9:モンスターの部屋:四回目:丸太(★)


 この日も僕は恐る恐る部屋の扉を開けた。するとそこは森の中だったが、最初の森とは違い、日の光が穏やかに差し込んでいた。正面には大きな丸太があって、なにやら木の棒が中央についている。僕から見て左側には、鉄棒のような形の、多分掴むところがついていた。

「オモチャかな?」

 よく分からなかったので、ステータスを見てみることにした。

「≪ステータス閲覧≫」

NAME:孤独な丸太
Lv.:5000

 ※レアモンスター。基本的に他者を襲いません。ただし木の棒を自分の秘部に挿れると、12時間抜けません。精気を吸うのに適したモンスターです。この森のフィールドに降り立てる確率は100000分の1で、さらにこのモンスターが出現する確率は100000000分の1です。このモンスターは移動しません。移動魔法陣を設置し、この空間とマスター室をつなげることは可能ですが、それにはレベル1000以上が必要です。またモンスターと同じレベルになると、さらに高レベルの丸太が出現します。なお、このモンスターが攻撃してこないので、魔王も攻撃スキルは放てません。

「自分で挿れる……?」

 幸運の値が人間よりも低い自分が、レアモンスターに遭遇している。
 という事は、12時間の間、苦しい思いをするのだろうか?

 しかし、確率的に言って、二度と僕がこの場所へとたどり着けるとは思わないし、丸太と出会うこともないだろう。レベル差がかなりあるから、多分レベルを上げるには適しているし、口がないから酷いことを言わないだろうし、攻撃もしてこないとすると……レベルが上がる限り、この場所で頑張った方が良いのかもしれない。お腹も減らないし、お風呂にも入らなくて良いのだから。

 僕はそう考えて唾液を嚥下してから、下衣を脱いだ。そして恐る恐る丸太へと近づいていく。丁度僕がつま先立ちしないと挿れられない場所に木の棒はあった。それなりに太い。意を決して体内にそれを入れ、震えながらゆっくりと腰を下ろした。

 すると足が地面に着いた。持つところは丁度真正面にある。
 それを掴んで、僕は吐息した。後はこのまま、12時間待てば良いのか。

 ≪アイテム設置≫で時計を出して、左の手首に填めた。
 それから二時間くらい、どんなダンジョンにしていこうかなぁなんて考えていた、その時だった。

「ヒッ!!」

 突然丸太が振動し始めたのだ。弱い振動だったが、喉が震えた。

「あ、あ、嘘――嫌だ」

 持つ場所を手できつく握りなおし、大きく吐息する。
 ブルブルと動く木の棒の感触に、快楽が浮かび始めた。

「うあ」

 腰が揺れるのも太ももが震えるのも止められない。

「いやだ、あ、ああっ」

 その振動も嫌だったが、何よりも気持ちいいと思う自分が嫌だった。
 もっと、強く突き上げて欲しい。奥を暴かれ、感じる場所を刺激されたい。
 そんな欲望がはい上がってくる。
 それから5時間ほど弱い振動が僕の中で響いて、計7時間が経った時だった。

「うア――ッ、――!!」

 思わず僕は目を見開いた。急に振動が激しく変わったのだ。

「いや、いやァッ!! 待って、待って、あ、ああッ、こんなの無理だよ――!!」

 だが、口がないのだから、やはり木は何も言わない。
 振動音が骨を伝って直接聞こえた。
 僕のだらだらだった前は、今度こそ、容赦なく射精をさせられた。

 しかし感じる場所にそれを押し当てたいと強く思い、何とかつま先立ちしようとするのに、それが出来なくて、また深く奥まで一気に貫かれる。

「あ、ああああ!!」

 声まで震えている気がした。気持ちいい、気持ちよかった。僕は、屈辱からでも、怖さからでも、何でもなくて、快楽で泣いていた。

 もう淫乱でも何でも良い。僕は気持ちいいんだ。もっともっとして欲しくて、かき混ぜてグチャグチャにして欲しくて、腰をいつの間にか自分で何度も動かしていた。それから今度は3時間、計10時間が経った時のことだった。

「ン――あ、あああああ!!」

 振動はそのままに、急に木の棒にいくつもの突起が突いたようだった。それらが内部を蹂躙し、その内の一つが、僕の感じる場所を強く刺激する位置にあった。

「や、やめ、また出、出る、あああ!!」

 振動する感覚と、木の堅い感触に、訳が分からなくなった。
 何度も何度も射精し、酸素を求めて開けた唇からは、だらだらと涎がこぼれてしまった。
 目からも涙が筋を作ったが、やっぱりそれは悲しいからなんかじゃ無かった。気持ち良かったからだ。

 それから2時間して、振動が止まった。まだ僕はぐったりとしたまま、またがっていた。
 しかし気怠い体をひきずって、木から地におり、ステータスを確認した。

「≪ステータス≫……あ、レベルとクリエイトポイントと幸運と新しいスキルとアイテムとお金だけでいいや」

【ステータス】
Lv.704
CP.100000000
LUK.25

【アイテム】
孤独な小枝(バイブ:弱)×1
孤独な中枝(バイブ:中)×1
孤独な大枝(バイブ:大)×1
孤独な木馬(三角木馬)×1
孤独なワルツの樹液(快感度をMAXにする効果)×1
無限鞄(LV.350得点)

【スキル&所持金】
≪荘厳なエンデ≫……指で快感を与える能力
1200000G


 凄い上がり具合だった。
 幸運まで上がっている。

 ――それに、気持ち良かった。僕はもう、この快感からは、この世界からは、逃れられないのかもしれない。

 空を見上げれば、もう夜になっていたけど、基本的には睡眠だってしなくて良い体になったのだから……もう少しレベルを上げよう。

 決意し唾液を飲み込んでから、僕は再び丸太へと向かった。

 二回目もやっぱり気持ち良くて、それどころか、今までよりもさらに気持ちよく感じられた。スキルや所持金、レベル等々色々上がったが、LUK.だけは、上がらなかった。アイテムは、≪淫乱草(自分の快感を高める)≫が新しくあった。

 そんなこんなで夜も明けきった三回目。
 僕はふと思った。
 今まで時計を見て確認していたけれど、あの棒の動きの変化は、本当に十二時間の中で、きっちりと決まっているのだろうか?

