短編 - ミステリー/ホラー/SF
双廻
帝都、灯京。元号は大正となり、次第に異国との戦禍の気配が近づいてきている。灯京帝国大学で精神医学を学んでいる俺は、現在私宅監置の資料を取り纏めている。私宅監置とは、江戸頃まで遡る座敷牢といった風習を、法制度化したものであるというが、近代化を謳うこの国を思えば涙が出てしまうくらい劣悪なものだ。端的に言えば、精神病者――古い言葉で言えば瘋癲人などを、自宅で看るという制度である。調べる理由は、出身地の村における記憶が端緒だ。
くたびれた陽溜まり
僕は二番村の平民の母と、貴族の父の間に生まれた子供だ。伯爵家に引き取られて、十四歳の新月を待っていると、異母兄のジェイスが「出ていけ」ときつくあたってくるようになった。どうしてなんだろう? 最初はよくしてくれたのに。やっぱり、同じ歳の異母兄弟は複雑なのかな? 思春期かな? ※と、いう、異世界ファンタジー風のSF(宇宙)要素有な残酷描写のある短編です。
僕達は恋人ですらなかった。
僕は若き天才科学者と呼ばれているが、そばに海藤がいてくれなければ何もできない。※お誕生日の企画で、①受けが天才・美人・薄幸で無自覚系、自己犠牲とか偽悪者等②タイムリープ等というお題で書かせて頂きました。なんちゃってスチームパンク風でSF風ですが、理論等はまったくありません。