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後はそこから、俺は、今回は、300レベル装備から開始して、ガシガシとデザインしていった。20個、30個、30個、1280個が、各レベル武器である。
完全オリジナルは、あえてない。
見ればその武器だと分かる範囲内である。
これ多分、見た目が350レベル武器だけど、中身レベル10とかの、詐欺が出そうだなとふと思った。
ちなみに、登録したデザインやマークは、パクれないようになっているから、その辺の心配はない。色を変えてマークを入れて、布をつけたり模様をつけたり、若干ギザギザを変えたり、光沢を変えたり――超楽しい。
ハマったので、その日は、午後もデザインにした。
柔軟っていうか、集中力の問題である。レクスには、分からないと言っておいて良かった。俺はゲームもこちらも、やると一気なのだ。
そのまま午後五時までひたすら武器をやり、武器がひと段落したので、次に衣装だ。衣装に関しては、前から『ここがこうだったら良かったのにな』と落書きしたものとか、イリスとの共同に出そうか迷って没にした方とかがかなりあるので、サクサク進んだ。250〜280までが一番俺の幅にない。
俺は、280〜350、特に300以降ばっかりフレにも頼まれるからというのが大きい。280代からは、各職だとフレに頼まれたり、フレのギルメンとかもいるのだが、250〜280があんまりいないのだ。
200〜250は、さらに無い。ただこの200〜280が、イリスとの共同のお店の第二ターゲットだから、ボツ案はいっぱいあったのだ。
あちらの第一ターゲットは、50〜150である。多分、ほとんどのお店がそうだとは思う。それで、第二になったから、予定数より使う数が減ったので、鴉羽クラフトとかで出そうかと思っていたのを、こちらに転用したというわけだ。
それで、初心者装備は、実は初心者とはレベル制限で、そこまで装備できるアイテムは多くないので、そこまで時間はかからなかった。結果、七時一分前に終了した。別に戦っていたわけではないが、夕食までに終わらせたかったので、やりきった感があった。
用意状況は、昨日夜から変化無しなので、レクスにはそのまま言えば良い。
デザイン適用が、これでOKならば、後は、無いアイテムの生産&各職&家だけである。
外に出ると、レクスがご飯を用意していてくれた。
「有難う!」
「いや。兄上、無音だったからVRにいるのかと思って、一瞬探してしまった」
「悪い、集中すると周りが見えないらしい」
「良いことだな。俺も同じだ」
「あはは、そうか。お祖父様からの血筋だな」
「そうかもしれないな」
「いただきます」
「いただきます――デザインは順調か?」
「そうそう、今な、ひと段落したんだ。こんな感じだ」
「兄上がキラキラしている。本当に好きなんだな」
「まぁな」
「――!!!!!!!」
「どうだ?」
「え、ちょ、待ってくれ、これ――各職以外のリスト全部か!?」
「YES」
「ぶはっ、え、っていうか、何これ、すごい。クオリティやばいだろう……これ、値段どうするんだ?」
「それはレクスが決めてくれ。我ながら良い感じだ」
「良い感じも何も……神がかっている……これは、しかし、服に着られる場面が目に浮かぶ。服が素敵すぎる……そ、そして、武器……武器! 武器!!! わーっ!!!! かっこいい!!!!! あのだっさい聖職者の初級癒し杖が、死ぬ程かっこいい。なんてマジックだ。この発想は無かった……木の枝が、長くてかっこいい十字架になっている……うわぁ……」
「それは数少ないオリジナル武器だな。確かに、癒し杖の木の枝っぷりは可哀想だよな」
「ぶは。というか、全部オリジナルに俺には見える」
「そうか? ちょこっとしか変わってないぞ?」
「――いいや。VRシティデータを見て、自分でも接続してチェックしてきたが、オリジナルを謳っている品の大半は、学習素材の色を変更して、自社マークを入れただけだった」
「ま、まぁな。うん、そうだな」
