【1】聖書
現在――この世界では、黙示録が起きようとしている。
そう、言われていた。根拠は、聖書の記述との一致である。
正式名称は、『東方ヴェスゼスト派正統聖典』だ。
内容は、以下のものである。
【旧約聖書】
・創世記
・歴暦記
・詩篇
【新約聖書】
・東方ヴェスゼスト派における使徒の説明・解釈・序文
・第二使徒ヴェスゼストの福音書
・第二使徒ヴェスゼストの福音書付録『使徒ヴェスゼストの赦祝』
・第三使徒オーウェンの福音書
・第三使徒オーウェンの福音書付録『使徒オーウェンの赦祝』
・使徒ゼストの黙示
・東方ヴェスゼスト派による福音書の注釈と補足説明
【補完教典】
・詩集
・賛美歌
なお補完教典部分に、各流派により、その他の福音書や、各流派の指定大聖堂の歴史など、および東方ヴェスゼスト派正統とは異なる解釈や注釈が記載される場合もあるし、各流派によって、詩集や賛美歌に、更にいくつか追加されている場合がある。
だが、この正式な聖書には、共通の詩や賛美歌が載っているだけだ。
無論、欠番の第四使徒、暗黙の十三使徒、聖娼婦の福音書は含まれない。そういうものは、【偽典】として【偽物】認定されていたり、他の福音書と見解が違いするため、教会院が認めていないのである。
どういう内容かというと、主(ゼスペリア神)による天地創造の話だ。
まず最初、大地には何もなかった。全てが海だった。
科学的には、地球という惑星の最初の状態を正確に表現していると考えられている。
他にも、大洪水により、全ての文明世界が海に沈んだという解釈もある。これに関しては、天然災害で、隕石が激突して海の水が大地を満たしたとか、それが月になったとか、ロステク兵器の気象災害兵器戦争の結果だとか、兎に角色々な解釈があるのだ。
まず主は、『光あれ』と言った。これはPSY知覚刺激による受容体刺激だと考えられている。続いて『光は言葉であった』これは、ESPによる意思疎通能力だと考えられている。最後に、『言葉は神であった』と続いて最初の三行は終わりだ。主がESPにより、全ての生体PSYを持つ、人間や動物に意思を伝えたという意味だと考えられている。無論これらは科学研究上のものであり、宗教院は、ただの言葉だという認識だ。
その後現在も用いられている一週間(七日間と各曜日)を神が決める。
これは歴史階層・地表と第六階層までのことだと考えられている。
無論矛盾する箇所もあるが、科学的見地においても、『創世記は真実を知るした書物』とされていて、かつて広く信仰されていた『旧約聖書』とは、当時の人々に分かりやすく、あるいは詳細は知らないにしろ伝えられてきた各文明の歴史を綴ったものだと位置づけられている。
よって、『主』は『強力なPSYを所持していた原初文明時代に存在した統治者』であり、新約聖書における主、ゼスペリアとは、使徒ゼストが旧約聖書のごとく強力なPSYを保持していたという見解で、実際に使徒ゼストの末裔であるとされるゼスト・ゼスペリア血統は、独特のPSY-Other(絶対補色青)を持つ、研究上の特定指定血統だ。
ただし宗教界や、国民感情的に、非常に神聖で高貴な存在なので、例えばゼクスが所持しているような各種資格が無いと、調べてはならないことになっているし、宗教院は、絶対色相の青を『ゼスペリアの青』と呼び、PSY-Otherは『神の御業』と位置づけているのである。
だから科学的にも旧約・新約、各福音書等を含めた聖書は『科学的事実を理解できる範囲で記載性てる重要な文献』であり、『東方ヴェスゼスト派は科学的にも事実を記載したもの』とされているが、宗教院は『神の奇蹟を綴った記録』と考えているわけで、創世記の最初の一週間も、宗教院見解としては、神様が人間や動物を作った一週間ということになっている。概要をまとめると次のようになる。