0――SIDE陸
双子に生まれたとはいえ、長男の海と、次男の俺、陸じゃ扱いがまるで違った。
通常こそ、”僕”という口調で話しをしているが、それは本当の俺じゃない。
中学時代は、レジェンドというチームで、特攻隊長をしていた。
総長は、現在生徒会書記をしている志乃夫さんだった。
このまま、いつまでも居心地が良いチームが続くのだろうと、俺は思っていた。
だけどある日――族潰しが現れた。
”金狼”という通り名で、金色の髪に、空のような瞳をしているのだと、前々から様々なチームで噂になっていた。
俺たちのチームが潰されたのは、そのすぐ後のことだった。
だから、俺は復讐することを決意した。
「金狼を見つけ出して、絶対に復讐してやる」
レジェンドは、俺が漸く見つけた、本来の自分で在れる場所だったのだ。
普段は何でも話せるフリをしている海にも、レジェンドのことだけは伝えていなかった。
そんな俺だけの場所を、たった1日――数時間で、壊滅させた金狼。
俺の居場所を奪った金狼。
絶対に許せなかった。