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「――というのがあったんだ。レベル上げみたいだな。デザイン練習室の外部再現装置から、VR無しの半仮装接続で、視界設定を外投射で出来るから、やってみてくれ。一応、俺とお前の今使える枠は、俺が入れておいたけど、50万セットまで以外は動かしてないからそれと名前から後で決めよう。5店舗分敷地抑えてあるけど、レクスもそれ以外にもやるなら取っても良いし、適度にいじってくれ。銀行投資コードの会社制限は他のヴァーチャル参入と同じだった。だから、もしやるなら、取った後の資金投入は、俺側から引き落とし設定で良いからな」
「兄上、本当に有難う……それと、VRが本当に価値観が変わるレベルですごかった……やりやすいしリアルになったし綺麗だし凄すぎる……俺もうそれだけでも泣きそうな上に、制限も無いし、課金も自由だし、出前も取れるし、なんだかもう夢のようだ……」
「はは。一度やるとクセになるよな、あのグラフィックボードは。体感とかも」
「そうなんだ。もうアレ無しは考えられない程だ」
「そうか」
「それとデザインを試させてもらったんだが、難しかった。俺にはセンスがない」
「そんな事は無いだろう」
「いいや。オリジナルの武器を作ってみたかったのに作れないんだ」
「作ってみたい、というのがあるなら大丈夫。なんというか、既存武器のインプットをして、センスはその後発揮するんだ。アースタロット・オンラインというより、世界ファンタジー武器事典だとかを見る。それを見たら、模写をしたりして、その後で、センスを発揮した細部にしてからの、オリジナル武器という流れだ。資格のVR内部環境に、そのまんまの幻想武器というデザイン検定があるから、ソフト操作を覚えた後は、総合のデザイン検定は飛ばして、幻想武器の部分だけやると良いかもな。それ終わる頃には、デザイン検定の3級くらいまで出来るようになる。幻想武器のVR講習が終わった段階で、アースタロット・オンラインの10万円セットのデザイン適用に、もう使えるレベルになる。だから、チラッと幻想武器やって、やっぱりそれでも微妙だと思ったら、別のにしても良い。一個集中が得意ならそれが良いし、複数並行が得意なら、VR環境の料理とインテリア部分もやると露店的に楽しいかなと俺は思うな。やってみるか?」
「やりたい。武器がやりたい」
「じゃあレクスのデザイン室に行こうか。今大丈夫か?」
「ああ! 有難う!」
こうして出かけて、俺はレクス用チェアの前のテーブルに、二個コーヒーを置いた。
レクスも俺も、普通の椅子に座っている。まずは外部接続での講習だ。
モニターに、VR内部再現の映像が映った。
装置やソフト操作ではなくて、幻想武器事典を出した。学習資料データベースである。そして、1つを選択して(レクスに選んでもらった)から、パターン図を出した。これは学習システムである。
そこに、俺がデザインした事のあるデザイン図を上に出して、その場合のパターン図を出した。事典の内容物は全部作ったことがあったりするのだ。
出来の良い奴と、俺は保存魔なので、初めて作ったなんかこう歪んだ包丁にしか見えないのを出した。
「これが、練習した結果、上の方の見栄えになった。ちなみに、デザイン検定だから見た目以外の効果は同じだ」
「兄上でもこういう時期があったのか。なんだか自信が出た」
「あはは。大丈夫。インプットしたらなんとかなる証明だ。アースタロット・オンラインに存在しないような種類でも、覚えておくとインテリアで転用とかもできるし、この学習システム内部の資料はフリー素材だから、このままの形でお店に出しても怒られない。多分、今回の参入企業の武器系は、結構これをそのまんまの所がある。同業者情報だけどな。そこに自社のマークや、個人の碑銘だけ入れる形だ。その場合は、マークにセンスを発揮するのかもしれないな。内部の生産スキルの高さが露骨に出ると思う」
「そうなのか!? じゃあ本当に、これを覚えたら、10万円セットのデザイン適用で売れてしまうのか!?」
