【九】神キター!(SIDE:セギ)




 ――ギュート氏の物語の第四章が、切り抜きの薄い本ではあったが、納品されたのは、冬真っ盛りの事だった。エリアーデの街が、大騒ぎになった。俺も即座に読んだが、素晴らしすぎた……。感想を送ってみたが、やはりポストはいっぱいだ。閲覧していないのだろう。

「はぁ……やっぱ、全然違う。本物」

 自家発電を始めた俺ではあったが、彼のオリジナルの世界には、どうしたって勝てっこない。勝ちたいとも思わないし、物語の想像と創造は、勝負ではないが――好きすぎる。

「セギ神! セギ神の新作、最高だった!」

 また、雑談後、少ししてから、モブも俺に感想を言いに来てくれるように戻った。本当に多忙だっただけなのだろう。俺の考えすぎだったらしい。ここの所、俺の生活はバラ色だ。

「なぁ、モブ」
「ん?」

 そんな中で、俺は考えた事がある。
 やはりギュート氏が戻ってきても、俺はモブの方が気になる。

「俺の家に来ないか?」