3:モンスターの部屋:一回目:触手(★)
翌日、僕は恐る恐る”モンスターの部屋”の扉を開けた。
どこからどう見ても木の枝にしか見えない杖(?)を両手で握りしめて、震えながら一歩踏み出した。そこは森の中だった。高い木々がそびえ立っていて、日の光は見えない。少し歩いてみると、小さな池があった。それだけだった。これは、森の中に入って進むと言う事なのだろうか。そう思い、中へと入ってみる。葉を踏む音が木霊した。
暫く歩いてみる。
不思議な草が沢山はえていた。コゴミに似ている。しかしどれも巨大だった。
そんなことを考えていた、その瞬間だった。
「ッ」
腰と左の足首、右の手首に何かが巻き付いてきた。
まるで吸盤のないタコの足のような、それも巨大なナニカだった。
赤黒くて、ぬめって光っている。
「あ」
コレがモンスターなのだろうと思いながらも、慌てて逃れようと僕は体を動かした。震えと緊張が、一気に背筋をはい上る。
僕はそのまま体勢を崩し、全身を触手とでも言えばいいのか、ナニカでつるし上げられた。反転させられ、モンスターを見れば、何本もの触手が口から出ているヒトデのようなモノがいた。触手は巨大なモノから細いモノまで様々だ。
「うぐッ」
その時口の中に巨大な触手が入ってきて、ぴゅっと液体が注がれた。
喉の奥まで触手は進んでいるから吐き出す事も出来ない。ただ不思議と甘くて、クラクラしてくる香りを放っていた。
「!」
そして気づくと目の前で、ぼきりと杖がへし折られた。
これではスキルが何も発動できない。
だが――……それも怖かったが、それよりも触手の動きが怖かった。
「あ、あ?」
口腔から巨大な触手が離れたと思ったら、今度は細い触手が服の下へと忍び込み、僕の乳首の両方に絡みついた。同時に、指くらいの大きさの触手と、凄く凄く細い触手が、下衣の中へと入っていった。
「うああっ」
その時僕の後孔へと、指くらいの大きさの触手が入ってきた。
ぬめっているせいなのか、すんなりとそれは入ってくる。
だがそんな場所にナニカが入ってきた事など無いから、強い異物感を感じた。
気づけば他の触手に服をはだけられ、かろうじてまとっているだけの状態で、下半身を露出させられ、上はボタンが引きちぎられていた。
「ひッ」
そして細い触手が、僕の男根の根元にからみつき、もう一本は先端から、中へと入り込もうとしていた。
「あ、あ、あ」
尿道にナニカが入ってくる感覚に目を見開き、僕は震えた。
「うあああん、や、やだ、止めッ」
ゆっくりと尿道を抜き差しされ、苦しくなる。そんな時、後ろの中に入っていた触手がだらだらと液体を吐きだした。
「え、あ……ううッ」
思わず身を捩ったのだが、触手は離れず、宙に持ち上げられているため、どうにもならない。どうにもならないどころか――……何故なのか次第に僕の体は弛緩していき、全身に力が入らなくなった。
おそらく先ほど口から飲まされたナニカのせいなのだと思う。
「ああッ!!」
その上急に体が熱くなった。
中が、どうしようもなく熱い。触手にナニカを出されてすぐだったから、やっぱりコレも触手が吐きだした液体のせいだと思う。
「あ、ああっ」
体がどんどん熱くなってきた時、乳首を嬲るように触手が二つ動き始めた。
その感触に射精してしまいそうになると、前に入っていた触手が、深々と入ったところで抜き差しを止めた。その上根元には、別の触手が絡みついていて、拘束されている。
そんな中、後ろの孔を嬲っている触手が、ある一点に触れた。
「あああ!!」
全身に電流が走ったような感覚がして、思わず目を見開いた。涙がこぼれてきた。
