8:モンスターの部屋:三回目:盗賊団(★)


 気合いを入れて扉を開け、僕は杖を右手できつく握った。
 そうして出たところは、山の上にある、小さな平地だった。
 星明かりしか見えない、夜の山だ。

「ん?」

 周囲を見回していると、たき火が目に入ってきた。赤々とした炎が、それを囲んでいる数十人の人々の顔を照らし出している。よし、≪ステータス≫を確認してみよう。レベルが200になってから、思考するだけで≪ステータス≫が今までよりも簡単に見ることが出来るようになったのだ。

 そう思って、呟いた時、≪盗賊団総合レベル300;人間≫という表示まで見た。その瞬間だった。

「ッ」

 口元を押さえられ背に体重をかけてきた相手に身動きを封じられた。

「お頭。立ち聞きしてるネズミがいましたよ」

 そういって僕を引きずりながら、腕をねじり上げられて、後ろから襲いかかってきた人間に、たき火の方へと連れて行かれた。

 ――人間って、滅多に出ないんじゃなかったっけ?

 一人のステータスを見てみれば、一人一人は、そんなに強くなかった。人数が多いから、レベルが300になっているんだと思う。要するに今の僕じゃ、負ける。

 その上……皆、幸運が、100以上だった。人間より僕の幸運度は低いみたいだ。
 泣きそうになっていると、服を向かれて、お頭と呼ばれていた【メッサァ】という名の青年の前に突き出された。

「性奴隷として売れそうだな、まずは味見だ」

 そういって僕の腰を抱えると、正面から向きあう形にかかえられ何故なのか既にそそり立っていた男根を無理矢理押し込まれた。ならされなかったし、めりめりと音がするのと同時に、多分切れたらしくって、血がだらだらと落ちてきた気がした。痛い。痛かった。冷たい痛みだった。その分血が生温かく感じられた。その血液が潤滑油となって、グチャグチャと音を立てる。

「嫌だ、止め――ンあ!!」

 しかし腰を揺らされると、ここ数日で快楽に敏感になってしまった
 僕の体は、もどかしくなってくる。気持ちいい、もっと気持ち良くして欲しい。

「やだぁあ」

 自分でも甘い声が出てしまったのを自覚し、羞恥で涙が浮かんできた。
 必死で手をメッサァの肩に置く。
 そうして暫く突き上げられて、気づけば僕もまた腰を振っていた。

 メッサァがそのうちに動きを止めたことにも気がつかず、僕は太ももを震わせながら、腰を動かしていた。無意識に、気持ちいい場所への刺激を求めていたらしい。

「すげぇ淫乱だな。これなら、売るんじゃなくて、うちで飼うか」

 そういって彼が笑うと、周囲から嘲笑する声が、どんどん上がった。

「うああ――!!」

 中へと精液を放たれた瞬間、思わず菊門に力を入れて目を伏せてしまった。

「しまり具合も丁度良いな。お前らも試してみろ」

 僕の体から、メッサァが陰茎を引き抜いて、地へとおろす。
 すると犬のような体勢にされ、ぎちぎちと、血が垂れる後孔に、今度は盗賊の一人が押し入ってきた。

「んぅ」

 その上口の中にも陰茎を別の盗賊に押し入れられる。

「噛んだら容赦しないからな」

 そう言われ、後ろと前から攻められて、僕は怖くなった。このままでは、殺されてしまうかもしれない。しかし、しかし。なのに僕は、やっぱり気持ちが良くて、もっと奥まで突いて欲しいと思うのだ。

 それから入れ替わり立ち替わり内部をえぐられ、太ももを舐めあげたり、前を擦られたりしながら、僕は精液まみれになっていった。

「あ、あああっ、も、もう出来な……ヒッ!!」

 その時今度は、二本の陰茎を同時に差し入れられた。圧倒的な熱の暴力に、ぎちぎちと音を立てて、さらに血が滴っていく。血と白濁とした体液がこぼれ落ちるのを楽しむようにしながら、一人は僕の髪をつかんで上を向かせ、もう一人は僕の乳首を摘んだ。

「やぁあン、うう、嫌だ、あ」
「嫌? 喜んでいるようにしか見えないけどな」
「ああ、もっと気持ちよくしてくれなきゃ嫌って事か」

 朦朧とし始めた意識の中、嘲笑うようなそんな声を聞いた。
 羽で撫でるように優しく乳首を転がされると、ゾクゾクと不思議な感覚がした。指先の感覚が意識をしめ、そうしていると今度は後ろに入った苦しい熱が激しく動いて息が出来なくなる。

 そんな調子で、三日間ほど僕は、入れ替わり立ち替わり嬲られた。

 一日目。
 いつの間にか眠っていた僕が意識を取り戻した時、僕はM字に開脚した状態で、木にくくりつけられていた。両腕も後ろ側で縛られていて、身動きがとれない。すると、一人の盗賊がやってきて、僕の萎えている陰茎を口に含んだ。

「うあ」

 そのまま強く吸い上げられると、肩が震えた。片手で緩く握られて、ゆっくりと上下に動かされる。ごつごつとした固い指の感覚が、次第に激しさを増していって、僕の男根は完全に立ち上がった。瞬間さらに強く扱かれる。

「ああ――や、出、出るッ!!」

 僕はそうして射精した。なのにその盗賊の口淫は止まらない。

「あっ、ぅあ、僕、も、もう」

 無理だといった瞬間には、強制的に快楽を煽られて、またイかせられた。
 そうして次の盗賊が僕の陰茎を銜えた時、メッサァがやってきて哄笑した。

「ちゃんと覚えろよ」
「ふぁ、ひゃッン――ァ」
「明日からはお前がやるんだからな。きちんと教えてもらう事だな」

 それから何十人もの人間に、僕はイかせ続けられ、もう透明な液しか出なくなった。
 涙をぼろぼろとこぼし、瞼をきつく伏せて、その辛い快楽に耐える。
 もう限界なのに、それでも僕の体は射精を続けるのだった。何度でも出せる魔王の体が憎かった。そのままいつの間にか、僕はまた意識を落とした。