「多分な。アクエリアって会社は、この前デザイナー求人で、アースタロット・オンラインでこのデザインの武器販売するからって言って、国内の資格者学会メンバーにメール一斉送信していたよ」
「アクエリア!? VR最大手だろう!? オリジナルじゃないのか!?」
「大きさは最大手かもな。だけどあそこ、基本的に商品は全部、検定資料だぞ」
「えっ!?!?!?」
「オリジナル商品は聞いた事が無いな。あそこは、世界中に支店があるけど、全部検定資料だからな。ゲーム関連もインテリアも家とかも」
「知らなかった……」
「まぁマイナーな資格だし、資料も中々普通は見る機会もないから。レクスが覚え終わったら、あそこになら1件500万円くらいで即採用される事も可能だ。モデルよりバイト代高いぞ。高校生以上の年齢だけど、そうなるまで練習しておけば良いしな」
「!!!!!!」
「まだまだVRのオリジナルデザイナーは少ないんだ。趣味と実益的に楽しくやろう――一応料理とインテリアはこういう感じだった」
「頑張る――インテリアは武器と変わらないが、料理は上手いな」
「料理は、他と違ってデザインだけで、パターン無しのぶっつけ本番なのが逆に良かったのかもしれない。レシピは量産できるが、全く同じ品を量産しないからな。素材は量産だが。ただ料理は、個人店は特に資料からの転用が多いと思うから、逆に料理系は最低限ここは押さえておきたいという感じだな。かつ、アパレルとインテリアが四割・四割で二割が料理、これがVR独自展開の国内内訳だ。チェーン店とかファーストフード店とかは出すと思う。今のVRショップ街のどこにでもありそうなお店だ。全体だと、アパレルのみ新規参入がかなり多い。インテリアとその他は、学習システムの資料に自社マーク企業が大部分だろうな。他に、アクセとかカバン、靴で、個人デザイナー。これは今回からVR開始も結構いるだろうから、データ転用で自社製品かな。ただ、それを入れても、オリジナルは規模小さいだろうから狙い目だ。さらに武器系は、内部スキルに依存するから、オリジナルデザインはほぼなくて、企業マーク付きが八割くらいじゃないかと俺は思う。出店内の話で、販売個数とか売れ行きとかじゃないけどな。だからレクスが頑張れば貴重なオリジナル武器店となる可能性が高い」
「が、頑張る……!」
「ああ。あんまりこんをつめすぎず、適度に息抜きもするのがデザインのコツだと、俺は聞いたことがある。それと使い勝手とか、見た目と持ちやすさとかというのは、実際にゲームをした方が確認しやすいみたいだから、逆にゲームを忘れないのも大切かもな」
「それは大丈夫だ。正直、デザインの方に興味が1くらいだったのが、昨日の兄上との話で5くらいになり、今朝やってみて15くらいになったのが、今、一気に30を超えて、このまま行くと45くらいになりそうなのに自分で驚いているが、ゲーム熱優先だ」
「あはは。そうか。今日はゲーム予定は?」
「十二時半からギルメンと待ち合わせをしていて、七時前に抜けて、終わり次第戻る予定だった」
「今、十一時手前だし、それなら、夜の会議今やるか?」
「良いのか!?」
「うん。柔軟にな。じゃあ、下に行こう」
「有難う!」
こうして俺達は移動した。そして中央に共同の画面を出して、個別モニターはそれぞれ持った。個別には、自分データを出せる。
外部でもフレ登録が可能なので、俺はここでレクスとフレ登録をした。
俺もレクスも本名で、『ゼクス』と『レクス』である。
「兄上もアースタロット・オンラインをやっていたのか? インストールしてあったからそうかもしれないとは思っていたが。登録番号が俺よりも古い」
「あはは、まぁな。だから生産も、内部のも作れる」
「さすがだ! 生産は何をしているんだ?」
「一通りだな。レクスは?」
「俺は、薬剤と武器と装飾具とスキル書を上げてる。ただ、スキル書は始めたばかりというのもあるが、レベルも全然上がらないし、5レベルだ……他が高いわけでもなくて、武器が30レベル、装飾具は54だ。薬剤は70になった所だ」
「高い方なんじゃないのか? 春の公式発表で、スキル書は、10レベル以上が300人くらいだったし、武器は50レベル以上が2000人、装飾具は50レベル以上が500人だろ? 薬剤と料理は、70以上からは、『上級者』なんじゃなかったか?」
