レートレーダシステム使ってる。あっちの方がすごい」
「えっ!? 本当!?」
「うん」
「やばい、俺、今、人生で最高に嬉しいかも知れない……涙出る」
「あはは」
「「何それ?」」
「勉強して」
「「はい」」
「ねぇねぇ、ルシフェリアと橘にお願いして、榛名と政宗と、五人で武器店やってよ。俺、超興味あるんだけど。絶対ね、ゼクス>ルシフェリア=橘>榛名>政宗」
「それ、やるまでもなくないか?」
「ああ。俺絶対その中なら最下位の自信がある。個別と、他スキルだとかもあるし色々」
「んー、えぐってぶっさす系なら俺から橘まではあってるけど、スパッと切りおとす系なら俺とルシフェリアが同じくらいで、なんかこう爆発系なら俺と橘同じくらいだよ。俺が完全に単独で自信あるのは、気づくと終わってる系」
「「「ぶは」」」
「分かるといえば、分かるけど謎」
「表現に吹いた」
「おう」
「あはは。次の店行く?」
「「「行く!」」」
彼らは喋りつつも仕事はしていた。なので、終わったからそう言って、移動した。
その後も雑談&撮影だった。なんだかこう打ち解けた。
というか、これ、蜩(政宗)の大手も多分デススターロックなのだろう。三人、ベンチャーの人なのだと思う。なのでふと呟いた。
「なぁ、雑誌で、会社のやらないのか?」
「なんかこうね、出せるレベルか不安。俺達先方は厳選してるからさ」
「アースタロット・オンライン店舗は見てないからわからないが、十分じゃないのか? 生産レベルとキャリアを俺知ってる範囲。有名だ」
「結構最初は行けるかなと思ってたんだけどね、案外アースタロット・オンラインは手ごわい。ゼクスとかいるし。ただもうゼクスは、ほら、競合とかじゃないからね。みんな挨拶いったレベルじゃないの?」
「んー、レクスは挨拶をいっぱいいただいて、『兄上はソロをして寝てます』とか返したって言うんだ。俺泣きたいんだけどな」
「「「ぶは」」」
「うん、俺らにもそう来たよ。しかも事実と聞いてしまった」
「ぶはっ、あ、逆取材するか?」
「「「え!?」」
「え、何それ良いの!?」
「すごい俺それ夢のようだ」
「俺もだ……」
「うん。後、黒曜宮クラフトの案内所にも看板追加させてくれ。一緒にインタビューも流す。後、レクスとのサイトと、黒騎士VRにインタビュー出す感じで、デススターロック。なんなら、橘も呼んで、カンスト雑談コラムとか付けるか?」
「ぶはっ、いやそれ、クオリティが俺だけ違うからやめてくれ!」
「そんな事無いだろう。それに副とか、イリスがチェック入れてるし、多分レクスも好きだ。装飾具。榛名の武器はルシフェリアがチェック入れてるし。桃花源でインタビューも良いかもな。ただ、とりあえず、今日は、三人With俺。あ、もし他の人呼ぶならそれもOKだ。プレに間に合うように、今日が良いと俺は思う」
「やばい、プレ、超迷ってたんだけど、やる気が再燃した」
「おう。様子見案に心揺れてた」
「俺は幸せだ……っていうか、本当は、黒騎士のデザイナーと、モデルのゼクスが見られて幸せだ……」
「あはは。お前らの店舗でも良いし、俺宅の黒騎士デザインオフィス再現の場に商品持ち込みでも良いし、アンチノワール商會でトーク風も良いし、後、家ならVRスタジオ俺いくつかあるから、そこでお前らの雰囲気に近いのも良いかもだし、逆にそちらにあるならそれでも良いな。インタビューは、ビュアー俺やるから、他、そっち加工して、制作はヴァーパスとして、俺のオリジナル撮影プラスインタビューを挟んで、三人コメとかもありだな。どうしようか?」
「オリジナル撮影とインタビューお願いします。っていうか、作って良いとか有難う……オフィスは、俺のVRスタジオ用意するけど、アンチノワールのインテリアと、黒騎士のアイテムとか貸してもらえたら泣いて喜ぶ」
「了解。何か、希望アイテムとかあるか?」
「――アンチノワールがD8シリーズ全部、9Fgの6から8と、RRr5のXセットが希望とかだけど、流石に」
「あるある。大丈夫だ」
「えっ!?」
「課金側は、いくらでも大丈夫だ、逆に。あげる」
「「「え!?!?!?!?」」」
「あはは。黒騎士は?」
「――東京シティのゴス全部」
「指輪は、な、黒十字同盟で出すんだ、内密だ」
「おお! マジで!?」
「俺即購入だわ」
「了解、大丈夫! 指輪以外お願いします!」
「うん、わかった。フレコードの経営通信で、送る? 企業同盟する?」
「「「良いの!? 同盟したい!」」」
「良いよ、今申請した」
「有難う!!!」
「「神様だ!!」」
「いやいや、店舗位置、見ても良いか? 外装とか撮るかも」
「うん。データも本当に感謝! こっちの準備を入れて、二時間後に連絡します!」
「了解です! じゃあ一回解散しよう」
「「「はい!」」」
こうして俺達は、別れた。