【6】★
周囲がうるさいだろうというのもあったが、それ以上に、残忍性が顔を出した僕は、今後礼の体をどうしてやろうか色々考えていて、礼の修士と僕の博士卒がかぶるから、それまではじっくりと楽しもうと決意していた。常に持たされている避妊具を、何を思ったのか僕は度々ここのベッド脇の棚にポイ捨てしておいたのだが、それが功を奏した。たくさんゴムはあるのだ。ベルトをゆるめて下衣をおろし、ゴムをつけて、僕は割れ目に陰茎をあてがった。指を引き抜いた段階で、彼女はびくりとしていたが、今度こそ硬直した。しかし充分ほぐれているのは分かっている。
「あああああああああああああああああああああ」
僕はゆっくりと、しかし着実に中へと進めた。
根元まで一気にいれ、まずは揺さぶった。
「息、ちゃんとしってってさっきもいったよね」
「あ、あ」
もういきたくてわけがわかっていないようでもあったけど、必死に僕の指示に従おうと口を開けた彼女が愛おしい。しばらく揺さぶってから、ゆっくりと抽挿を開始した。なにもしてないのに、礼を見ているだけで、ガチガチだ。本来なら、完ダチする前に入れてあげた方が楽だと知っているのだけど、収まらないんだから仕方がない。
「大丈夫?」
「あ、ンうっ、あ」
「痛くない?」
「あ、あ、あ」
話せない様子になっている礼に、さらに笑みがこみ上げてきた。僕は今度は激しく抽挿した。すると大きな声が上がった。そろそろ限界なので、なんだか今日は、我ながら早いが、一回いっておくことにして、彼女の太ももの片方を持ち上げた。そして先ほど見つけた、感じる場所を直接陰茎で嬲った。
「うああああああああああああああああああああああああああああ」
彼女が達したのを見計らい、ほぼ同時に僕も出した。強くえぐった瞬間だから、同時といっていいだろう。それからゆっくりと引き抜き、ゴムをはずした。糸が切れた人形のように、礼はガクリと体をベッドにあずけている。
「本当に初めてだったの? 全然痛がらないし、血も出てないけど」
もちろん、僕の手腕の成果だが、知らんぷりして聞いてやった。
すると息が落ち着いてきた様子の礼が、ぼんやりしたまま視線を下の方へと向けた。
「……? 本当だ、出てない……私、産婦人科に行かないといけないかな」
汗で色っぽく濡れた髪と、それが張り付いている頬が扇情的で、不思議そうな彼女の声が、逆に子供らしすぎてアンバランスだった。そこがたまらない。
「初めてなのに、あんなによがりくるって感じまくっていきまくるど淫乱なんて、そうそういないよ。ぬるぬるに濡らしてさ」
僕が意地悪くそう言って笑うと、やっと礼が悲しそうな顔をした。
泣くだろうか?
そうしたらなんて言ってやろうか。
だが、僕の予想は裏切られ、彼女は笑顔を浮かべた。
こわばっているのは間違いないし、作り笑いを見慣れている僕には、ただの上辺のものだとすぐにわかったが、きっと多くの人間が気づかない程度には、完成度の高い笑みだった。それから彼女は、ゆっくりと僕を見た。
「あ、あの、これは、なにかの間違いで、なかったことに――」
「僕以外と一生しないし、僕が要求したら必ずするって言ったよね?」
「……それは……け、けど!」
「あと、今日からは前みたいに、ここで暮らして」
「……」
「どうせ僕が来る時間は変わらないし、料理くらいなんてこともないから。むしろフラフラ帰られる方が迷惑だ」
「……」
「返事」
「は、はい……」
「今日は休みだから、このまま帰るね。鍵、閉めてくから。それとも何か食べる? 今日は、食欲わかなそうというか、眠そうな顔してるから、朝まで寝たら? もう午後だし」
「はい……ありがとうございます……」
「じゃあね、また明日」
僕は仮眠室の施錠をして、シャワーを浴びた。
礼にも浴びさせたほうがいいかと思って、あがってからのぞいたが、既に寝ていた。
念のため、簡単なサンドイッチを作ってベッドサイドに置き、再度施錠した。
その後、研究室の扉を閉めて、帰宅した。