「アンチノワールのオリジナル家具が人気の理由が非常によくわかった。リアル共用インテリアはいくつかのブランドが存在するが、共用品が本当にオリジナルであるブランドは、輸入以外はほぼゼロだ。また、VR内部デザイン限定の黒騎士。内部限定で、模様以外のデザインをしているのは、国内に7社。黒騎士とヴァイオレット・ムーンがその内の二つだ。他は、ハンコだ。学習素材にペタン。場合によりお絵かき。ちなみに残り五社は、1社が父上の傘下、1社が外資、もう1社が『アンジェラス』という企業だが、知ってるか?」
「ああ。あそこはな、VRデザイン個別技能検定の衣類スコア200点以上が登録して出してる共同店舗で、お前、橘知ってたか? 橘があそこの取締役の一人のはずだ」
「そうなのか!?」
「うん。ただ、橘は、アンジェラスでは出さないって言ってた。今、名前だけ役員って感じみたいで、普段は紅茶の輸入の会社経営をしているみたいだから、そっちの自社と内部のお店クランとかで出すみたいだな。料理系とカフェ出すって聞いた。他は様子見みたいだな。アンジェラスに入っている人は、各自出すかもしれないな。って言っても、合計で30人未満で、その中でアースタロット・オンラインやってる人が何人いるかは不明だ。子供服デザイナーが多いんだよ。リアルの子供服の『ワグナー』って会社のデザイナーが内19人って聞いた」
「そうなのか。とすれば、イリスの所は競合店というわけでも無いし、父上の所はオフィス・スーツ系だから、今後父上関連が出すとしても、その場合は先にやっているこちらと競合しないだろうし、気になるのは外資だな。既に他のゲームに出店経験がある。交流系5つ、パズルゲーム系3つ、MMORPG系が2つ。武器は、二つ共、トップ人気だ」
「それ『トルネード』だろ? エグナンスの方は、な、初期にルシフェリアがバイトで作った武器が10個くらい大当たりしたんだ」
「えっ!?」
「けど、しつこいから、ルシフェリアがその10個の契約で切った。ただ、一応、エグナンスではそのままトップシェア。次のマキシマム・デッドコースは、アメリカ産のゲームなんだけどな、アメリカで外部参入している武器デザイン会社から国内の販売権を購入して販売してトップシェアだ。ちなみに販売物の内2個ルシフェリア、1個俺。俺達爆笑した。トルネードはやり手だ。笑わせるの上手すぎる。同じことを衣装デザインでもやってて、エグナンスは、イリスと橘が、一回やってやっぱり切ったのが両方当たった。それで二個目はこれも利権買ったんだけど、イリスと橘の服が3着ずつ。吹いた」
「ぶはっ」
「今回、生産者に一斉送信メールを最初にしたのもトルネードだろ? もう一個は、ほら、最大手と言ってたアクエリア。その一日後に、ウィング・ジャパン。ウィング・ジャパンは、社内でVRデザイン検定義務あるし、ハンコ&お絵かきだけど、これをオリジナルでできるだけで、トルネードと素材の味を生かしてるアクエリアよりは上だろうとVRデザイナー仲間は話してる」
「ぶはぁあっ、素材の味っ!!! ちょ、兄上、むせた」
「あはは。ただ、ニュースでも『アースタロット・オンラインにアクエリアが参入!』とか『人気ゲームで注目を集めるトルネード、アースタロット・オンラインに参入!』とか言ってて、その時にもう一社上がる名前が『ウィング・ジャパン』で、この三つは、俺達も流れが楽しみだ」
「そうなのか。ウィング・ジャパンが、比較的にマシな競合店か?」
「どうだろうなぁ。まず、アクエリアは、おそらく安い上に、生産レベル不要物は安定しているクオリティだし、生産者で応募した人もいるだろうから、見た目は素材転用でも結構良いのもあるだろうから、意外と強いと思うぞ。ほら、絶対に安全な聞いた事のある大手の商品っていうんだろうか」
「ああ、なるほどな」
「ここがさ、200円で出した机と、同じなのに1000円とかだったら、200円しか売れないだろうしな。逆にアクエリアが入るって分かってれば、素材使う連中も、最低限自社マークには気合入れるから、そういう意味では良いかもな」
「ぶはぁっ」