後ろの前立腺をさんざん突かれ、胸をユルユルと弄られる内に、僕はイきたくて仕方が無くなった。気づけば腰が揺れていたが、僕の腰を支えている触手はユルユルと僕の腰をなで上げるのだ。
「あ、や、やめッ、ん、ぁ、はッ」
出したくて出したくて仕方がないのに、物理的にそれが出来なくて、ただ泣きじゃくるしかない。どうしてこんな事になったんだろう。
僕は剣と魔法の世界だと思っていた。だがその時、不意に思い出した。そうだファウスト君が言っていた。
『人間やモンスター、獣人、エルフ、等々、他の魔王等々に突っ込むか突っ込まれるかするだけです』――精気を吸い取る。
まさか、まさかだ。それは、こういう事なのだろうか。
「いやぁああああ!!」
しかしそんな思考は、中の一点をひときわ激しく突かれた時に消え去った。
確かに達した感覚がしたのだ。前を拘束されているのだから何も出ないはずなのに。
「やだやだやだ」
そのまま何度も何度も、そのようにして、中だけで僕はイかされた。
ぬめる触手が時折意地悪くその箇所をはずし、もどかしくなると、今度は乳首を強く嬲られる。もどかしさに体が震えていると、尿道を今度は触手が抜き差ししてくる。最早その感触すら気持ちよくて、深く入ってくると、イきっぱなしのような気分になった。
「あ」
その時今度は、尻を突き出すように体勢を変えられて、太い触手が何本も中へと入ってきた。めりめりと押し広げられる感覚がしたのに、全く痛みはない。また口の中へと触手が入ってきて今度は舌を絡め取っては緩急つけて刺激された。
「は、あ、ハ」
声が出ず、息が上がった。
「んぅ」
唇を噛もうにもそれが出来なかった時、耳の中へと細い触手が入り込んできた。
そして今度は、下の拘束がとけ、尿道へ入っていた触手もとれた。
その瞬間僕は果てたのだけど、そのまま次は、強制的に何度も何度も射精させられた。触手が僕の雁首を刺激し、絡みついて扱くのだ。口の中には何度も何度も液体を注がれ、その度にさらにさらに体が熱くなっていく。
「ッう」
中には、今度は太い触手が何本も突き刺さり、激しく揺さぶられた。
ビチャビチャと、グチャグチャと中をえぐられる度、音がした。中にも何度も液を吐き出された。
それから今度は、それらが抜けて、乳首だけを弄られる。
ジンっと疼いて、下半身に疼きが直結し、また射精したくなる。
もう出ない、そう思うのに、熱くなった体は、もどかしくて、また貫いたり扱かれたりしたいと、そればかりを考えるのだ。そのまま――胸をさんざん弄られ、僕は乳首だけで果ててしまった。
最早訳が分からない。何度も触手は僕の体勢を変え、角度を変えて、様々な場所を犯し尽くした。
「ん、ァ、ああッ、うああ」
朦朧とした意識は、最早快楽以外の何も考えられなくなっていた。
朝、”モンスターの部屋”に入ったはずだったのだけれど、辺りがどんどん暗くなっていったから、もう夜が来たのだと、僕は分かった。
射精させられる度に、僕の先端からは透明な液がこぼれ落ちていく。
本当にもう透明なのだ。
僕の頬をぬらしていた涙も乾いていて、睫の上にちょっと乗っているくらいになってしまった。全身が弛緩し、ただ体だけが熱い。
幸い殺される気配は無かったが、僕はこのままずっと快楽に溺れていなければならないのだろうか。気持ち良すぎる体とは反対に、乖離した理性が、苦しさを訴える。
何でこんな目にあっているんだろう。
その時僕は気がついた――幸運だけ、他のステータスと比べて、凄く低かった。
「≪蒼いかぐや姫≫」
不意に、凛々しい声が響いた。
触手が凍り付いてパリンと割れて砕け散った。
その為宙から僕が落下しそうになると、誰かが受け止めてくれた。
見れば、黒いマントをつけた青年がそこにはいた。