「それはそうだけどな……上には上がいる」
「あはは、そうか。目標は?」
「武器は、100を目指している。無論、まずは後二十レベル上げて50レベルになりたい。ちなみに目標は、装飾具は50だった。薬剤も70だった。この二つは目標達成だ。スキル書は、まずは10レベルが目標だ。10レベルで回復スキルをスキル書にできるからな。初級ではあるが」
「なるほどな。個別は?」
「武器系は装飾具との重複も含めて28〜53だ。武器レベルと一緒に上がっているものもある……全然上がらない……職よりも生産がマゾイ……」
「まぁな。それは俺も思う。職は何をやってるんだ?」
「死霊術師だ。キャラは、315で、死霊術師が302だ。やっと上位になった……」
「日本に来てからだから、二年半くらいか?」
「ああ。来年の春で三年になる」
「すごいな。早い」
「頑張ったんだ。ユレイズを開放したのは、俺のギルドだ」
「そうなのか! レッドクロスだったか?」
「そう! そうだ。兄上知っていたか?」
「ああ。すごいな。黒十字同盟というお店クランって、レッドクロスの関係って聞いたことがある。知ってるか?」
「それ、俺の所だ! 逆になんで知っているんだ!? ギルド名は兎も角!」
「装飾メインのフレ――まぁPOTの方が売れてるんだけど、そのフレが、装飾具出してるお店クランと個人露店はチェックしてて、50レベル以上の500人のお店はチェックしてたんだ。だから俺の中のユレイズのイメージは、黒十字同盟で、レッドクロスイメージも、開放より黒十字同盟だった、なんか。レクスの所っていうのは、レクスがやってるのか?」
「そうなのか、なんだか嬉しいな。ああ、俺とリアフレの二人でやっている。ギルドも同じだ。ただ、お互い未成年だから、保証人がいないと、参入店は出せないんだ。兄上……なってくれないか?」
「ああ、良いよ。ログイン前に、フレに連絡取れるなら、今先に枠だけ作るか?」
「頼む! 連絡は後で良い!」
「そうか? 今、5枠とってあるけど、お前・黒十字同盟・フレで、3つ作るか? 保証人個別でもやるよ?」
「お願いする! わーん、有難う!!!」
「位置さ、隣り合わせをお前らにする? それとも、三つの所に、三つ置く?」
「三つの所で頼む!」
「了解。50万円セットで3つ立てるから、フレからの徴収分は、黒十字同盟で使って良い」
「兄上……本当に有難うというか、お金持ちだな……50万円だぞ? 確かに俺にも出せなくは無いが、俺なら知らない人にポーンとは出せない額だ」
「あはは。『レクスくんのお兄ちゃんセレブっ!』みたいなイメージ作りだ」
「ぶはっ」
「後二箇所か。一箇所は、俺とお前の共同として、もう一箇所は、黒十字同盟と、アンチノワールか黒騎士のコラボでもやるか?」
「えっ、いいのか!?!?!?!? やりたい!!!」
「ああ。どちらでも良い。フレと、どちらとやるかと内容を話しておいてくれ。先に俺とお前の共同の話をしてしまおう」
「分かった! うわあ、楽しみだ! 共同は――……昨日の話で、俺はカフェか衣類なのかとまず思っていて、兄上だからアンチノワールの服かなと思っていたんだ。やっていると知らなかったから、生産スキル皆無で可能な品物だ。それで、俺は武器がやりたかったし、少しは武器スキルがあるから、武器を考えていたんだけどな、現実的に俺が装飾具を作って、兄上がデザイン適用かと考えていたんだ。けど、兄上も生産スキルがあるんだろう? だったら、何でも良いのか?」
「ああ、大丈夫だ。カフェや衣類じゃなくても良いし、レクスが装飾具で俺がデザインでも勿論良い。俺がカフェと昨日話したのは、こう、買い物って疲れるから休憩する場所くらいのイメージだから、お店としてじゃなくても、コーヒーサーバーを設置とかベンチとかでも同じだ。衣類は、うん、アンチノワールにも黒騎士にもあるというのと、俺もレクスのスキルを知らなかったから、オリジナルデザインの例的な感じだ。装飾具だと、幅が広がるよな」