「それで、ウィング・ジャパンは、ハンコ&お絵かきだけどな、フリルとかなくてもさ、絵のリボンとかでも雰囲気出るから、本気出すと何系でも対応可能だし、凹凸無しなら、下手くそなパッチワークより、ここが上手い。だから、個人デザイナー系とここは、実は良い勝負か、ウィング・ジャパンが上なんだ。ポケットつけるより、ポケット描く方が楽だし、描くの慣れてるから、本物に見えたりする」
「なんというか、勉強になるし納得したんだが、兄上が笑いながら言うから俺、吹き出しそうだ……」
「あはは。で、実はその、ポケットつけたい系が、トルネードなんだ」
「ぶはぁっ」
「けどな、内部に、デザイナーが多分、一人か二人しかいなくて、かつ、リアからの参入っぽいから、VRスキルが弱いんだと思う。多分だけどな。ただ、今回ほら、デザイン転用スキルがあるから、今までよりトルネードも多分やりやすいはずだ。他のゲームは、内部環境で自分で構築が多いから、外部で持って行けなかったのもかなりあるはずだ。交流系とか、シティとかだと、内部の人のデザインらしきものあるしな。それに経験もあるから、化ける可能性は高い。応募者にもよるけど、他でも武器やってるから食いつき良いだろう。と、言っても、武器スキルの持ち主のルシフェリアと俺、橘は行かないから、どうなるかは不明だけどな。100〜200武器は、いっぱいここが出すかなと予測してる」
「そうだったのか。他に、内外のその他で気になる所は?」
「橘情報で先月末だけど、虎鉄は課金やらないらしい。蜩は、『超大手に採用された。秘密だぞ』と、聞こえるように広場で喋っていたそうだ。トルネードか、もう一箇所な、エキストラ・バーグっていう、国産VR武器デザイン会社があって、ここも参入するみたいでルシフェリアが個人受注たまにしてるから、ルシフェリアに勧誘あったみたいで、その時に出店する話してたらしいんだけど、登録会員に生産者募集メール送るってその時言ってて、その後だから、蜩がそこに登録してたら、ここだろうという話だな。多分、武器のトップシェアは、エキストラ・バーグだと思う。300以上武器なら、ルシフェリア個人のエンジェリカかなと俺は思うけど、量とか供給数とかデザインとか総合的に。あそこは、他国で、VRゲーム二十本以上トップだ」
「知らなかった……そして、ルシフェリア……すごい……――ん? 兄上はトップを狙わないのか? 狙っても無理なのか?」
「んー、エキストラ・バーグは、量が違う。会社って感じだ。で、逆にな、ルシフェリアは完全オーダーメイドなんだ。上位は押しかけると俺は思う。ただ、予約制――と、言いつつも、既にストックをガツガツ作ってるから、ひっそりと渡すだけだ」
「ぶはっ、うーん、それはそれで上手いな」
「うん。かつ武器ONLYだから、実は俺より大量に用意可能だしな」
「なるほどな」
「後は、料理カンストに、榎波っているんだけどな」
「料理カンスト!? 召喚術師&錬金術師&冒険者&鉄盾師の榎波だろ!? 殿堂入りの」
「そいつそいつ。あいつ、『ロイヤル三つ星』ってさ、ここの一階にも入ってて、今朝のブランチのレストランの創業者の孫なんだって」
「え!?」
「だから、ロイヤル三つ星をVR出店するとか言っていたな。俺、そこが今、一番気になる。後は、橘の自社の『キング・ガーデン』っていう、超高級お茶ブランド。ほら、下で出したアイスティーとかの所。これも飲んでみたい。カフェがリアルと同じデザインだって聞いた。すごくないか?」
「ぶはっ、やばい、意表を突かれた」
「あはは。ちなみに俺は、プライベート情報一言も伝えてないから、多分びっくりされるだろうな。インテリアとかをデザインしてるとしか言ってない。VRとか一言も」
「げほっ、そ、そうなのか」
「うん。アバターも猫だしな」
「ほう。後でゲームでも会いたいし、できたら琉衣洲にも紹介したい」
「ああ、ぜひ、な。まぁ、個人的に、気になるのは、その辺かな。どんなのがあるかは全体で見ては見たい。ただ、トップ狙うなら、家かな。一位中一位かもしれないけどな」
「ぶはっ」