 二日目。
 僕は目を覚ますと、後孔の中が酷く熱いことに気がついた。

「起きたか」

 盗賊の誰かがそういって、卑しく笑った。
 それから中にナニカを塗り込める無骨な指が入っていることが分かった。

「今お前に塗ってるのは≪バルジア草の媚薬≫って言って、中で出されないとイけない媚薬なんだよ」
「ッ」

 言われてみれば、僕の陰茎は既にそそり立って先走りの液をこぼし始めているのに、出したくて仕方がないのに、何故なのか出せないでいた。

 それから指を引き抜かれ、別の人間に、襞を解すように菊門を優しくつつかれた。

「ああ、あ、挿れッ!!」

 しかしその指は意地悪く離れた。

「挿れてやるよ。お前が上手にフェラを出来るようになったらな」

 そういうのと同時に、男が下衣を脱いだ。

「……」

 座っている男を見て、僕は昨日自分がされた事をしなければならないのだと分かった。
 噎せるような雄の匂いに、思わず目を伏せる。

「さっさとやれよ。じゃねぇといつまでも体が熱いままで、おかしくなっちまうぞ」

 震えるように頷いてから目を開けると、ニヤニヤと盗賊の男は笑っていた。
 意を決して口へと含むと、奥まで咥えさせられた。

 それから何度も何度も大勢の男根を口に含ませられて、何度も何度も苦い精液を飲み込まされた。もう嫌で嫌で泣いているのに、男達は止めてくれない。どころか意地悪く、後孔の表面だけをつつくのだ。その度に腰を揺らしてしまい、出したくて出したくて――挿れて欲しくて仕方が無くなる。

「まぁまぁ上達したな」
「嗚呼、なんか疲れたし、今日はこの辺でお開きにするか」

 そういうと、男達はまた僕を木にくくりつけた。

「待って、あ」

 ――結局中で出されないまま、熱くて快楽がはい上がってくるのにイけないまま、僕は眠れぬ一夜を過ごしたのだった。結局その日は、媚薬はそのままだった。

 三日目。

「うあ――あ、ア、ヤダ、早く、早くイかせッ!!」

 僕は抱きかかえるように後ろから掴まれて、太ももを揺らしながら、乳首を捏ねられていた。そそり立った男茎は、僕の中へと深く突き上げているのに、射精する気配を見せない。

 その上、前を別の盗賊に口淫され、出したいのに出せないのに、なのに快楽が強すぎて、僕は泣きわめいた。

「もっと欲しいって言ってみろよ」
「うあァ――ン、んぅ……ああっ、あ、もっ、もっとぉ、あ、あ、もっと、もっと!!」
「そんなにもっとして欲しいのか」

 すると乳首をこねくり回していた手が、今度は両手の指で挟んで小さく振動するように揺らされた。

「んンゥ、ッあ、ああ」

 快楽を耐えようとしている内に、僕の両足の指先は丸くなった。足の震えが収まらず、何度も何度も頭を振る。

「仕方ないな。出してやるよ」

 そういって突き上げられ、精液が中へと入ってきた瞬間、やっと僕は射精できた。
 力の抜けた体をそのまま地へと押しつけられ、今度は別の人間に後孔へと男根を入れられた。口にも、また入ってくる。足を無理に持ち上げられ、角度を変えられ、緩急をつけて動かされた。腰を撫でられ、耳の中も蹂躙された。それが――どうしようもなく気持ち
良かった。こうしてまた輪姦されたのだった。

 四日目。
 今日は何をされるのだろうかと、もう嫌だと思っていると、メッサァが言った。

「飽きた。移動しよう」

 その言葉に、盗賊達は皆、僕を残して、移動していったのだった。

 ――助かった、のかな?

 そう思ってステータスを確認する。そんな余力はなかったのだが、無意識にスキルを発動していたのだ。声に出さなかったからなのか、少ししか表示されなかった。

【基本】
Lv.208
LUC.17(あがりませんでした)
CR.5000

【スキル】
≪嘆きのヘンゼル≫……フェラチオ能力(弱)↑New

【アイテム】
人間の精液×905↑New
盗賊の宝箱(貴重な宝石)×32↑New
ペルソナ瓦解(感度up)×10↑New
バルジア草の媚薬×62↑New

【所持金】
200000G

 曖昧にそれを確認した後、近くに落ちていた杖を拾う。

 そうして疲れ切っていた僕は、マスター室へと戻った。
 三日間まともに体を休めていなかったので、そのまま床に座ってしまった。
 気持ちいいと感じる自分が気持ち悪い。

 早く体を洗ってしまおうと、よろよろと立ち上がり、シャワーを浴びた。
 いつもより沢山泡を立てて全身を洗う。
 それから洗い流すために暫くシャワーを浴びていて、少し体をずらして、頭の上に直接かかるようにした。そうして髪が濡れていく中で、僕はシャワーで隠して一人で泣いた。

 ――人間って酷い。

 全ての人間がそうだとは思わないけれど、その時の僕は決意していた。
 子犬たちのためだけではなくて、僕がさせられたような快楽とつらさを、人間達にも味わわせようと。

 今になって思えば、他の魔王達にも復讐(?)したいが、現在の実力では無理だろう。
 兎に角レベルを上げて、クリエイトポイントを稼ごう。

 そう決意して、取りあえず浴室から出て、僕は寝室へと向かった。
 その日、ぐっすりと寝てしまったのだった。