「そうだったのか。なるほど、確かに良いかもな――そうだな、装飾具は、黒十字同盟で出したい。兄上デザインの場合は、コラボ店の方で。それで、武器……これを俺の個人店で出すのは不安があるから、できれば俺と兄上の所が武器が良い。俺個人の所は、薬剤POTとスキル書を、低レベルだが置く。格安で。多分需要はある。低レベルスキル書は、それはそれであるんだ、需要が」
「なるほどな。スキル書高いし、逆に高レベルしか売ってないから、売っていても使えなかったりするからな。よし、じゃあ武器にするか」
「ああ! ただ……正直、高レベル武器店を作れないけどやってみたいし、需要不明だが初心者武器店も興味ある。250〜280武器店とか280〜300とか、300以上とか、全く作れないけどやってみたいし、夢は死霊術師専門店だ。装備全部。けどこれを言うなら、こう、貴族風衣装店とかやりたい。今のアースタロット・オンラインのデフォルトの貴族衣装のオリジナルデザイン。服飾スキルないけどな……ああ、やりたいことはいっぱいあるが、スキルが無い!」
「なるほど、面白そうだな。俺も地味に和服やりたい。僧侶店とか職自体人口少ないけど面白そうだ。じゃあ、もう一列――あ、6つ空いてるから、全部取れた。うん、ここに、貴族衣装・和服・僧侶・300以上武器・280〜300武器・死霊術師にしよう。共同はちょっと置いておいて、もう一列――こっちに初心者武器・初心者装備・250〜280の武器・250〜280の装備・200以上武器・200以上装備をオリジナルで置いて、次が4つ空いてるから、聖職者・暗殺者・魔術師・錬金術師、その次の列が5つ空いてるから、召喚術師・鉄盾師・冒険者・忍者、その他のゲーム風衣装1店舗、これでどうだ? 職業網羅」
「えっ、俺は良いけど、待ってくれ兄上。一つ、作れるのか? 二つ、金はあるのか?」
「両方大丈夫だ」
「は? 金はともかく、300以上武器作れるって、武器レベル320以上という事か……?」
「YES」
「あ、あ、兄上……春の発表で、6人しかいなかった……ルシフェリア・鴉羽・橘・虎鉄・蜩の五碑銘だ……生産者の伝説だ……誰だ? ルシフェリアじゃないのは分かる。虎鉄が武器のみで、他をやってないというのも聞いたことがある」
「俺達の共同の前の列にお店がある。名前の発表無かったけど、なんでだ?」
「――!!!! 鴉羽!?!?!?!?!?」
「YES」
「えーっ!?!?!?!?!? 嘘っ!?!?!?!?!?!? あ、あ、あ、あ! というか、え!? 紫月って桃花源のイリスだろ!? なんでアンチノワールと一緒に!? いや、え!? ヴァイオレット・ムーンも紫月も同じマーク置いてあるけどイリス!? あれ!? えっ!? と、と、と、と、と、いうか、桃花源、ルシフェリア!? 兄上、兄上、ルシフェリアと一緒にやってる鴉羽商會と鴉羽クラフトの鴉羽銘が兄上なのか!? ルシフェリアを知ってるのか!?!?!?!?!? 生産カンスト二名って、鴉羽と黒曜宮と橘と蜩の説があるけどどれなんだ!? えーっ!? というか、兄上、キャラ名がゼクスだ。本名だ。とすると鴉羽は、銘だけなのか!?!?!?!?!?!? 黒曜宮もアンチノワールとコラボしているというのは、知り合いか!?!?!? っていうか、桃花源店舗もある!!!! え、これっ、声かけか応募か!?!?!?!?!?」
レクスのテンションがやばかった。なんか逆に焦った。
「イリスも本名で、ヴァイオレット・ムーンのデザイナーだ。リアル&VRの。それで、ルシフェリアとイリスは、俺の大学の同級生でVR専攻だ。三人で桃花源をやってる。鴉羽銘が武器、黒曜宮はスキル書ペンネーム、鴉羽商會が桃花源内部俺店舗、鴉羽クラフトが個人露店。生産カンストは、俺と蜩という人のはずだな。橘は武器系は320からあげてない。あんまり好きじゃないらしい。課金きたから上げるかもしれないとは言ってたけどな。蜩さんという人は、個別はあんまりあげてないから、実は250レベル武器くらいまでっぽいな。武器のもう一人のカンストはルシフェリア。ルシフェリアは、こういう感じで知り合いだけど、なんで?」