「あと基本、個人では、鴉羽商會×黒騎士以外では、黒曜宮商會に地味に高レベルスキル書が紛れている以外は、基本的に、実用性装備とか高レベル系は、あんまり置かない予定だ。ゲーム内部でもあんまり出してないんだけど、理由は、俺さ、作って発表して出して最初売れてる所までは、すごく好きなんだけど、ちょっとすると、もういいかなって一人だとなるんだ。アンチノワールとかのリアルもそうだ。だから継続商品は、父上の会社の人とかにパターン図を渡して後をお願いする形だ。共同店舗系なら、継続もできるんだけどな、一人だと、なんかこう、な。だから、内容物がコロコロ変化するお店になる予定だ」
「なるほどな……そうだったのか。てっきり、鴉羽商會は伝説だから、滅多に出さないのかと思っていて、アンチノワールは、兄上が多忙なのだとばかり……」
「あはは、いやいや、俺は普段はアースタロット・オンラインしかやってない、あ、いや……う、うん」
「ぶはぁっ」
「ま、まぁ、そう言う感じです……」
「親しみがちょっと増した」
「ぶはっ、ちょ、それは嬉しいような微妙なような、ホッとしたけど、内密だ」
「あはは、承知した。兄上は、アバターは猫なのか?」
「ああ」
「アースタロット・オンライン用の商品サイトを作りたいんだが、モデルとして、リアル兄上の絵が欲しいんだ。ただ、猫兄上の絵も欲しい感じに思った。リアル兄上の死霊術師と猫兄上の死霊術師、リアル兄上とリアル俺の死霊術師、猫兄上とアバター俺の死霊術師、猫兄上とリアル俺の死霊術師、リアル兄上とアバター俺の死霊術師、全部欲しい。ポスター的に」
「ぶはぁっ!!! え!?!?!?」
「俺のアバターは、狼だ。二足歩行の」
「そうなのか?」
「ああ。ちなみに、リアル時は、獣ミミを予定している」
「ぶはっ!!! それ、本気で言っているのか?」
「無論だ。俺も兄上も、モデルでご飯が食べられる程度にはプロだと思うが?」
「レクスはそうだろうけどな、俺、別に」
「いいや、俺の宣伝文句は『ゼクスの弟です★』だからな」
「ぶはっ、そうなの? そうだったのか? 俺ほら、自社関連か実家関連のみで、挨拶して撮影して帰宅だから、喋ったりしないからな」
「俺は、兄上と遊びに行った台本を渡されるからな」
「ぶはっ」
「先週末食事をしましたと言えというのを読み、昨年末の間違いだなと思った夏」
「ぶはっ!!!! やらせだ。え、テレビか? ネット動画?」
「両方ある。料理番組に出た」
「そうなのか!」
「全部父上の会社製品で、お菓子を作った。春夏冬休みに日本に来てからずっとあった」
「ぶはぁっ!! 聞いた、最初の夏と冬! それ以降は初耳だ」
「それだ。他には、俺は雑誌のモデルが多いから、横にフリートークだのインタビューだのが載る場合がかなりあった」
「なるほどなぁ」
「ギリギリ、七月発売の雑誌に広告を出せるから、出したい。ハーヴェスト関連全部」
「あ、それさ、イリスの所も頼めないか? 聞いてみるけど、多分出すと思う」
「ああ。エルレイドとバチスタは大丈夫だ。他は俺からは言えないから、自分で問い合わせをたのでくれ。ええと改めて言うと、雑誌は、『インフィニティ』『エルレイド』『バチスタ』『クエイク』の予定だ。既にOKは貰っている。七月一日に二冊、三日、四日に発売だ」
「二箇所で良いし、そう伝える! 今、タブレットで送る――った、ちょっと待っててくれ。けど、すごいな。インフィニティって、大人ブランドだろ? エルレイドは、VRシティ紙、バチスタはゲーム総合紙で、クエイクは高校生〜大学生くらいの雑誌だったか? あ、イリス即答だ。俺との共同全部と、自分の全部希望らしい。ページ納入形態か、その他の場合はそれを教えてくれって。希望は、イリスONLY1ページ、俺との共同1ページだそうだ」
「そちらは1ページずつで、納入で良い。今、兄上のタブレットに規格要項をOKの2箇所送った。エルレイドとバチスタは、元々特集を組んでいたそうで、兄上から改めて聞いたエキストラ・バーグとウィング・ジャパン、およびトルネードとアクエリアの4つは、取材済みだそうで、1ページ、先方の取材ページがあるらしく、俺達が先ほどの組み合わせでモデルをバシバシやってくれるなら、各職店1ページ、俺達取材ページ1ページ、1ページは他の企業と同じで1ページが自分達情報で載せてくれるそうだ。他の企業が、その後1ページずつ納入独自形態だそうで、そこにイリスとの共同全部の1、イリスONLY1も入る。ただ、イリス&兄上でもモデルをやるなら、増えるだろうが、どうする?」