 そう考えて、≪アイテム設置≫で目隠し用のひもを取り出した。
 木の棒を中へと入れて、僕は目隠しをした。

「ひゃッ」

 ただ時間を確認するためだけのはずだったのに、これまでとは全く違い、ダイレクトに木の感触を感じて、まだ振動していないのに、もどかしくて僕は腰を揺らした。

 目隠しをほどこうと思ったが、体に力が入らず上手くできない。
 振動はやはり弱いところから強くなり、最後は突起付きの強振動で中をえぐられた。
 そのまま時間が経ち、僕は目隠しをしたまま十二時間を乗り切った。
 木の棒と丸太から離れて時計を確認すると、やはりぴったり十二時間だった。

 そうして、四回目、五回目――……数十回目を数えた時だった。無限倉庫が設置されたり、鞄もあるしで、アイテムの取得数には何の問題もない。だが、電子音声が響いてきたから、必死で聞こうとした。その時もまだ僕は、木の棒に強く突かれていた。

『レベル5000に到達したので、丸太のレベルが10000になりました』

 その瞬間、突起付きの強い振動をしていた木が、急に動き始めた。

「あああ!!」

 内部を抜き差しされる感覚に、思わず目を見開く。僕の足はついたままだから、多分丸太の内部に木の棒が入ったり、突き出たりしているのだろう。その上、持ち手と木の棒の間から蔦が出てきて、僕の双方の乳首に絡みついた。

「ン――!! あ、ああっ、ア――ァ」

 蔦は最初は絡みついたままだったのに、いつの間にか緩慢に乳首の先端をなで始め、その後はまた絡みついて摘むように強い刺激を与えた。内部の木の棒は、いつの間にか抜き差しを止め、今度は縦横無尽に僕の中をかき回し始める。

「あああ、ンア――ッ、ッッッ、あああああ!! やァ――!!」

 僕は泣きながら時計を一瞥したが、もう15時間経っていた。
 それから木の棒は、僕の感じる場所を重点的に突き上げ始め、蔦がもう一本生えてきて僕の陰茎にからみつき、射精を阻んだ。

「やぁああああ!!」

 そのまま僕は、射精できないにもかかわらず、中を刺激されただけで、イってしまった。
 何度も何度もそれが繰り返されて、僕の声はかれた。

「ン、フ……ぁ……」

 それでも時折吐息に声が混じる。
 そのようにして、振動が止まった時、僕は最後に射精を促されて、果てた。
 丸太から倒れるようにして降りると、36時間が経過していた。

 おそらく最初の丸太が12時間、残りの24時間が、レベルアップした丸太なのだろう。
今度は苦しすぎる快感だった。体が弛緩しているのが分かる。

「……どうしよう……」

 僕のレベルは、8500になっていた。短期間でこれだけ上がったのだから、レベル10000の丸太を使えば、さらに上がるだろう。100000レベルなら、以前にあった北斗やアルカナと大体同じくらいになる。

「≪補助機能ON≫」
『起動しました』
「このフィールドに来てからの日数を含めて、三ヶ月経ったら教えて。それまでは、何もしないで」
『承知しました』

 それから僕は、無限鞄に入っている≪淫乱草(自分の快感を高める)≫の数を確認した。750個あった。≪淫乱樹(自分の快感をかなり高める)≫も1つあった。

 決意し、淫乱草を一つ取り出すとPOTに入る緑色の液体だった。それを飲み込むと、不思議なお茶の味がした。玄米茶みたいな味だった。

 それから、100000レベルの丸太に、2回、3回――……数百回、≪淫乱草≫を飲みながら跨った。淫乱草のせいなのか、今度は気持ち良くて仕方なくなった。最早レベル上げなどどうでも良くて、僕は快楽に浸っていた。

 その時また電子音声の音がした。

『レベル100000になりました。レベル1000000にレベルupします』

「うあ――――!! ひゃぁああ――あ、あ、まっ、待って、ああああ――!!」

 今度は、≪淫乱樹(自分の快感をかなり高める)≫が1430個もあったので、そちらを飲みながら、跨った。こちらは本当に36時間だった。初回だけ46時間だったけど。めぼしいアイテムとしては、≪淫乱大樹(自分の快感を尋常ではなく高める)≫だった。

 そのまま丸太に犯し尽くされ、僕のレベルは1000000を超え、他のレベルは100000000にまで達した。そんな中、電子音声が響いた。

『三ヶ月が経過しました』

 その言葉に、もう出来るようになっていた移動魔法陣を設置し、僕は久しぶりにマスター室へと帰ったのだった。

 帰ってから確認すると、僕のレベルは90500000になっていた。
 クリエイトポイントは、199999999999ポイントになっていた。

 残り約9ヶ月。

 最早快楽の虜になっていた僕は、エロエロダンジョンを作ろうと決意していた。