「黒曜宮も兄上なのか!?!?!?!?!? 俺、最初に言われる前に、露店見てて、スキル書出すの気まずいけどアンチノワールとやってるなら怒られないかなとか、武器出すの鴉羽商會あるから気まずいかなとか思ったけど、伝説に会えるならばそれも良いとか思ってたのに兄上なのか!?!?!?!?!?!?」
「う、うん、まぁな」
「すごい!!!!!!!!!!!」
「あ、あはは……」
「すごい……だって、鴉羽は、生産界隈における、ゼストやルシフェリアのような存在だ……桃花源は、ギルドでいう、今は無き『ゼスペリアの教会』のような存在だ……ゼストとルシフェリアがサブマスだったという伝説のギルド……ヨゼフとアイリスを開放し、アイゼンバルド開放ギルド連合のギルマス全員そこの出身。クラウとかハルベルトとか……」
「違うギルドのギルマスのギルドもいたと俺は思うけど、忘れたな。まぁ、お店クラン実装時から桃花源はあるからな。お店クランの実装と、ギルド実装って同じ時期だから、伝説級に古いのは間違いないかもな」
「すごい、すごい……うわぁ……テンション上がった。ち、ち、ちなみに、ルシフェリアってどんな人だ? 俺、大ファンなんだ。言わないでくれ」
「ぶはっ、そうだったのか。強いて言うなら、そこの個人VRチェアの開発者だ」
「ええええええ!?!?!?!?」
「だからいっぱい貰って、この家にあるんだ」
「そ、そ、そ、そうなのか……っ、わー!!!!!」
「ちなみにゼストはイリスと同居してる小説家だ」
「え!?!?!?!?!?!?」
「従兄弟って聞いたな。ほら、一昨年大きな賞とった、この前ドラマ化されて、アンチノワールの服使ってくれたドラマ」
「悠久の砦!?!?!?!? まじで!?!?!?!?」
「それそれ」
「す、すごい……ゼストととも知り合いなのか!?」
「まぁな」
俺は笑った。っていうか、俺がギルマスで、ルシフェリアとゼストがサブマスだ。
しかもゼストは俺に憧れて始めたとか言っていた上、俺が支援したのだ。フフフ。当時からハルベルトがブログをやっていて、そこで俺情報を見たらしい。
ゼストもゼストブログで有名なのだ。
ルシフェリアは武器生産情報サイトをやっていて、そこのブログにプレイ日記をつけているから、レクスのようなファンがいるのである。
クラウとハルベルトもフレだ。橘は生産情報サイト、イリスは生産メインのブログ、彼らもまた有名人であるが、俺のフレだし、橘は俺を師匠としている。ゼストが戦闘、橘が生産の弟子だが、まぁ弟子っていうか、フレである。
俺の方が先に始めていただけと言える。あと、有名人だとヴェスゼストとかもフレだ。ヴェスゼストはゼストの弟子だ。ルシフェリアの弟子の義兄弟二名もフレだ。この三名もゼスペリアの教会にいた。
だが、こんな話をしていたら、進まないだろう。
それにレクスのテンションがやばいので、俺はレクスとフレ関連の4つ、俺との共同1と各職10と武器系5、装備系3、衣装系3の合計26店舗に50万円×3と5000万円×26を投入して、自分キャラ資産は5000万円に戻した。
俺、すごいお金持ちである。これには、他に理由もあり、VRは世界共通だから、ドルとかユーロとかでも大量にお金があるので、無くならないという理由もある。
「さて、用意は終わった。十二時半までしかないから、今後の準備的に、傾向は決まったから、共同店はちょっとまた練るとして、店名を決めよう。後は、ブランド名とか武器には銘、会社のオリジナルマークとかは後でとして、名前は決めよう。一緒にやる所は、全部系列店でも良いし、全部変えても良いそうだ」
「兄上すごい!! 有難う!! なんだか俺、今、人生で一番テンション上がっているかもしれん……伝説が目の前に……」
「ぶは」
「――ええとな、俺、『ハーヴェスト』が使いたかったんだ。共同と、武器&装備の8店と衣装系3店舗、ハーヴェストにしたい。銘も。和服は兄上、どう思う?」
「ハーヴェストにして、銘だけ『黒曜宮兄弟』とかにするか?」
「ぶは、良いのか? それ、ちょっと、俺嬉しい」
「ああ、良いよ。後は、各職10だな」
「これは一つずつ分けたい。専門っぽく、差別化だ」
「良いな、それ」