「い、一応言ってみる、今のそのまま――や、やるそうだ……あ、後、ルシフェリアも呼んで、桃花源も取材ページ欲しいって。かつルシフェリアONLYの納入。これはちなみにバチスタのみだ。それでバチスタのみ、ゼストも出たいという。ゼスト&ルシフェリアで取材ページ一個。無理?」
「!!!!!!!!!!!!!!! あちらが大歓喜だろうが!!!! バチスタに先に連絡を入れる、というか、今入れた」
「有難う。そう伝えた。他は?」
「インフィニティは、大人の休日をアンチノワールにちょこっとゲームな空気でよこせだそうだ。バシっと兄上の写真広告が欲しいそうで、アンチノワールの家具プラス上にゲームモニタープラス兄上。赤の一人用ソファ。多分、猫アバター的に、黒い子猫とか横に置くべきだな。服装は、まぁこう、大人カッコイイ私服だろう。で、その次のページが、赤の横長のソファ見開きで、左が兄上。右にインテリアをアンチノワール。観葉植物適度に配置。兄上は足を組むか、ソファに横。ランプとか置いても良い。で、傘立てに、剣とか立てろという話で、コート掛けに、コスプレ風外套、ソファ下にゲーム風カバン、ただしかっこいい大人の。かつ手首には、インフィニティが、巻頭でプッシュするリアルの時計を付けて見えるように。サンプルはもう送ったそうだから、朝には届く。空気からして暗殺者かなと俺は思った。それで、その次のページが、ズラッと店舗紹介、見開きで左が、また赤と黒で、こっちも兄上が立つんだけどな、ここは聖職者なイメージ。神父っぽい黒い服を着て、ファンタジー色を出せと。ただし、格好よく。さらに靴は、巻頭二ページ目で特集した中の一つ。十字架は、黒騎士の『N9w2317』を一個だけつけろと言う指定だ」
「……そ、そうか。5ページもくれるのか?」
「いいや、まだある。その次のページ、大人な和装の兄上。僧侶だとしても、色っぽくという指定だった。緑方向、明るく優しく。チョイスは俺に任せろ。そしてこの横には、大人趣味風なゲームのイケてるアイテムの商品紹介。香水希望らしい。その次のページが、黒曜宮な感じのレトロ系。本屋カフェ風。ここも写真ドーン。できれば店舗イメージ欲しいそうだ、背景に。それで、最終ページのその隣が、兄上へのインタビュー。既に質問項目は受け取っている。合計9ページだ。先方は、死ぬ程乗り気だ。兄上が出ると売れる上、兄上の明らかになっていなかったプライベートだからだそうだ」
「ぶはっ、えー!? 俺、身バレ嫌なんだけど……」
「大丈夫だ。バレるような質問はしない。コラボやモデル起用の可能性が全てに残る――あ、バチスタがOKだそうだ。ルシフェリアとゼスト、イリスもだが、桃花源にも大歓喜だ。良かったら直接連絡が欲しいそうで、三名に渡してくれと、連絡先を貰った」
「あ、有難う。転送した」
「それと、エルレイドは、納入でイリスと、イリス&兄上の各1ページOKとイリスにも」
「分かった、伝えた――そ、それはそうと、インフィニティ……それ、えー……」
「これらの条件を満たせば家で撮影でOKだそうだ」
「そ、そっか。それなら、うーん……けどな、久しぶりだからなぁ……」
「安心しろ、俺がついている。最後のクエイク。こちらは、俺単独3ページ、兄上1ページ、二人で1ページ、見開きで1ページつまり2ページ、これ全部、黒騎士。その次のページがまた俺、その横が、俺&琉衣洲、これも黒騎士、っていうか、全部シルバー。ここまで9ページ、10ページ目に、黒騎士商品情報。これはアースタロット・オンライン内部の黒十字同盟の商品として出させてもらう。で、また、俺&兄上で、その隣にハーヴェストの死霊術師店舗情報ガツンって載るそうだ。合計12ページ。インフィニティの兄上の最初のページ衣装と兄上は同じで、密やかなるコラボだそうだ」