「死霊術師は、『ファナティック・ゲート』が良い。『狂信者の扉』……俺のサイトだ」
「良いんじゃないか? そうだな、んー、聖職者は『ロストエデン』で、魔術師は『ユグドラシル』は、どうだ? 失楽園と世界樹。350レベル武器レシピで、俺とルシフェリアしか作れないから、なんかこう、専門っぽいかなって。後、暗殺者は、ゼストに今から連絡して、あいつのサイト名の『チェイサー・イン・ザ・ダーク』を借りて、『闇の追跡者』にしよう――あ、OKって返ってきた。むしろテンションが上がっている」
「!!!!!!!!!!!!」
「それで、僧侶は、『涅槃』とかか? こう、極楽っぽく。桃花源からのイメージだ。錬金術師は、『メルクリウス・ハウス』で『蛇の棲家』は? これは適当に決めた。後何がいいかな」
「ゼ、ゼスト……俺は心臓が止まりかけた……うわぁ……」
「あ、ルシフェリアが聞いたっぽくて、『アークロイヤル』使ってくれって(笑)とかで送ってきたから借りよう。鉄盾師が良いっていうから、そうしよう」
「!?!?!?!?!?」
「良いか?」
「勿論だ!!!!!」
「使うと返した。後は、冒険者と忍者と召喚術師か」
「――忍者と聞くと『ルナティア・スカル』だけどな……」
「義兄弟が二人でやってる所か。聞いてみる」
「えっ!?!?!?!?」
「OKだった。弟がいた。兄はイン中らしい」
「知ってるのか!? かつ、その二人もゲーム外連絡できる仲なのか!? ルシフェリアが二人と親しいというのは知ってる」
「地味にな。じゃあこれで、『ルナティア・スカル』は『狂月の髑髏』だったな。ええと、あと二つ。何がいいかな。なんだろうな」
「350レベルの召喚獣に、『ハンプティダンプティ』がいるんだろう?」
「ああ。じゃあ、そうだ『マザーグース』にするか? 『暗黒童話店』とか。ハンプティダンプティのマークで」
「それ、良いな! かっこいい。冒険者は――……『エクリプス・ソウル』で『日蝕』が良い」
「決まりだな。じゃあ、俺、こちら側だと店舗デザインとか普通デザインとか入れておけるから、適当に例として入れておくから、次の会議でハーヴェスト本店と、入れておいた例からの詳細決定をしよう。いつが良い? まったり作業予定だけど、六月十五日から非公開搬入が可能で、あと残るは十日だから、一回、今週中の三日以内に打ち合わせしたい。その次の一週間は、最初三日はガツガツ直しと詳細決定を完了して、残り三日で全部完了して、一日予備で、十五日を迎えたいな。希望としては。それで六月の二週間は、実際の店舗確認になるから、VR内部からだな。かつその内の最初の一週間は、VR内部のアイテムとデザインの一致確認と動作確認をしたいし、最後の一週間は、イリスとかとも多分俺は会議予定のはずだ。それで七月一日にプレオープンして、七月の八日から正式公開。レクス的にはどうしたい?」
「俺は、今夜、明日明後日も夜一回と、できれば朝も一回、兄上と話したい。その後三日ガツガツと完了はOKだ。六月の残りの二週間は様子を見てだが了解で、その後もそれで良いというか理想だ」
「俺は今夜と明日明後日の朝夕大丈夫だ。何時が良い?」
「兄上は、ご飯って何分くらいで食べ終わるんだ?」
「三十分くらいか? うーん、急げば急げるし、もっとゆっくりも大丈夫だけどな」
「じゃあ10時に俺も顔を出すから、食べつつ打ち合わせというか俺の相談を三十分と、夜は七時から一時間半、八時半まで二日間。今夜もそれが良い。その時間は、食事でギルメンが抜けやすいんだ」
「ああ、なるほどな。分かった。じゃあそういう事にしよう。夕食は食べながらじゃなくて良いのか?」
「――食べながらが良いが、食べた後、画面を見ながらが良い。できれば画面を見ながら食べたい」
「ぶは、ああ、分かった。じゃあここで軽食を食べつつとしよう。朝は?」
「朝もそれが良い。それでOKなら、朝も一時間程度欲しい」
「分かった。まぁ、気楽にやろう」
「有難う! デザインの自己学習は、朝食までにやって、分からないのも朝聞く予定だが、この三日間は不明だ」
「うん、まぁ、焦らずにな」
こうして俺達は、十二時半を少し過ぎてから、解散した。