「ぶはっ」
「兄上、お願いだ、やってくれ」
「ちなみにそれらの期限はいつまでだ?」
「できれば明日中。遅くても今週中」
「VRスタジオで良いって事だよな?」
「ああ」
「レクスのフレは、どうするんだ?」
「今夜、昨日貰った商品データで撮る。服を考えている」
「――これ、貴族衣装サンプルで、お前らの金&赤OR黄色を作ったけど、派手? こういうのじゃなく?」
「ぶはっ!!!!!!! え、俺は良いけど、兄上、これとコラボれる大人カッコイイ服とか大丈夫なのか!? 俺達二名、完全にギムナジウムとかにいそうな御子息みたいなのになってるぞ? カッコイイし、これは、逆にファンタジーだがクエイクと黒騎士アクセには映えるが」
「赤いソファ前の立ちと、横長のソファの時に来てる大人黒だろ?」
「ああ、そうだ」
「んー、白い手袋を三人共通で、俺は横のテーブルの上に手袋。帽子も置いて、その帽子が、黒十字同盟マーク。横の黒ピストルが、見える感じで、ルシフェリア銘、オイルライターが鴉羽商會」
「ぶはっ!!!!」
「話それたけど、外套は、アンチノワールの秋の新作。それ、発表が六月二十九日だから丁度良い。黒いコートなんだ。これ」
「か、かっこいい……」
「俺も好き。それで、中が、アンチノワールの秋新作Yシャツと黒騎士のネクタイ、ピン、ダラッとインナージャケットのこちらはアンチノワールの定番、それでベルトがゲーム風衣装の見本で作ったコレ、ブーツはここではアンチノワール×黒騎士のゲーム独自、ボトムスは、暗殺者装備のレベル350のスキニー黒デニム。全体図、今テレビに出す」
「ぶはぁっ、うわぁ、見る人が見るとガッツリゲームだし、そうじゃないと大人だし、俺との合わせるとファンタジーだ。奇跡の配合だな」
「あはは。この方向で、どうだろう?」
「完璧だ。武器は、昨日貰ったのを使う。オリジナルじゃなくて良い。モデル風に行く」
「分かった」
「全社に依頼を再完了した。超喜ばれた。急なのにな。兄上はすごいな」
「レクスの手腕だ。俺じゃない。俺あがり症だしな……そうだ、サイトのは、その時撮れば良いのか? フレのも貰ったらどうだ? 俺、ゼストとルシフェリアとイリスに要求したから、奴らはくれる。何着てるかとかは知らないけどな。データ送れば着てくれるかもしれない。というか、ゼストは、俺と二人で暗殺者、ルシフェリアと二人で聖職者&暗殺者、俺とルシフェリアで暗殺者&聖職者、三人で、俺が聖職者で二人が暗殺者のパターンを撮りたいと言うから、それを多分撮るんだけど、その衣装、さっき見せた300レベル以上デザインの聖職者2パターンで俺とゼストが同じ、暗殺者2パターンは俺とルシフェリアが同じ、三人のやつは、二人がそれぞれ自分が使ってる奴の俺デザイン着る、と、ゼストが決めたんだけど使っても良いか?」
「良いに決まってるだろうが!」
「後、義兄弟も呼ぶかも知れない。義兄弟は俺がモデルとは知らないから、今ゼストが考えてる。後な、ゼストが、電子書籍の表紙を、俺とお前に和服でやって欲しいんだって。和服の話したら。黒曜宮兄弟な空気で。例のドラマの原作のスピンオフなんだって。書籍版も入稿間に合うから、できればそっちもだって」
「ぶはっ」
「探偵が弟で、ワトソンが兄らしい。年もピッタリくらいらしい」
「俺はいいけどな!」
「そうか、言っておく。背景は、夏の終わりだそうで、これは発売が電子が6/28で、書籍が八月の五日だそうだ。中身は、黒曜宮クラフトか商會が見たいそうだから、適当に見せてからとなる。撮影やっぱり今週中だな」
「分かった」
「じゃあ俺、今夜はもう、撮影準備の小物やインテリアのデザインと用意に専念するから、明日ご飯――明日は七時代に食べて八時開始にしよう。明日中なら」
「承知した。本当に有難う」
なんだか思わぬ展開になってしまったが、食べ終えて、俺はデザイン室に直行した。VR空間をいっぱい用意して、ガツガツ作成して、配置して、そこに商品を移動して、インテリア配置や角度配置をして、それからデザインをした。十二時過ぎに終わらせて眠った。